容姿・経歴・その他メモ

柊奏葉（ひいらぎ・かなは）
14歳。N市の中学校に通う女子生徒。UGNに協力するイリーガルであり、植物を操るオーヴァード。荒事に関わることは少なく、主に研究や後方支援に協力している。

かつて”ユグドラシルの巫女”と呼ばれた実験体であり、神城グループの極秘計画「プロジェクト・エインヘリヤル」に関わっていた。
この計画は不死の兵士を作ることを目的とし、そのために研究者である母親によって、奏葉の体内に木の枝の遺産が埋め込まれ、生命を操る力が覚醒する。
しかし、母の真の目的は別にあった。不治の病に侵された息子、つまり奏葉の兄の命を永らえさせることが本当の目的だった。
エインヘリヤルの最初の被検体となった兄に対し、奏葉は”ユグドラシルの巫女”の力を行使し、自身の視力を代償にして仮初の不死の体を与えることに成功する。
だが、それによって兄は命と引き換えに心を失い、怪物と化してしまった。
母親はそれでも計画を続行し、さらに無辜の人間達の命を生贄として、兄に完全な不死を与えようとした。
事態を察知したUGNから来た一人の少年によって、幽閉されていた奏葉は救出される。そして、少年は禁忌の研究を葬るべく奏葉の兄に戦いを挑んだ。
だが、不死を得た兄を倒すことは不可能だった。ただ一つの方法は、生命を操る奏葉の能力で、不死に死を刻むこと。
葛藤の末、奏葉は少年と共に兄を討つ決意をする。少年の銃に宿り木の弾丸を宿し、ふたりはその手を重ねて引き金を引く。
放たれた呪いの弾丸は見事に不死の奇跡を打ち破り、悲劇に幕を引いた。
事件後、母親に憎まれ命を狙われる立場となった彼女は、少年の手引きによって神城を離れ、UGNに保護されることになる。

恩義のあるUGNに協力したい気持ちはあるが、愛する家族を殺めた心の傷は深く、戦場に立つことは避けている。
自身を救った少年の願いもあり、少年と別れた後、悲劇を忘れて平穏な日常に戻ろうと努力していた。
しかし、後にアドヴェントス事件と呼ばれる事件に関わったことで、彼女の運命は否応なしに動き始めることとなる。

元々はソラリスとオルクスのクロスブリードで、植物を育み操る能力を持つ。それに加えて”ユグドラシルの巫女”として、代償と引き換えに生命の概念を改変する能力を持っていた。
しかしアドヴェントス事件で未知のシンドロームに覚醒した際、巫女としての力を失い、引き換えに”神をも殺す魔弾”を生み出す力を発現させた。
彼女のアーキタイプは一丁の銃だが、その本質は、それに込められた宿り木の若芽の銃弾だ。
その原典は、北欧神話の盲目の軍神ホズが、悪神ロキにそそのかされ、兄である光神バルドルを射ち殺した魔弾”ミストルティン”そのものである。
一方の銃は、彼女にとっての最大の英雄、かつて彼女を絶望の淵から救い出したUGNの少年が使っていた銃を原典とする。
宿り木の魔弾と少年の銃。それは彼女にとって、最も眩しい想い出と同時に、最も深い心の傷を刻んだ、あの日の情景の再現。
ただ一つ違うのは、あの日、共に銃を握ってくれたあの少年が、今はもう隣にいないということ。
引き金を引くのは、自分一人。ここから先の物語は、柊奏葉の物語なのだから。

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