レネゲイドに目覚めた所をUGNにスカウトされ、安易な気持ちで参加した少女。元々はエビのキュマイラ。
やがてその伸び代、特異性を見出され、オーヴァードの中でも才気豊かな者が集う部隊『NEXT』へと配属された。
（親にはＵＧＮ権力で留学という事で処理した、その成績で！？　とは驚かれた模様）

そこはＵＧＮチルドレンが受ける様な高度なレネゲイドの訓練が常で有り、
何より年齢差こそあれど、所属する誰もが熱意に満ちており、この力で誰かを助ける、英雄になると理想に燃えていた。
きっと英雄という言葉に魅せられてしまった夢見がちな人間ばかりだったのだろう、とは本人の弁。

しかし『灰被りのノア』と呼ばれる事件によって部隊は壊滅。
その場に居合わせた"女性"の死の時も手を伸ばすが届く事は無く――本当に守りたかった人々を救えないままに彼女は英雄となった。
本当の英雄は死ぬ最後の最期まで逃げなかった仲間たちや、"女性"の方なのに――。

だからこそ彼女は、仲間たちの分まで英雄になることを望み、立ち止まる事を拒否した。
死者の想いをを無駄にしてたまるかと取り込み事で継ぎ接ぎの獣(アノマロカリス)のキュマイラへと変化しながら、進み続ける。

私は一般家庭に生まれたごく平凡な少女だった。
凡庸で凡才、何一つ特別を持たなかった私はレネゲイドに目覚め、辻ワーディングで遊んでいた所をＵＧＮに発見された。
そして世界の真実を知る事で、これを好機だと、特別になれるチャンスだと自分を売り込み、エージェントとなったんだ。

「ほら？　超能力を手に入れたなら意味が欲しいじゃん？　自分だけの個性なら存分に活かしたいじゃん？」

ＵＧＮに正式に所属し、同期のエージェントたちと交流する中で判明した事実として、私はオーヴァードの中でも凡才だった。
それはとても残念だったけれど、そんな私にも他には無い武器――ジャーム化のし辛さ、努力を楽しめる能力があった。
暴走しにくい私は沢山努力(とっくん)が出来たし、結果的に他のオーヴァードよりも強くなることが出来た。

その力に自負も持っていたし、何度かの実戦で成果を出す事でその自意識は高まっていったよ。

「あんなに頑張ったんだから、あんなに努力したんだから素晴らしい成果が出せるはずだって」
「私はきっと主人公(とくべつなにんげん)になれると、英雄(ヒーロー)になれると心の底から信じていたよ」

そして、あの運命の日に至った。
"同期の仲間"が死んだ、"一緒に戦った彼女"を守れなかった――。

なのに皆が称える、英雄だと。
沢山の人を救った、犠牲を最小限で留めたと褒めてくれた。

「そう、私の夢は叶ったんだよね――ぜんっぜん、嬉しくなかったけど」

沢山泣いて、沢山悲しんで。
でもエージェントを辞めようとは思わなかった。

「この特別な力でも、死者を蘇らせる事はできない」
「当たり前だけど努力が実を結ぶとは限らない、幸せに繋がるとは限らない――少なくとも私は繋がらなかった(まもれなかった)」
「――……でも、それが認められない」

これはもう私の意地だけの話じゃない。
私だけじゃなく、皆が努力していた、皆が頑張っていた。
楽しい日々だけど苦しい事も多々あった。私たちの努力は理論値だった。
私を含めた仲間たちの努力の結果として少なくとも私とロベルタは生きて帰る事が出来た、多くの人を守り抜けた。

でも足りない、私たちの努力はこの程度の成果じゃ足りない。
努力を結実させるのは結果以外にない、結果で示すしかない、今までの全てを無駄にしないためには。

「皆の努力で生き残れた私たちが、もっと多くの人たちを救えると証明して見せる」
「生き残った私達で、もっと素晴らしい英雄になって見せる」

「私たちの十年にも及ぶ修行の日々が、こんな生き恥の英雄で終わるなんて」
「今まで駆け抜けて来た全てにかけて認められるものか」

先に逝ってしまった仲間の為にも。
手が届かなかった彼女の為にも。

私は、もっと多くの人を救える英雄になって見せる。
そして胸を張って言うんだ。

私が英雄になれたのは、沢山の仲間たちのおかげだって。

https://www.youtube.com/watch?v=P5jDK0K_j2w

言葉が出ないよ　渇いたノドに水を
ただあてもなく　西へ東へと

消えてしまったよ　景色の色が音が
取り戻したい　あの手やこの手で

何年も何年もさまよった　ひとりきり
この星にいる意味はなかったんだ

君の目に会うまでは

思い込ませるよ　すべては上手くいくと
身をまかせたい　何が待っていても

何人も何人も旅立った　ひとりきり
誰ひとり行く先はなかったんだ

君の目に揺れている　シリウスのきらめきで

孤独な夜を　照らしておくれ
孤独な星を　照らしておくれ

砂漠の中に落っこちた　最後の涙を探す
癒えない傷を負ったまま　さすらっていくキャラバン
砂漠の中に落っこちた　最後の涙を探す
見上げた空に光は　ひとつもなかった

君の目に会うまでは

孤独な夜を　照らしておくれ
孤独な星を　照らしておくれ

You're my eyes, Shine on me
You're my starlight, Shine on me

https://www.youtube.com/watch?v=a09kPotK5LQ

誰も切り捨てない 何も捨てはしない
痛みさえ 抱きしめてゆこう 絶望を染めるように---

翳りゆく空見上げ 瓦礫の街へ歩き出す 君は
いつのまにそんな強い瞳で 僕の背を押す 見えない未来へ

【大丈夫だよ】彷徨い続ける
【一緒にいるよ】機械仕掛けの迷路(ラビュリンス)
【どこにいても】解答(こたえ)はないけど
【背中感じる】いつかきっと辿りつけるように

誰も切り捨てない 何も捨てはしない
痛みさえ 抱きしめてゆくよ
【Always, I'm thinking about you】
何度でも確かめよう 燃えさかる炎(ひ)の中で
希望の灯(ひ)を掲げていこう 絶望を染めるように

限りなく増す欲望 消えない怒りが紡ぎ出す 復讐(リベンジ)
いつの日かきっと迫り来る 知恵の輪(パズルリング)が 解ける瞬間まで

【大丈夫だよ】戸惑い続ける
【一緒にいくよ】罠(トラップ)だらけの障害物競走(ハードルレース)
【心のまま】道筋(レール)はないけど
【願い続ける】いつかきっと叶えられるように

誰も傷つけない 何も手放さない
無謀だと 訓(し)っててもゆくよ【Always, I hope you're doing well】
何度でも選びゆこう 崩される炎の中で
希望の灯(ひ)を掲げていこう 絶望を溶かすように

白い夜を隠して 黒い月が輝く 誰かの絶望が 生み出す希望
赤い瞳瞬き 灰が空を覆っても 進路(みち)はどこかに 絶対諦めない

誰も切り捨てない 何も捨てはしない
痛みさえ 抱きしめてゆくよ【Always, I'm thinking about you】
何度でも確かめよう 燃えさかる炎の中で
希望の灯(ひ)を掲げていこう 絶望を染めるように