【コードネーム】陽だまり(クランベリー・レイズ)
【種族　　　　】人間
【誕生日　　　】11/12
【ブリード　　】クロスブリード
【シンドローム】オルクス
【侵蝕基本値　】39
【能力　　　　】一帯の因子を操り、空間に幾つもの"波濤"を発生させる能力。
　　　　　　　　"波濤"に飲まれた対象は溺れたように苦しみ命を削るが、最悪の場合、死に至る。
　　　　　　　　"波濤"は通常海上で発生するような波と同じ形状をしており、色は赤。

幼い頃、家族で海辺へ遊びに行ったとき、入江付近ではぐれて三日間行方不明になったことがある。
行方不明中の記憶はなく、覚えているのは入江に入っていったところまで。
それ以来、彼女の胸元には赤い結晶が確認できるようになったため、何者か、あるいは賢者の石を保有する生物と接触し、賢者の石を埋め込まれ、適合したと見られる。

本人も薄らこの日を境に自分が別人になったのではないか、と夢想することがある。

ちなみに、1日2回風呂に入るようになったのも旅行から帰ってきてからのことらしい。

事件で洗脳状態に置かれた雨衣には、幸いか戦う理由がなく、敵と定められた対象へ牙を剥く、一つの兵器に過ぎなかった。
しかし、みなを"波濤"に抱き、底に沈めた事実は変わらない。

事件の記憶を取り戻した雨衣は、化け物同然に振る舞った自分自身に絶望し、彼が日常を失った責は自分にもあると考えた。
以来、彼女が頑なに切札への尽力に固執するのは、切札陽翔を友人として扱うことで、自分は化け物ではなく人間なのだと自身にいい聞かせるためかもしれない。

　　「私、切札君のためなら何でもできるよ。」

恋だとはっきり自覚していないが、庇護感情も混じる淡い好意がある。
同時に彼がオーヴァードでいる限り、過去に自分を庇ったその時のように、いつか自身の優しさに殺されてしまうだろうという妄念を抱いている。雨衣の戦う理由は、ただ切札陽翔(オンリー・ユー)のため。
彼のレネゲイドを治療し、レネゲイドウィルスの関係しない日常の側へ戻すためである。

　　「奥寺君にしか頼めないことがあるの。」

日常生活では学業の優秀さから自分の想像が及ばないほど真面目な人物だと評価しており、
モデル業をしている点では自分とは違うどこか遠い世界の人間だと認識している。
切札を助けるため助力を求めるが、彼が頼みを聞き入れてくれるだろうという確信がどこかにあり、有為な存在として認識している。

　　「あなたが報われてほしい(あなたに報いがあってほしい)。」

ロストボーイ事件に関わり、クラスメートを傷つけた点において連帯意識がある。
切札や自分を巻き込んだことについても償いをするべきだ、という憤りや、復讐心を抱いていないわけではない。

　　きっと、南鞠君が切札君の隣にいるべきなんだ。

UGN関係者として、同じ年ごろながら毅然とした態度を見せる彼に対して、頼もしさを感じている。
また、彼の口から切札について語られるたび、二人の信頼関係を肌で感じ、今の切札の隣には南鞠がいるべきだと思えている。

　　あの人とも友達になれるのかな。

ロストボーイ事件の記憶を取り戻して以来、雨衣の日常は形を変えた。
そのため、彼女は変わらず自分が人間側なのだと認めてくれるような他愛のない日常に飢えている。