容姿・経歴・その他メモ

​Deleteキーが嫌いだ。
時間は真っすぐ前にしか進まない。
未来は今に成り、今は過去に消え、過去は更に過去へと追いやられる。
それが鉄則。自然の、世界のルール。やり直しなど出来ないのだ。
自分の行動に対し取り返しが着く・着かないは物事や状況に左右される。慰謝料や賠償金等の金銭の絡まる大事になる事もしばしば起こりうる。
それだけの代償を払い、許しを乞い、ほとぼりが冷めても、それでも自分の行動が消えることは無い。ある行動を起こした「今」は「過去」へ消えてしまったからだ。行動の証拠として結果が残るからだ。過去は変えられない。鉄則である。

だから、Deleteキーが嫌いだ。自分の行いを、間違いを即座に消す、即ち実質的に過去に戻ることが出来るあの悪魔が嫌いだ。自分の中で消えなくたって、その結果が残らなければ無いも同然である。
一発で論文が書けたと課題について話す大学生の中で一度もDeleteキーを使わなかった者はどれだけいるのだろう？
ミスなどある筈も無いと意気揚々と語るその裏で、何度間違えた世界を消してきたのだろう。
数えてみれば大抵の人間は案外打ち間違えてばかりだろう。そんな自分の間違いを自らの頭から、記憶から、挙句には世界から消し去って無傷でツギハギだらけの新品のキズモノを創り出す。
それがどうにも我慢ならない。
だからいつか世界からDeleteキーを消そうと思う。僕の行動の証拠としてその結果を残す。
これが僕の大きな夢だ。

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