■　トレーラー
　　笑っても/泣いても腹は減る　
　　だから今日もまた、店が開く
　　日が昇るように当然に

　　ダブルクロス the 3rd Edition
　　泥中にて喰む

■　概　要
　　バッドシティにあるダイナーsunlight。お行儀の悪い客たちで混み合う店内には、血と硝煙、そして美味しい料理の匂いが立ち込める。
　○　ステージ　：バッドシティステージ（雰囲気だな）
　○　対応人数　：2人（固定）
　○　時間　　　：1時間半～2時間程度（RPで伸びるかも）
　○　想定経験点：180点
　○　ルルブ　　：基本1、2、EA、上級あるいはLM、あると楽しいBC
　○　その他　　：オリジナルギミック（秘匿の持ち込み、つまみぐいバトルあり）
■　オリジナルギミック「つまみ食いバトル」**
　　それは厨房で行われるPC同士の〈技能〉対〈技能〉　一瞬の真剣勝負
　　ＰＣ１は厨房の全てを守る
　　ＰＣ２は美味しそうな料理を掻っ攫う
　　　ー賄いがあるからそれで手打ち？　バッドシティでそんな生ぬるいことが許されるとでも！？！？！？！？
　○　ルール
　　▼　ＰＣはそれぞれ任意の技能で判定を行う。この際、エフェクトを使用してもよい
　　▼　判定値が同じ場合は同じロールで再勝負
　　▼　イージーエフェクトについてはGMが判断しダイスボーナスを与える

◆PC1　ワークス：自由
ダイナーsunlightのコック。
とにかく料理が上手い。何を作らせても絶品で、危険を犯してバッドシティにあるダイナーに食べにくる一般人がいるほど。
この店の元オーナーである女性：日向のどか（ひむかい　のどか）に拾われており、彼女から店を引き継いだ。
致死の一皿を提供する料理人、明星燐（あけぼし　りん）は天敵。
◆あると楽しい技能　PC2のつまみ食いから厨房を守るための〈技能〉

◆PC2　ワークス：自由**

ダイナーsunlightのウェイター/ウェイトレス
好きなことは食べること！　料理が死ぬほど下手。ただし、一品だけPC1以上に上手く作れる料理があり、ダイナーのメニューにも載っている。任意の理由で3年前に、明星燐の店で、彼が作った致死の一皿を食べたことがある。美味かったが見事に死んだ。
◆あると楽しい技能　PC1の美味しい料理をかっさらうつまみ食いの〈技能〉
◆あなたは「燐の料理を食べた理由」を秘匿情報として持ってくること


▮PC2　RP用ガイド
・あなたが燐の『致死の皿』を食べ、生き返った理由についても任意で設定して構いません
例：そのときに覚醒した、三日くらい死んでたけどなんか生き返った、誰かが助けたなど

考えておくといいこと
・致死の皿を食べた理由（秘匿として持ってきてください）
・一度はどんな状況であれ死を選んだあなたが、まだ生きている理由

▮技能値のボーナス**

180点の経験点以外に、別途
・PC1 に調理　Lv7
・PC2に接客　Lv7
の技能値を与える。

・この技能は最も高い能力値あるいは任意の能力値の技能とする。
・料理と接客を行うための技能であれば、この技能の名称を変えても構わない(調理→火加減、目利きなど　接客→笑顔、手さばきなど)。
・この〈技能〉を、つまみ食いバトルに使用しても構わない。

▮その他**

◆あなたたちの出会い
1年前の雨の夜、既に閉店していたPC1の店にぼろぼろのPC2が転がり込んできた。
腹をすかせたPC2にPC1が料理を振舞ったのが、あなたたちの始まりの日だ。

◆ダイナー”sunlight”
PC1が引き継いだ店。太陽が生きるために必要なように、同じく食事も生きるために必要なものだから、という単純な理由で名付けられた。
「明日も明後日も、なんとなくでいい。生きていくためにサ、アタシたちは食わなくちゃあいけないんだよ」
生きるために食べる、そんなごく当たり前をなぞる名前。それは翻って、過去のあなたの前にどんな日だって「生きてていいのだ」という祝福の皿として現れた。

●シロ
サモエドあるいは強めのポメラニアンみたいな見た目をした犬種不明の真っ白な犬。
先代の頃からこの店におり、厨房には立ち入らないよう躾されている。
実はオーヴァードであり、銃撃戦の際も華麗に立ち回り無傷でいる。
PC2よりもお利口なのでお客さんの料理をつまみ食いはしないぞ。

●明星　燐(あけぼし　りん)
Cenacolo Vinciano ‐チェナコーロ・ヴィンチアーノ　最後の晩餐の名を冠するバッドシティ随一の高級料理店の料理人。
致死の一皿、文字通り死ぬほど美味い食事を提供する。食べた客は必ず死亡する。
彼曰く「死ぬほど美味いなら死ぬのは当然の結果だろ？」とのこと。
様々な理由があるが、この街で彼の店を訪れる人間は絶えない。
PC1には嫌われてるが、PC1の料理が好きでたまにダイナーに食べにくる。

●日向　のどか(ひむかい　のどか)
ダイナーの元オーナー。50代の女性。PC1の恩人。正確には、元オーナーの妻である。
オーナーについては「弾を避けるのが下手で死んだ」とのこと。既に一般市民として暮らしており、バッドシティにはいない。
しかし、夫との結婚記念日のみ、PC1のダイナーに食事をとりにくる。その日だけはPC1の計らいによりダイナーは貸し切りとなる。
※本シナリオで日向のどかは登場いたしません。

　月、太陽が沈んだ夜の地球を、受け取った太陽光を用いて照らす存在
　その一部が地球に堕ちたもの、所謂『月の石』と呼ばれる物体
　そこから産まれ堕ちた「レネゲイドビーイング」こそ【月の子（モンデンキント）】と呼ばれる彼であり、
　ダイナー“sunlight”を引き継ぎ、犯罪渦巻く薄暗いバッドシティで一般人の食を満たすコックである。

　○　【石】としての過去、隕石
　　　月面の内「静かの海」と呼ばれる地帯に存在した。それが約１０年前に小隕石の衝突により弾かれ、地球の重力に囚われ、隕石として落下した。その隕石は大気圏突入に伴い離散し、その内の欠片１つが最終的に50*40*40ｃｍ程度の状態で地球表面に衝突した。
　　　その際、まるで何かの引力に引かれるように、日本のある場所で地表近くに埋まっていた遺産「栄光と勝利の槍」の位置へと衝突し、土砂を弾き、接触した状態で停止した。
○　【ＲＢ】としての覚醒
　　　約５年前、「栄光と勝利の槍」に接触し続け徐々に浸食されたからか、【月の石】はレネゲイドウィルスに“感染”し、１個としてのＲＢに覚醒した。
　○　【ＢＣ到着まで】
　　　ＲＢに覚醒後は、目的も無い中で当初はただ彷徨っていたが、ある町に辿り着いた際に『宇宙友愛会』と『ＦＨ』が"あるモノ"を巡って争っている場面に遭遇し、【「遺産」を所持する「地球外生命体」】として両陣営から目を付けられ、追われることとなる。幾度か捕獲されそうになるも逃走し、約４年半前に最終的にＢＣへとたどり着いた。
　○　【ＢＣ】での経歴
　　　ＢＣに到着以降も、またＦＨとのいざこざに巻き込まれかけたところで、「日向のどか」によりダイナー"Sunlight"に拾われ、ただただ逃走していただけの生活に、【目的】と【存在意義】を与えられる。
　　　

　○　ＲＢ覚醒以前、【月の石】としての記憶
　　　体に刻まれた傷痕、堆積し凝固する間に浴びた光、地球の姿。…自身の核心に意識を集中すれば断片的にそういった“景色”や“体験”をほんの少しだけ想起することが出来る程度。それが夢幻、空想の産物に過ぎないと言われたら否定できない程度。要するに、【この程度の記憶では、自身が過去に「月の石」だった頃から意識があったかの証明にならない】
　○　名前の由来
　　　「静海」：自身の出身である【静かの海（月の名所）】より。
　　　「玄兎」：【静かの海（月の名所）】が“洪水『玄』武岩”である事　＋　「玄兎（月の異名）」より。
　○　個性（長所／短所）
　　【短所】　”自己”というものが希薄。表面上に見える要素（個性）は誰か（主にSunlightの日向夫妻）を映した物でしかない
　　【長所】　代わりにその技術（料理等）の会得は、和紙に墨を垂らすように速やかに行えた

　○　【己とは何か】
　　　人間とは違い、「血筋」も「遺伝子」も持たない。過去に自身がソコにいた。【ソコから来た】と断言が出来ない。
　　　自分が何であるかも分からない。有機生命体のような、“栄える”という与えられた【存在意義】を持たない。
　　　突如自我が生まれたように、突如終わらないとも限らない。【明日の保証】すらない。
　　　人間社会で過ごす存在ではあるが、日の光を受けて、初めて自身の存在を認識される月のように、隔絶した存在でしかない。
　　　そんな自分が、この先、何をし、どうするのが正しいのか分からない。
　　　そんな思いを抱えながら、ただ「Sunlight」で受けた、「生きてていいのだ」、という遺志を他者に写すために、今日を過ごしている。

　○　開　店：『太陽が生きるために必要なように、同じく食事も生きるために必要なものだから』という単純な理由で命名
　○　５年前：オーナーであった「日向（夫）」が「弾を避けるのが下手で死んだ」
　　⇒　夫の遺志を継いだ「日向　のどか」が、引き続き経営するも、治安が最悪なＢＣにおいて一般人一人だけでは調達から安全確保まで含め経営に対する力不足を感じ（実際に怪我を負った場面もあり）、徐々に閉店を考えるように…
　○ 4.5年前：「静海　玄兎」がＢＣに流れ着き、“sunlight”近辺でトラブルに巻き込まれた際にＥＦを使用して回避した姿を見た「日向　のどか」が彼を"Sunlight"に匿い、流れで事情を聴いた結果、店に置くことに。
　　⇒　無色であった「静海　玄兎」は"Sunlight"の姿を映すかのように料理技術を吸収し、同時に“磐境守”の元で戦闘技術を学んでいった。
　○　２年前：ＢＣで大規模な事件が発生したことを切っ掛けに、４８歳にもなり以前の怪我した件も含めて「日向　のどか」を心配した（息子夫婦？実家や親戚あたり？）からＢＣ外に移転を打診される。「静海　玄兎」に店を任せても「日向（夫）」の遺志が継がれると考えた彼女は、彼にＢＣのダイナー"Sunlight"を任せることとし、自身は（実家か縁者のいる地域）で新生活を始める。
　○　１年前：「ＰＣ２」が雨の夜、既に閉店していた"Sunlight"にぼろぼろの状態で転がり込んできた。
　○　現　在：「静海　玄兎」と「ＰＣ２」の二人で営業を続けている（資金等の経営状態は「日向　のどか」に依頼）。