音楽業界で有名な父親の元に生まれたのが始まりだ。
当たり前のように音楽を好きになったし、父も純粋に応援してくれた。
色々な音を聞いて、歌って、奏でて。きっとあれが幸せな子供時代というものだろう。

そうして育って中学生の時。
一人で作り上げた曲は表へと出た。

中学生が作ったとは信じてもらえず、父親の名義で。

苦肉の策だったとは理解している。謝罪も受けた。
けれど、名義が変わることはない。
私の作った曲は、今日も父親の作った曲として響いている。


なら、私という個を隠そう。

曲だけを聞いて下さい。
あなたの知らない誰かの歌声を聞いて下さい。

私を知らない誰かが気に入ってくれたのなら。
それが、私にとって一番の答えとなる。

シナリオロイス:《秘匿》シナリオ内で解禁
あなたは学生だ。
あなたはＰＣ１の誘いで、篤古山（あつふるやま）へＰＣ達と登ることになった。
ついでに山の中腹でキャンプをすることになったのだが、そこで怪しい男と出会う。
男は「失せろ」と言ってどこかに行ってしまった。

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良くも悪くも。
それははっきりと私の脳裏に刻み込まれたのだ。

傍にいた彼女たちは、もうとっくに失くしたくない友達で。
私のトラウマを抉っていった男は、憎み切れなかった。

ああ、でもやっぱり。
自分が化け物かどうかなんて、どうでもいいのだ。

失くせない人たちがそこにいて、まだ歌えるのなら。
そこが何処だろうと私はまだ立っていられる。