容姿・経歴・その他メモ

釣鐘村に住む、普通の高校生のはずだった。

「鈴風 ホタル」「叢雲 灯」と幼馴染で仲良く過ごしていた。
「叢雲　灯」に特別な感情を持っていることを自覚してはいたが、彼女を見ている故に「鈴風 ホタル」への思い、そして「鈴風 ホタル」から「叢雲 灯」への思いも気づいている。
彼の出した結論は、このまま波風たてず、この思いは胸にしまうことだった。
2人の睦まじい姿を見ている毎日が彼にとっての幸せだった。


しかし、去年「鈴風 ホタル」が「神赦」として選ばれてしまった。
贄となり魂を無くした「鈴風 ホタル」の死体を見て、そしてなにより傷ついた「叢雲 灯」の姿をみて、大切な人を守れない自身の無力さを思い知らされた。
村の仕来りを言い訳に行動しなかった自身に嫌悪感を抱き、喪失感と後悔の念に押しつぶされそうになりながら、せめて「叢雲　灯」を守らなければならないと強く願った。
気が付いたときには彼はオーヴァードとして覚醒していた。


守るために力を欲したがゆえに「神赦」となってしまった。
死ぬことに抵抗がないとは言わないが、それよりも残される「叢雲 灯」がさらに傷つき一人残されてしまうこと、いつか自分のように「神赦」となってしまうのではないかという思いから、贄になりたくないと思っている。
かといって逃げ出して、村に厄災が降りかかったら本末転倒。
これが最善の選択だと言い聞かせ、腹を決めて贄になろうとしている。

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