幼い頃から天体観測を続けていた彼は、ある日自分の知覚能力が望遠鏡並みになっていることに気づいた。
その力を使い続けていくうちに、彼は自分の能力で天球儀を模した魔眼を形成できるようになり、いつしか時間すら止めかねない力を手にしていた。
その後UGNに保護され、力を手放すことを拒んだ彼は、その天文学の知識を買われ、アールラボに回されることになった。
彼はそこで類まれなる才覚を発揮し、仲間と共に様々な装備や観測機器の開発に携わった。

そんな彼に転機が訪れたのは、星座に関連した遺産(レガシー)の件で、研究室にテレーズ・ブルムが視察に来た時だった。
「まだ幼い少女が、自身の信じる正義のために戦っている」。その事実が、戦うことを疎んでいた彼に変化をもたらした。
元より射撃武器を使用した戦闘能力そのものは訓練でも高く評価されていたため、彼の転属願いはすぐに認められた。
晴れて彼は、UGN本部所属のエージェントとなった。

極めて高い視覚能力を持ち、これを活かした射撃戦を得意とする。
能力の使用時、掌大程の魔眼を生成し、その周りに光のリングを複数展開する。
リングは魔眼の回転と連動し、渾天儀の如く回り続けている。
またこの渾天儀の周囲には、星群を模した光が常に瞬いている。
この天球儀のようなモジュールと戦場を照応させ、照準を行っている。
魔眼の内部には空間が存在し、この中にライフルを格納している。

物腰は柔らかだが常に飄々としている。
人並みに思いやりはあり、逆に自分を勘定にいれない考えをしていることが多い。

戦い・争いが嫌いで、極力避けたいと常々思っている。
だが恐れているわけでも傷つくことが怖いわけでもない。ただ彼は、この小さな星に住む小さな生命の、愚かな諍いを醜く感じているに過ぎない。
故に、それが避けられないのなら、彼は傷害も殺害も平然と行う。

テレーズ・ブルムに対しては、時折狂信染みた執着と信頼を見せることがある。
彼にとって、彼女はこの地上唯一の星なのかもしれない。

10年前、彼は「廻る砂時計」を破壊するミッションに失敗した。その意志たるレネゲイドビーイングである少女「ホーロロ」を殺すことが出来なかった。彼の信念ゆえに。
その結果、彼はバーチャリウスによって止めを刺され、絶命した。──だが、暴走したホーロロの力は彼を蘇らせ、そして遡ノ原市は街ごと10年後へ時間跳躍した。代償に彼は記憶を失った。
事件の全てを忘却した彼は、同様に記憶を失ったホーロロと再度親交を育む。10年前からタイムスリップしてきた遡ノ原市を調査しにきた本部エージェント「武藤凪紗」と共に、この街の秘密を調査する。やがて遺産(ホーロロ)とその契約者(フェリ)はすべてを思い出し、ホーロロはパストマトリクスの内に成長した肉体だけ残して消えた。
残されたエージェント達は、バーチャリウスから宣戦布告を受ける。彼は告げた。「僕はこの世界(ゲーム)の"最初から"がやりたいんだ」と。