職業

代行者(エクスキューター)、悪魔払い(エクソシスト)

表の顔

シスター

種族

人間と吸血鬼の混血(ダンピール)

好きなもの

ラーメン、プロレス

嫌いなもの

人間、吸血鬼、学校、血

ストレス

血を啜ること

趣味

格闘技

一人称

私

最終学歴は中卒

普段は冷静沈着で達観した物腰だが、その実感情的で気が短く顔に出やすい。
本人はそれを前髪でカモフラージュしてるつもり…だが全く隠せていない。
言動に裏表がないが、苦しくなったり照れると途端に素直でなくなる。

混血である為に常人と全く違った身体的特徴を持つことや、出自から虐待や差別を受けた過去を持っている。
その為、教義に倣い排除すべき異端でありながら、己の半身である吸血鬼、人道に倣い守るべき人間、その双方を嫌っている。
なので「吸血鬼を狩るのが私の仕事」と言いつつ半分ぐらいは私情で戦っている。

雨は瀟湘と降っている。
降る水涙たちは冬の寒さに身を縮め、舞い立ち込める雲霧に。
朧に浮かぶ暖炉の火を囲う聖堂は、雨声の響く外より幾何か暖かそうに感じた。
だというのに───

「………ごめんなさい……ごめんなさいっ…！」

吹雪の中に喘ぐように、許しを請う声が染み渡る。
凍玻璃は、部屋の中に張っていた。

許しを請う影は床に倒れ、這いずる。
まだ幼い少女だった。長い髪が覆う顔には、痣が残っている。
もう一方の影は少女に歩み寄る。
何処か見た覚えのある女性だった。特別似る訳でもないのに、なぜか少女の母親だと合点する。

「…お前なんか…」
「……お前なんか、産まなければ……っ！」

怨嗟と共に響くその声が、どうにも耳に障る。

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

目の前に広がる光景が、私には理解できなかった。
その力を以て抗えば良いものを、と。少女のすすり泣く声に、無性に腹が立つ。
いい加減許してやれば良いものを、と。母親の怒鳴る声が、無性に耳に障る。

だけどこれは、どこまで行っても過去の記憶で。
今見てるそれは、胡蝶の夢に他ならなくて。

「ごめんなさい…もう……やめっ……」

「お前さえっ…お前さえ、いなければ、あの人は………！」

…ああ
思い出した。


───謝ってるのは、私だ。






「………あのー…」
「───あの！聞こえてますか！？」

「………ん？」

不安を押し付けるような男の大声で、瞼を開く。

「あの…罪の告白…終わったのですが……」

「………あっ。」

目の前に広がる、薄暗く狭小の空間の中。
彼女は此処が告解室の中であり、今まさしく告解が行われている最中であることを思い出す。

「…悪いが、懺悔なら他を当たれ。私は信心深くないものだから、神に誓えない。」

「え？いや、ちょっと…！」

呼び止める声を振り切るように席を立ち、暗幕を払い、足早に告解室を後にする。

フィアー・メイス・ローゼンクランツ。
十六歳の頃から教会の暗部、異端を滅ぼす「代行者」として活動。
そして申し訳程度にシスターを兼任としている女性だ。
彼女は信仰心がシスターとは思ないほど欠如している。
どれ程酷いのものか。一例で上げるならば、聖書の一節すら彼女は唱えることができない。
カトリック、正教会、プロテスタント等宗派の違いが分からない。讃美歌を歌えない。
無論告解の流れも把握しておらず、昼寝場所として使っていた告解室に、こうして偶然人が立ち入った際、普段よく出会う隣人の如く軽くあしらう。

(記述中)