全体の由来：｜万里一空《ばんりいっくう》…四字熟語で意味は『一つの目標に向かって努力し続けること』とされている。が、本来は違う意味。万里は非常に遠い距離、一空は一つの空を示す。そこから『どこまでいっても世界は一つ空の下である』というのが本来の意味。前者は必死に努力を重ねた彼自身の例えであり。後者は万里に及ぶ歴史の果ての一人となったことを表している

苗字のもう一つの意味：空山人を見ず…盛唐期の詩人：王維の詩、鹿柴から抜粋。いわゆる全く人気のないひっそりとした山のこと。何かに突出したものは、最後にはただ一人となる。恐れ・隔意・嫉妬・劣等感…全てが去り、周りに人はいないこととなる。…彼もまたそうなるのだろうか？

現在ストレンジャーズ内で期待のニューエースとして頭角を現している青年。かつては軍隊で将校等を輩出してきたバリバリの軍家系であり、現在も自衛隊内に強い力を持つ家柄でも力でもエリートと呼べる人物。

かつては名も無き1隊員であり、大した力もなかった。努力の果てにオーヴァードになったものの、それでも大きな力は発揮されず…それこそ、多少多めに荷物を運べる程度(小規模にポケットディメンジョンのみできた)でしかなかった。国のために、と努力しつつも、決して報われない日々。他の一族が名のある隊員となる中、一人凡人であることに歯噛みしていた。

それが変わったのは、ある作戦中のこと。激戦となったその作戦に、ただの一兵士は木の葉のように吹き飛ぶことしかできず。周りの兵士に被害が出る中で、自分はオーヴァードとしての力で再生した時。戦場の片隅で朽ちかけていた、戦車の一部を見つける。立て直しのために砲撃をしのぐ盾にしようとそれに手を伸ばした時…途端に多くの記憶と力が流れ込んでくる。

それは過去、様々な戦いを潜り抜けてきた武器だった。武器の中の1パーツでしかないが、奇跡的に壊れず、多くの兵士たちがそれを受け継ぎ、使い続け…力と経験がそのパーツに貯蓄されていた。…その記憶は、力は…ただの兵士に歴戦の戦士としての力を与えたのだ。

周囲を利用したゲリラの戦術・ベテラン傭兵の生き残る知恵・天才スナイパーの銃の才覚…そして、何が何でも生き残ること、守り切ることへの執念染みた思い…それらを得た事で、彼は戦場から生き延びた。そして、その後は次々と大躍進を遂げている

…さて。エリートと言われる彼であるが、冷静な顔の下で、ふと思うことがある。果たして今の自分は自分なのか、評価されているのは自分ではなく、継承したもの達ではないか、と。…答えは未だに出ない

冷静沈着を心がけ、常に落ち着いている…ように見えるが、実際はそこまで静かな性格じゃない。むしろ内側に国民を守ることへの強い情熱を抱えているので割と熱血かもしれない。ただし、流れ込んだ経験から戦場で心を乱しすぎないようになった。
また真面目かつ規範に則った行動を好み、10分前行動を徹底したり、清潔保持に積極的だったり、とかなり硬いイメージを抱かれる。周りからはその気質もあって「お高く留まっている」「こっちを見下している」などと言われることもあるが、本人は気にしていない。それより自分の実力を上げなくちゃなので。ひたすらに努力家で、諦めが悪い。

直属上司は鈴井駿。どちらかというと前のめりタイプの隊長をヤレヤレ顔で抑える側でいるが…本来の気質は似ているし、なんなら尊敬の念を向けてはいる。仕方ない隊長だという身振りは崩さないが

小型戦車で縦横無尽に動き回りつつ、様々な重火器を操り、戦場全体を爆撃していく、移動砲台スタイルを取る。また、普段の調査等にも魔眼の力を生かしたりするため、非常に器用にこなす。
滅多にしないが、継承した記憶と完全に同調することで戦場全てを焼き払う殲滅銃撃を行うことができる(殲滅作戦の演出)。…ただし、コントロールが効かず、敵味方問わず爆撃してしまう＆記憶に呑まれて戻れなくなる危険があるので、本当に滅多に使わない

使うとすれば。それは国民のためである