容姿・経歴・その他メモ

ただ，脳の情報処理，一つ一つの行動が異常なまで素早いだけ


｜八六 楓《はろ かえで》は，もういない...

幼少期に災害に巻き込まれた俺は両親を失い，親戚中をたらいまわしにされた後，孤児院へ預けられた．
彼女は俺と年齢こそ同じだったが，俺より先に孤児院に預けられており，常にお姉さんぶって俺を連れまわしていた．

高校生になると，彼女は荒れて煙草を吸うようになっていた．
何度か止めるよう言ったが，聞く耳を持たなかった．

高校を卒業すると，UGNと名乗るやつらが現れ，いろいろなことを教えてくれた．
俺はオーヴァードという存在であるということ．
レネゲイド反応が小さく感知できなかったが，彼らの支部に近づいたことで感知でき，接触したと．
言われてみれば，なるほどと思えるようなこともあった．
雑誌やネット記事のライターとして仕事を得ていた俺は，要請があれば協力はするが普段は一般人として過ごすことにした．

彼女は孤児院を出てからも週1程度，ふらっと現れては俺を連れまわしていた．

ある時，紹介したい人がいると言われ合うことになった．
婚約者だった，知らない内に婚約していたらしい．

そんな彼女が死んだ．いや，死んだのかはわからない．
彼女の墓には遺骨は無く，ただ孤児院の裏手に彼女の名前が掘られた石が鎮座するだけだ．

俺には協力要請が来なかったが，隣町で発生したジャーム災害に巻き込まれたらしい．
死体は出てこなかったため行方不明という扱いになったが，記憶処理の都合なのか死んだことになった．

毎日，墓前に煙草を備えてやるが，彼女はここにはいない．

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