容姿・経歴・その他メモ

「情報屋は信頼命っスよ。」

【覚醒】
　ミス・ディクショナリー、本名岸田恵（きしだめぐみ）は裕福な家庭に生まれた。そのせいもあって、彼女は両親から強い期待を向けられていた。彼女は両親から塾や習い事、礼儀作法に至るまで徹底的に教え込まれたが、彼女は要領が悪く、いつも期待を裏切っていた。
　彼女は必死で期待に応えようとしたが成果はなく、やがて両親だけでなく親戚中からも「失敗作」などと揶揄されるようになる。
　だが、唯一そんな彼女の味方だったのは、政府高官で彼女の叔父である岸田正恭（きしだまさやす）だった。
　そんなある日、いつものように両親からの叱責を受け自室で一人涙を流していた彼女は一つの強い願望を抱く。
「私がもっと賢ければお父さんやお母さんの期待に応えられるのに。」
　その願いを聞いたのは神か、悪魔か。いずれにしても願いは成就した。オーヴァードとしての覚醒。だが、類まれなる情報処理能力と情報収集能力を得た彼女は、気づいてしまった。
　両親は彼女に愛を向けていないことに。彼女の両親への愛が届いていないことに。
　すり減っていた彼女の心はもう耐えられなかった。絶望、怒り、憎しみ。彼女は両親を殺した。
　彼女は手にした情報収集能力を駆使し、裏社会に身を投じた。そこで出会ったハッカー、若本茂に依頼し、自分を表社会から抹消する。情報操作、私物の破棄、或いは彼女を知る者の抹殺。岸田恵という存在を知る者は岸田正恭以外に居なくなった。
　そうしてその日から、彼女は岸田恵ではなくなった。

【経歴】
　彼女は若本のもと、情報屋としての経験を積んだ。UGN、FH、政府組織、軍や個人の依頼までなんでも受け、全てをこなした。
　程なくして、彼女は裏社会でも有名になった。彼女は正確で、忠実で、徹底的だ。彼女に聞いて分からない情報はない。
　いつしか人は彼女をこう呼んだ。名無しの生き字引”ミス・ディクショナリー”と。

【人物像】
　常に飄々とした口調とダウナーな表情で、他人を小馬鹿にしたような態度をとる。だが、それに反して「情報屋は信頼命」とし、依頼は必ず達成し、得た情報を無償で外部に漏らすことは絶対にない。
　殺生を嫌い、そのため武器や戦闘力は一般的な女性と変わりないが、裏社会での評価は高く仕事中以外で命を狙われることはほとんどない。
　「愛」や「友情」という概念を嫌い、全ての関係は利用価値があるか否かで成り立つと考えているが、それは愛を求めるが故の考えであることは本人ですら気づいていない。
　

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