駄菓子屋「ふぅそう」を営む黒髪の青年。学校帰りの子供と野良猫に人気の駄菓子屋で、のどかな毎日を過ごしている。好きな食べ物はねり飴とベビースターラーメン。

その実はUGN・N市支部の支部長を務めるオーヴァード。ハヌマーン・ノイマン・ブラックドッグのシンドロームを持つ起源種のトライブリードである。

かつてFHとの巨大抗争の際、一手で複数の敵部隊を壊滅させた伝説を持つ。このことから、"凶星〈ゲームチェンジャー〉"のコードネームを受けた。

オーヴァードの力を使用すると、容姿に若干の変化が現れる。これは斗真の持つ起源種レネゲイドウイルスの特徴の一つである。

生まれつき、ハヌマーン・ノイマンのクロスブリードであったが、後天的にブラックドッグのシンドロームが発現、トライブリードとなる。

温厚な性格で、怒りを顕にすることはあまりないが、敵対する者は情状酌量の余地無しと判断すれば容赦なく殲滅する。

野良猫に好かれているのは、駄菓子屋ではなく斗真自身のようだ。

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斗真は両親に捨てられた。

斗真が化け物だったからである。

出産に立ち会った職員の中にオーヴァードがおり、間近でそのレネゲイドを浴びたのだ。それはそれは大きな産声を上げたという。

両親が斗真を捨てたのは5歳の時だ。

ある日、家中の電気が一斉にショートした。両親はその暗闇の中で、微弱な稲妻を体に纏い発光する斗真を見た。ブラックドッグの発現である。このブラックドッグこそが、起源種のレネゲイドウイルスである。

斗真は捨てられた。あまりに突然だった。薄暗い路地裏での孤独、恐怖、空腹…ノイマンの頭脳故、オーヴァードの力を駆使して何とか生きながらえてはいたが、5歳の体では1ヶ月が限界だった。

霧谷と名乗る男が斗真をUGNで保護した。久方ぶりのまともな食事だった。

斗真はそこで様々な教育を受けることが出来た。一般教養はもちろん、力の使い方やオーヴァードについてなど、多種多様であったが、彼の頭脳は全てを理解するのにそう時間はかからなかった。

斗真が7歳の時である。レッスンや訓練が億劫になった斗真が抜け出して向かった先は、決まって駄菓子屋だった。駄菓子屋の老婆はいつも斗真に優しく接してくれ、沢山の駄菓子を食べさせてくれた。斗真は老婆のことを自分の祖母のような存在と感じていた。

斗真が16歳の時である。老婆が死んだ。ジャームの暴走事件に巻き込まれたのだ。老婆は斗真のことを自分の孫のように思っていたのだと、遺族から聞いた。あの駄菓子屋にもう人の気配は無い。

斗真はその1件で暴走したジャームを発見し、戦闘になるまでもなく破壊した。だからといって何が満たされる訳でもないが、とにかくそうしたかった。

斗真が18歳の時である。斗真は駄菓子屋のあった土地を買い取り、新たにUGN・N市支部もとい駄菓子屋「ふぅそう」を立ち上げた。老婆のくれた暖かい空間を手放したくはなかった。

今では、子供達と野良猫、そして信頼出来る仲間に囲まれている。もう孤独では無い。

"凶星"の誕生は、また別のお話＿＿＿。