N市の廃ビル群の一角に店を構える老紳士。繁華街の近くということもあり、客入りはよくないはずなのだがなぜか結構な年数営業を続けている謎の喫茶店。昔からの常連客とあまり素行のよろしくない学生から収入を得ている。
　店に来る客はおしゃれな軽食目当ての女性客や話を聞いてもらいたい壮年の連中、あるいはちょっと背伸びがしたいお年頃が大半となる。そんな彼らの心をほぐすドリンクと軽食を提供し、重荷を預かるのがマスター、ウィリアム・A・重兼である。

　喫茶店『カルボー』の裏の顔としてUNGの活動拠点の言う一面がある。支部長やらチルドレンやらが公私ともに立ち寄る憩いの場を任されている彼は新人の育成も請け負うことがある。その場合はマスターの面影はなく、厳しい訓練内容と上質な食事による飴と鞭を使い分けるブリーダーに例えられる。
　受付の様な面をしているが現場仕事もこなすオールラウンダーである。

　なぜかスウィート紳士の名を持つ彼は特別に甘党とかそういったことはなく、コーヒーやタバコや酒などを嗜む普通の紳士である。
　喫茶店の不定休の日は繁華街やショッピングモールまで足を延ばして店に飾る雑貨探しや昔なじみの店でくっちゃべったりしている。そこそこに顔の広い彼はそんな姿を見られては奢られたり奢らされたりすることだろう。

　数少ない彼の悪癖として調味料や茶葉、コーヒー豆などを不必要に買うことがある。そんな物資の行先は自分の腹か、常連客を実験台にしてできた特製ブレンドとなって提供されたりされなかったり。
　人をからかうのが好きで水折あたりと共謀して悪戯を仕掛けることもしばしばある。常連客の座る椅子にブーブークッションが敷かれていることもあればカップとソーサーをくっつけたりする。（能力を使った悪戯で、ものを壊したりする心配はない。）

　戦闘において全力を出さない時は「SWEET」の文字が刻印されたナックルダスターを使用する。本気を出すまでもない相手の甘さと、情をかけやすい自分の甘さを現した逸品である。リミッターであり、思いやりなのだ。

マフィアやクライムサスペンスなど裏社会モノが多い