コードネーム：｜世紀末《カオスセンチュリー》
名前：｜松木　星《まつき　せい》
シンドローム：モルフェウス/サラマンダー
ワークス：N市支部長

戦闘
モルフェウスの能力によって作成する火炎放射器を用いて戦闘を行う。サラマンダーの能力によって周囲への影響を調整することが可能。

口調、一部態度に問題があり、コミュニケーションに難ありと思われるが、部下含めたUGN職員及び覚醒者に対して真摯に対応を行っている。

20■■年■月■日：N市■■地点にてワーディング反応確認。エージェント動員。同地点にて松木星およびワーディングによって意識を失った一般人複数名を確認。
本人の証言として、集団暴行を受けていたところ突然周囲の人間が倒れた。オーヴァードとして発症およびワーディングによるものと断定できる。
20■■年■月■■日：UGNエージェントとして登録。コードネーム登録。
20■■年■月■■日：FHによる一般人を対象とした強盗事件が発生。｜世紀末《カオスセンチュリー》含めた■名のUGNエージェントが対応。鎮圧。｜世紀末《カオスセンチュリー》のレネゲイド行使により周囲への損害多数発生、人的被害なし。1週間謹慎に処す。
20■■年■■月■■日：FHセルより複数のジャームが逃亡。｜世紀末《カオスセンチュリー》含めた■■名のUGNエージェントが対応、鎮圧。｜世紀末《カオスセンチュリー》のレネゲイド行使による周囲への損害は前回より減少を確認。モルフェウス能力による周囲への被害の修復を確認。
20■■年■■月■■日：FHセルへの襲撃を決行。｜世紀末《カオスセンチュリー》含めた■■名のUGNエージェントが動員。制圧。死者0名、重傷者1名、｜世紀末《カオスセンチュリー》。他UGNエージェントを庇っての負傷。
20■■年■■月■■日：｜世紀末《カオスセンチュリー》をN市支部長への推薦。許可。

グレた

　ただその一言に尽きるだろう。幼い頃から、何をしているかわからない父親の跡を継がせようとお利口な学校にいれられた。親が自分が何をやりたいかなんかを聞いた記憶もない。ただ、聞かれたとて、父親の跡以外としか答えられなかっただろう。
　そんな反骨心だけしかなかった俺に、声をかけてくれた奴らがいた。一般に言えば不良というやつらだっただろう。だが、自分を受け入れてくれたのは彼らが初めてだった。免許も持っているか怪しいのにバイクを乗り回したり、深夜のコンビニの前で少ないお菓子やジュースを嗜みながらたむろしたり。
　ある時、別のグループに友達は目をつけられた。俺がいない時だった、縄張りだのと因縁をつけられ、あまり数の多くなかった彼らは一方的に暴行を受け、なけなしの金を巻き上げられた。
　無論許せなかった。その時の自分はとんでもない馬鹿だった。彼らに単身で突撃した。案の定返り討ちに遭った。そのまま命の危機を感じるほどの傷を受けた。ただ、死んでたまるかとしか考えられなかった。自分が生きる道を選べず、壁をけ破ってでも道を外れ、外れた場所で共にいる友さえも傷つける世界を恨んだ。
　ただ、自分を思うままにしようとするやつや、仲間を傷つける世界を壊したい。前に仲間から貸してもらった漫画で見た、あんな世界だったら生きやすかっただろうか。
　そう願えば辺りは静まり返っていた。俺に暴行していた周囲のやつらはみんな倒れていた。あとでわかったことだがワーディングを無意識に使っていた。きっと願えばあたりを火の海にすることもできただろう。一線超えることのなかったのはお互い幸運だった。

　その後はわけのわからんやつらが俺を捕まえた。できたばかりのUGNだ。彼らからUGNで働かないかと誘われた、いや半ば無理やりではあった。できたばかりで人手もないし手段も選んでいられないのだから仕方ない。そう考えるとまだマシな引き入れ方ではあった。まあ、親から離れて生活できるのだから文句はなかった。ただ仲間たちと離れるのは辛いものがあったが、だからといって同じ場所にはいられやしない。

　あの時話した内容、あの時共に読んだ漫画、それは俺を大きく変えてくれた。もし今、もしくは未来で彼らがUGNに入っていたりその存在を知るとすれば、俺の存在は届くかもしれない。
　もしできるなら会って礼を言いたい。だから叫ぶ。

「FHは消毒だ！！！！！」