上記の内容には偽りはない。しかし、内面が記されていない。

南家は裕福な警察一家であり、南 光彦…彼もまた、将来を約束されていた。
光彦の内面は常に穏やかだった。常に穏やかであるがゆえに、品行方正だった。
常に穏やかではあるが、生き物の死に関心があるという悪癖を持っていた。
勿論、日常生活に支障を来すと理解していた為、表には出さなかった。
しかし、別段その性質は警察官になることには支障を来さない性質だった。

父親はある日突然亡くなった。脳卒中だった。
そして光彦は父親の日記を読んだ。
父親も自分と似た性質があると分かった頃には遅かった。
嗚呼、どうせ死ぬのなら、父を自分の手で✕したかった。

そんな後悔を胸にしまいこみながら、同僚達と調査中、奇妙な死体があった。
あまりの奇妙さに周囲を警戒していた。していたはずだったが、同僚達と光彦は気絶した。
ワーディングだ。

そしてあとは出来事通り。
違いがあるのなら
彼は悲しみながら介錯をしていたわけではなく、嬉々として行っていた。
人型の存在を殺したことに達成感と満足感から立ち尽くしていたことが違いだろうか。

ブラッドリーディングのおかげで、肌に付着した返り血が彼らの感情を、想いを自分にぶつけてくる。
ただ命を奪うだけでなく、最期の想いまでも奪いつくすことができる。嗚呼、なんと素晴らしい力か！

事件調査は血痕に触れ、意識を集中すればいい。自分が殺していなくとも、気を紛らわすくらいにはなる。
興味深い内容ならば、『参考』にすれば良い。
『お気に入り』ならば鑑識の手伝いをするなり、そこから一部を保管しておけば良い。

取り調べは握手をするなりなんなりして、読み取ったなら対話で誘導して『キーワード』を彼ら自身に吐かせて、それを手掛かりに調査すれば良い。それなら周りの非オーヴァードも不自然には思わない。
非オーヴァードの同僚や部下の感情は、気遣い上手になっていれば問題ない。侮りが見えたのならそのタイミングで切り捨てれば良い。

オーヴァードの同僚や部下に関しては互いにビジネスライクでいれば良いだけだ。

体液調査のタイミングも対象も、かぐわしき鮮血…血をかぎ分ける嗅覚が教えてくれる。


彼は今日も自分の日常と平和を守るため…
自分の欲望を安全に満たすために、事件解決に勤しむのだ。

1　　 南家　〇Ｐ：幸福感　N：憤懣

2 南 知久　〇Ｐ：連帯感　N：敵愾心

3 玉野 椿　〇Ｐ：執着　N：嫉妬

4　　　獣　Ｐ：尊敬　〇N：不安
5八並さん　Ｐ：遺志　◯N：隔意
6ハゲさん　Ｐ：感服　◯N：不安
7小嶋ミユイ　〇Ｐ：庇護　N：敵愾心