生まれた時は両親に祝福され、
一人っ子というのもあり、
両親からめいいっぱいの愛を受け育っていた。
……ように思う。

それが本当だったかは記憶に残ってない。
海雷が幼い頃に両親は死別したためである。

記憶に残ってるのは、
転んで泣いてた自分に両親が飴をくれたこと。
その時の表情がとても穏やかで、思い出すだけで愛されていたのだと錯覚するほどに。


それからのことは特に覚えておらず、
記憶にあるのは両親が亡くなったこと、
自分がオーヴァードになっていたこと、
両親が亡くなった際に親族から呪われていると言われ引き取り先が見つからなかったこと、
そんな中自分を引き取ったのが拭波常夜こと"ネバーエンドロール"だということである。


"ネバーエンドロール"からオーヴァードのこと、FHのことを学ぶうちに、今の自分のような力があれば幼い頃両親は死ななかったのだろうか…と考えるようになる。

そんなことを考えるうちに両親の死の原因となった事故のことを調べるうち、故意に起こったことではないかと思うようになる。
故意に起こったことなら、必ず起こした犯人がいる。

その日から犯人への復讐のため、
自身の牙を研ぎ、知識を得ていく。


そして準備を重ねていたある日、
"ネバーエンドロール"から休暇を言い渡された。

普段は冷静に物事を見ており、準備に準備を重ね相手を囲う慎重派。
慎重故に判断するのが遅くなることもあり、指示された時の方が動きが良かったりする。

また他人との関わりを良しとせず、基本は氷の壁を1枚隔てるような距離感を保つ。
自身に話しかけてくる、関わりを持とうとするタイプは極端に嫌う。

それでも自分にとって許せない、もしくは感情を抑えきれなくなった時に、普段の冷静さを無くし、目の前にいる敵をただ狩るだけになってしまう。

なお非日常の生活には不満がありつつも、日常を生きていたら得られなかった力があることには満足している。
もし力がなかったら、両親がいないことを嘆き、小さい頃はずっと泣いていたかもしれない…そんなifに嫌悪感を抱きつつ、自分の得られなかった平凡な日を生きてる人にも同じように嫌悪感を持ってる。

大抵の事は基本気にしない、関心ないのだが、

両親を殺した者だけは決して許さない

という意志を持っている。
その気持ちを忘れないという意味も込めて、溶けないという意味のある｜"残存する雷氷"《アンメルト》と名乗っている。

両親に最後に貰ったのは飴だった。
両親との思い出を手繰り寄せるように。
棒付きの飴を常に舐めている。

UGNにイリーガルとして、加入。
当時はFHで学んだ知識が役に立たず、
UGNとしての立ち回りに苦戦していたが、
彼女のために躍起になりつつ慣れていく。

暫くするうちに余裕を持てるようになり、
最近は特に問題なく仕事も行えている。

最近は氷細工を見るのにはまっており、
エフェクトを使用して作成したりと、
個人的な趣味になりつつある。

沙奈ちゃんとは関係を続けており、
最近では言い方が柔らかくなったものの、
やはり傍から見れば口の悪さが目立つのは相変わらずである。