彼女は待ち望まれて生まれた。とはいえ、強すぎる雷のごとき電気の力を持つ故に、時たま電気を使うものが上手く機能しなくなる異変が感じられてしまうことがあった。…彼女の人生が変わったのはそこから。
目の前の大切な人が危機に陥った。助けたいのに身体が動かない。…どうしたら。…そんな時に目覚めた力、それが《雷帝》のごとき、ブラックドッグの力とそしてそれを支えるハヌマーンの力。…そうして、《雷光の女帝》は生まれた。

覚醒後の彼女は、UGNエージェントとして活動している。

彼女は若いながらも、その実力を買われて、とある支部の支部長にまでなった。…が、支部長になってから数ヶ月。彼女の支部はジャームに襲われたことで、エージェントやチルドレン達の大多数を、自分の目の前で失う結果となってしまった。

現在はそのジャームを討伐対象とし、側近としてPC4・カナリアを従えながら事件の真相を探し続けている。

青と桃のグラデのある長い髪が特徴的である。
しかしながら、彼女は年齢にそぐわぬ143という低身長の故に、支部長と言われないと、気付かない人も多くいる。しかし小さな身体のためか、素早い動きの補助にもなっている節がある。身体には初めての覚醒、そして過去の襲撃で受けたものか、沢山の生傷、古傷などが存在している。
服装としては仕事の際にはセーラー服、と決めているが、ちゃんとUGNとしての正装も着るし、オフの時には可愛らしいガーリーな服だって着る。だって、UGNエージェントの彼女も、それさえ隠せば普通の女の子だから。

仕事はきっかりと真面目にこなす優等生。とはいえ根っこは優しく、どのような人とも、できる範囲での被害を抑えた解決を好んでいる…が、自らの支部を壊した《アルデバラン》には、内に抱える闇の一端が大きく表出しやすい。仲間に対しては申し訳なさなどもあり、会話の話題に出した場合には口をつぐんでしまう。
また、衝動が出た場合、責任感から、普通じゃないことへの劣等感と後悔から、日本刀で喉元を突き刺さんとするなど、自傷行動に突っ走りたがってしまう。

一人称は『私』、二人称は『あなた』『〇〇さん』。
基本的に丁寧な口調を崩すことは滅多にない。
それはもし状況が悪化したとしても、平静を装って、《嘘》を吐いてでも心の平静を保つため。
…だが、怒りや悲しみに呑まれたり、衝動が出た場合は、その限りではなく、普段の桜からは予想もつかないような喋り口調に変化する場合がある。

彼女がいつも愛用する『雛破鈎』を使用し、彼女の持つ圧倒的な電気の力とを合わせ、更にハヌマーンとしての力も掛け合わせた『超電撃×超速』の刀術を得意としている。その速さに、相手は目を丸くするほどだ。なお、最近では任務内で手に入れた妖刀『蓮雷鵬』をも使っており、雷の女帝はなおも止まらないとされている。

彼女は先にも挙げた通り、自分と共に生きてくれる仲間を大切にしていることより、仲間という存在を大いに好んでいる。また、可愛らしいおしゃれなどをするのも好みなようで、彼女の仕事をしない時のバッグには化粧ポーチが常に入っている。
また、食べ物では意外にもいぶりがっこ、イカの塩辛、トッポギ、辛いカレーなど、辛味のあるものを好んでいるらしい。
逆に嫌いなものの筆頭に挙げるのは仲間を傷つける者。《アルデバラン》にほぼ全てを奪われたことにも起因しているが、優しい彼女はそれ以上誰かが傷つけられることを看過できないのだ。
他に苦手なものがあるとするならば、意外にも、甘すぎるスイーツ類などは個人的には身体に受け付けられず、ユッケや生の牡蠣（火が入れば問題ない）などもあまり好んで食べないようだ。

『私は綾川桜です。雷光の扱いなら、私に任せて。《雷光の女帝》の名は嘘じゃありませんから』

『…これをお願いします』

『…………帰らないのはもう、わかってるけれど………私の仲間を…………返して！！！！』

『……ごめん……ごめん……わたしがよわくなかったら……みんなをまもれた…のに…』

かつてない程の被害の後、支部長としての日々を過ごす彼女の元に連絡が届く。
それを受け、支部長として、側近であるカナリア、そしてエージェントの明智龍牙、ノアを伴い、調査を始める。…そのうちに待っていたのは、FHセルリーダー・一による計画。その一端であった。部下の裏切り、そしてUGNが止めるべき死者の復活の光景。
敵の能力などに、苦戦などを強いられながらも、3人と共に危機を乗り越え、亡きさとりの決死の覚悟により、こいしを助け出すことができた。しかし、まだ、因縁は終わっていない。

ctwでの事件後のこと、買い物に出た先で1人の少女・潮良莉耶と出会う。その後、UGNのイリーガル依頼のために、かつての明智の相棒・紅と、日本支部の極秘任務の関係でC市支部長・灰崎と出会う。
その後潮たちと友好を深め、ワーディングにより暴走するというアクシデントはあったものの、潮を止めることはできた。…だが、その後、ジャームを止めに来たという灰崎の手により、目の前で潮を喪ってしまい、櫻の心に大きなショックを残してしまう。更に、アルデバランと紅が襲撃を始めたという情報を聞きつけ、現場へ向かう。
アルデバランのその強力な力に、一度は命を失いかけるものの、守るため、世界の平和のために、と、潮への思いを焼き切ることで復活。
その後はアルデバランを自身、カナリア、ノアの3人の力で倒すことに成功…するのだが、明智とのタイマンでの対決を終えた紅は、倒したはずのアルデバランの手によって悲しい最期を迎えてしまう。
…失った命のために、それでも、傷ついても、走り続ける。

LTMでの事件より半年。彼女は任務で新たに手にした妖刀『蓮雷鵬』を携え、そして、新たな力を得て、鍛錬に励みつつ事件の整理を行う。そしてUGN日本支部でのクローン関連の調査で、アルデバランのオリジナルたる存在・霧雨魔理沙の存在を知る。
不安を抱えながらも、ノアが保護したアリスは、灰崎の元で管理、櫻の支部は情報収集を行う。…その後、諦めずに接近したニノマエらを撤退させ、その後に灰崎の手伝いのためにカナリアを派遣する………のだが、マスターレイスζの急襲により、灰崎はカナリアを逃し、殉職。その訃報を聞き、櫻は潮の時と同様にショックを受ける。
その後、立て続けに支部の襲撃が起き、こいしの提案でアジトに向かう。…だが、マスターレイスζの力は予想以上のもので、櫻含めた4人全員の力で待ってしても、傷一つつけることはできなかった。そのままやられるかと思ったその時、フィラクテリーの封印が解け、（厳密にいえばフィラクテリーの輪に封印されていたデミゴッドの封印）マスターレイスζの片腕を捥ぎ取り、彼女を撤退させる。それにより事なきを得たが…………世界の終わりが近くなってきているのかもしれない。不安は、悲しみの連鎖は終わらない。

フィラクテリーの復活は世界に激震を齎した。
UGN内では禁忌とされた死者の復活。
悍ましい地獄が展開されていた。
このままにしておけないと、森の拠点へ向かう中、マスターレイスに取引を持ちかけられる。
怒りもあったが、しかし、力には力であると、怒りのやり場はどこにでも置いていけると、それを呑む。
そして、拠点に辿り着けば、眠りに落ちた。櫻は良莉耶と再会。そして、彼女に背中を押してもらう。
そしてフィラクテリーとの決戦で、ぼろぼろになっても立ち上がり、そして亡き4人との絆、亡くなった仲間の想いも持って、レイスの助力で、フィラクテリーを撃ち倒し、彼女は…A市、C市、Y市管轄の日本支部幹部エージェントとなった。