概要

　一人称「吾(おれ)」、二人称「御前(おまえ)」。

　謝花の「閣下」。元ＵＧＮ本部エージェント、現評議会議員。
　ガワは鍾離先生。
　キーワードは「受容」「流転」「大山」。

　世界全体を一つの「山」と捉えており、そこに根付くものたちの栄枯盛衰を守護することが自身の役目である、と解する男性。
　山の守り人であり、山そのもの。

　約1500年以上前、ただの樵だった青年はとある霊山に見初められ、代行者としての力を賜った。世界中の地脈の結集地点たる霊山、そのレネゲイドの一滴を使命とともに承服したことで、青年は不老不死となる。
　それ以降、彼は世界中を周遊した。目的は「自分が守らんとしている世界の形と、その上で行われている営みを自分の目で確かめるため」。さまざまなコミュニティに客人として籍を置き、時にささやかな親切を施し、時に人里に近付く妖異化生の類を征伐しながら旅を続けていた。
　現在ではUGN評議員の肩書を持っているが、旅好きのさがは消えておらず、よく視察という名目で各地に出没しているとかなんとか。
　中国出身。


　名前の由来は、古代種になる前からの「謝」という苗字と、梅の一種である「雲竜梅」から。中国原産の梅であり、現在では庭木や盆栽として好まれる。
　単純に好きな品種からとっただけで、本人としてはそこに深い意味はない。人が自分を呼ぶときに困らなければいい、程度。
「謝師(シェせんせい)」と呼ばれることが多いが、親しい人からは「雲竜(ユンロン)」と呼ばれる。
　覚醒し、「万物は常に変転し、確かなものなど一つもない。大地でさえ途方もない時をかけて変化していく」ということを知った彼は、だからこそ人間は「名前」という不変の柱を一つ持っておく必要がある、と考えた。
　1500年の時を経た今では、その原初の想いこそ風化し忘れてしまったとはいえ、「名前は人間にとって大事なもの」という真理だけは忘れずに抱えている。今の彼にその理由を問えば、1500年前とはまた違った理由を応えるかもしれないが……彼にとってはそれでいいのだ。
　山嶺とは、在ることが当たり前なのだ。在ることに、理由は要らない。名前も同じ。
　名付けることが当たり前であれば、名付ける理由などなんであろうとよいのだ。
（最終的な結論が同じなのであれば、その経過や理由はわりとなんでもいいタイプ。どうせ時が経てば変わるので）


　ＵＧＮがガーディアンズの名前だった頃からの……所属メンバーというにはやや神出鬼没だったが、やがて自然と歩調を合わせるようになった。
　ヨシュア・ランカスターが現役だった時からの盟友で、かたや戦場、かたや政治で敏腕を振るいつつ酒を飲み交わすような間柄だったといい。
　本人はめっぽう戦嫌いで、平和を好む。戦人というよりは、調停者。


　いつもおおらかで、滅多には怒らないひと。枝や花を手折っても、それを大切に鑑賞するのであれば、目くじらを立てることはない。
　芽吹くも咲くも、折れるも枯れるも、腐るも根付くも、自然の営みの中で行われることであれば、彼は一切を許容する。栄華も風化も、自然の摂理であり受容の対象。
　万物に絶対はなく、常に流転していくものだと捉えているため、物・人に対する執着が著しく薄い。そのせいもあり、自分の周りの人間関係もどこか他人事。万人に対しておおむね同じような態度で接する、博愛の人。
　個人と世界を天秤にかけたら、迷わずに世界を選ぶひと。

　オーヴァードとして覚醒した当初のクソガキ謝花少年は、彼が保護した当初名前がなかった。
　正確には「仲間内で呼び合う符号のようなそれらしきもの」はあったが、数週間～早ければ数日であっさり変わるそれは「自己同一性の証」にはならないと判断。
　中国語、英語、フランス語、それから日本語とありとあらゆる言語の辞書を手渡し、言語練習も兼ねて自分の名前を自分で決めさせることを、謝花少年への最初の授業とした。
　なお、学もほとんどなく盗みと悪知恵だけに優れていた少年は、突然目の前に積まれた分厚い「ホン」の山に目を白黒させ、やがて手を変え品を変え逃亡を試み挙句とっ捕まえられるということを三回繰り返してようやく諦めたのだとか。

　教育期間中、彼は謝花少年に対し基本鷹揚に接していたが、一度だけ本気で怒ったことがある。
　（こんなに温和な男が怒るくらいのエピソード、逆に思いつかなくなったな……）
　父と子になる可能性はなくはなかったが、博愛と独占では折り合いはつききれず、結果師匠と弟子どまりの関係。


　攻撃のイメージは山の化身、土砂崩れ、大木。山そのもの。
　あらゆる土地と深くつながる地続きの土地、その中で起こりうる全ての事象を包括しレネゲイドで再現する。
　命を埋め立て奪い去る土砂崩れから、守りはぐくむ生命のサイクルまで。

おまけ

　　「雲竜」は彼の自覚的には好きな梅の名前に過ぎませんが、PL的にはそういう掴みどころのなさというか、地に足つかなさが山にかかる笠雲のようだったのでチョイスしました。

ビルド

候補
・力の法則：いつもの1
・妖精の手：いつもの2
・縮地：同エンゲージ×対策。マイナーを戦闘移動にあけておく必要あり。
・隆起する大地：範囲ダメージ軽減
　＋浮遊する大地（ＨＲ）：効果量追加
・世界樹の葉：蘇生

　現代の閣下はオルクスの全エフェクトを全レベルマックスでとってるくらいがいい。
　もちろん最初からそうだったわけではなく、1500年の時をかけてゆっくりと使い方を習熟してきた。
　ここ10年のレネゲイドウイルスの全世界的な活性化と航空機事故をきっかけにした流布の影響を受けて、彼のレネゲイドの大元である霊山伝いに爆発的にその強度があがったとかだと調整しやすいかも。

Ｄロイスエフェクト候補

・古代種→リザレクション
　リザも間に合わないレベルで死にかけた謝花を蘇生させた時に、リザレクションによる不滅性の付与＋謝花のレネゲイドに埋め込まれていた覚醒起因の花の古代種因子が化学反応を起こした。
　雲竜側にも意外と「贈り物」の意識はあったかもしれない。

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