ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

氷咲涼 - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

薄氷はくひょう氷咲涼ひさかりょう

プレイヤー:ロード

年齢
24
性別
星座
双子座
身長
170
体重
ヴァァーカ
血液型
O型
ワークス
UGN支部長B
カヴァー
ブリード
ピュアブリード
シンドローム
サラマンダー
HP最大値
30
常備化ポイント
6
財産ポイント
6
行動値
4
戦闘移動
9
全力移動
18

経験点

消費
+34
未使用
0
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 孤児院で焔と出会う、その邂逅は断たれぬ絆となる。
天涯孤独
経験 その力は異端であり、異端者である二人はより絆を深めることとなる。
超人の悲哀
邂逅 王に会ってスラム街の一員となる。そこは異端者たちの拠り所、僕はここですべてを学んだ。
鳴神エリヒト
覚醒 侵蝕値 焔を守るために力必要だった。
渇望 17
衝動 侵蝕値 貴様、その汚い手を焔に向けたな
憎悪 18
/変異暴走 通常の暴走に加えて、1点でもダメージを受けた場合、バットステータス憎悪を受ける。
侵蝕率基本値35

能力値

肉体4 感覚1 精神2 社会2
シンドローム2×2 シンドローム0×2 シンドローム1×2 シンドローム1×2
ワークス ワークス1 ワークス ワークス
成長 成長 成長 成長
その他修正 その他修正 その他修正 その他修正
白兵 射撃1 RC 交渉
回避1 知覚1 意志 調達1
情報:UGN1

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
Dロイス 遺産継承者 アイテム聖剣の王者を取得
夜宵焔 純愛 劣等感 大事な存在。彼がいなければ
鳴神エリヒト 尊敬 悔悟 彼がいなければ僕は焔と墜ちていただろう

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
狙い縛る冷気 3 セットアッププロセス 自動成功 単体 視界 3 120%/憎悪
そのラウンドの間、あなたが対象に対して行う攻撃の判定のダイスを+[LV*2]個する。ただし、対象以外を含めて攻撃する場合は、この効果は適用されない。
コンセントレイト:サラマンダー 3 メジャーアクション 2
C値-LV
炎神の怒り 4 メジャーアクション
リアクション
【肉体】 3
エフェクトダイス[LV+1]個 3点HP消費
炎の刃 7 メジャーアクション 〈白兵〉〈射撃〉 自動成功 2
攻撃力LV*2
アマテラス 5 メジャーアクション 〈白兵〉〈射撃〉 単体 4 リミット
組み合わせた攻撃力[LV*4] 判定ダイス-2個
氷の理 1
手に触れた物体を冷やすエフェクト
無面目 1
オーヴァード特有の反応を隠す。

コンボ

組み合わせ
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
武器
侵蝕値
11
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
4
100%以上
4

武器常備化経験点種別技能命中攻撃力ガード
射程解説
聖剣の王者 白兵 〈白兵〉 0 15 7 至近

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
0 0 164 0 0 164 0/164
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

容姿・経歴・その他メモ

青髪 赤目の女性。

基本的にはクールだが戦闘になると熱く燃え上がる。

夜宵焔とは孤児院からの仲であり、ともに駆け抜けていた相棒である。

一人称:僕
二人称:君


蛇足

余談だが涼は焔のこと異性的に好いているが、小さい頃の仲なのであまりそういったことを表に出せずにやきもきしている。

なれそめとか

──────幼少時の記憶を覚えているものは少ない。
 そんな話をどこかで聞いたことがある。生まれて間もない赤子の頃は、脳が発達していないのだからそういったこともあるのだろうと深くは調べはしなかった。周りにいる他の人間にきいても首をかしげるだけなのできっとそうなのだろう。それかそんなことを覚えなくてもいいぐらい幸せなのだろうさ、と。
 人生の諸先輩方が口々にいうのを総括すると、おおよその人間は誕生と同時に祝福されるらしい。子供とは恋仲に陥った男女が交わり少々長い年月をかけて生まれるそうだ。そうして誕生した我が子は愛の結晶ともいうべき存在だ。祝福しないわけがない。だが、その全てが祝福されるとは限らない。
 そう、僕は祝福されない一部の子どもたちだ。赤子の初めての仕事は泣くことらしいが、記憶の中にいる母親は赤子の僕より泣いていた。何故?答えは明白だ、父親が糞だからだ。木の柵で覆われたベットの隙間からよく床に倒れた母親を見ていた。母親の泣き声に呼応して僕も泣いた。それが気に食わない父親が……ああ、もう父親と表記のするのすら鬱陶しい。糞野郎は僕に近づいて黙れとイライラすると罵った。僕の顔よりも大きな手で塞いで、苦しくて辛くて。まぁ、そんな家庭の子供が幸せになることもないのは想像に難くないだろう。
 天罰覿面って言葉をその当時知っていたならばざまぁみろって罵りたくなる出来事もあった。糞野郎が死んだ。死因は知ってもさほどたいしたものでもないので割愛しよう。糞野郎の死に天を仰ぐほどの嬉しさからか母親は泣いた。どうやら人というのは悲しくても嬉しくても泣くらしい。
 さて、糞野郎の話ばかりしていては母親が悲劇のヒロインみたいな扱いになるのが癪なのでこき下ろそう。糞野郎が死んだあと母親が僕に寵愛を向けたかというとそんなことはない。糞野郎に惹かれるやつは総じて糞野郎なのさ。開放された母親は悲劇のヒロインから糞婆婆に変貌した。酒に溺れて、私利私欲に走り、はてさて少々の良心はあったのだろうか育児放棄とまではいかないまでの必要最低限の施しだけ与えられた。そんな糞婆婆は酒に酔っ払って路上で寝ていたところを車にはねられて死んだらしい。僕は近所の人の通報ですぐに保護された。幸い軽い栄養失調程度だったからそういったところは幸運なのだろう。そのあと僕は孤児院に送られた。誕生から糞野郎が死んで糞婆婆が死ぬまでの間に十年の歳月が流れていた。
 これが僕の幼い頃の記憶だ。よく覚えているだろう。選ばれた人間だからなのかもしれない。


◆◆◆◆◆


 孤児院は祝福されない子どもたちが集まる場所だった。僕が連れて行かれた孤児院は小規模なところで全体でも十人にも満たない子どもたちと数人の親代わりの大人がいた。孤児院は真っ当な状態で社会にでるための扶養、教育を施す施設というのはいうまでもないことだろう。
 十人にも満たない子供たちといったのは、厳密に言えば関わりがあった人間がそのくらいの数だったことに起因する。先程もいったようにこの孤児院は小規模なところで各子どもたちに割り当てるほどの部屋の数がなかった。四人で一つの部屋を使うため必然的に知っている顔は固定される。部屋はシンプルな木製の二段ベットと向い合せの机のみ、そんな部屋が三部屋ほどあったのだが、実質一部屋は使っていなく倉庫代わりとなっている。また、僕が孤児院に来た頃にはちょうど孤児院から出ていく子どもたちがいたため、相部屋の四人が孤児院で接する子どもたちだった。
 奇遇なことに四人の年齢は全員同十歳であった。大人から部屋をあてがわられた僕はほぼ同時期にはいってきた三人と対面することになる。大人が優しい口調で何かを説明していたが辛うじて理解できたのが仲良くするようにというものだった。
 さて、初対面の祝福されない子どもたちが突然その場に放置されたのだ。どうしたものかと思案している僕はきっと肝が座っているというやつなのだろう。しかし、こちらからなにかアクションをするきが起きないので傍観していると気の弱そうな男児が恐る恐る声をだす。
「……やぁ、君も捨てられたの?」
 突然何を断定しているんだ。同じような境遇だからといって完全に一緒にされては困る。否定の言葉を口からこぼす前にもう一人の男児が割って入る。
「俺は捨てられたというよりは、死んじゃったって方が正しいかな」
 先程の気の弱そうな男児とは真逆、明るさを持ち合わせた笑顔が眩しいそいつは、いろいろなところにある字や傷を除けば好青年……いや好少年といったところだろう。
「……捨てられてないもん。迎えに来るっていってたもん」
 白い大きなうさぎを抱きかかえながら泣きそうな声を出す女児は年齢に似合った所作をする。いや、僕自身が達観しすぎているのかもしれない。
「そこの君と同じ親が死んだ。死んでもいいやつらだったけど」
 先程の好少年を指さしながら言う。
「そっかーじゃあ同じだね」
「……ふーーん、そうなんだ」
「まぁ、そんなのどうでもいいんじゃね。いろんな事情があるんだし、お互い詮索なし!それにおまえ……って名前きいてないし自己紹介してなかったな。俺の名前は焔、 夜宵焔やよいほむらよろしく」
「ぼくは 久我谷和也くがたにかずや
「……… 沢城穂香さわしろほのか、です」
氷咲涼ひさかりょう だ」
 各々が自己紹介を始める。気の弱そうな男児が久我谷和也、好少年が夜宵焔、女児が沢城穂香というらしい。
 氷咲涼。久しぶりに自分の名前を言った気がする。何を思ってあの二人が名前をつけたのかはついぞ知ることはなかった。
「おまえ和也って言ったっけ?」
「……そうだけど?なにか」
「サッカーとか好きか?」
「……あんまりやらされたことはなかったけど、興味はある」
「じゃあ決まり今から遊ぼうぜ!ここに入る前にいろんな道具が見えたんだ」
「……初めてこういうのに誘われた気がする」
「そーなん?こういうのは普通だと思ってたけどな」
 和也は焔の言葉にキョトンとした顔をしていたが、少しずつ笑みを浮かべる。
「あ、それと涼だったよな。おまえもサッカーどうだ?」
「すまない。サッカーというのは知らない、が、興味はある」
「サッカーを知らない!?珍しいなおとこなのにさ、サッカー楽しいぜ!」
「いや、僕は───」
「穂香は……女の子だから外で遊ぶのは苦手だよな?」
「あのっ!!!!……私も………みんなと……遊びたい……です」
「じゃあ決まり!外で遊ぼうぜ!」
 焔の声とともに彼の後ろをついていく。不思議なやつというのが最初の印象だった。快活で優しく人を引っ張っていくように見えるのに、僕の目には焔の後ろに暗い夜の闇が見えていた。

◆◆◆◆◆



 孤児院での生活は模範的とも言えるほど規則正しいものであった。同じような日々の繰り返しにカレンダーを見なければ三年も月日がたったとは思えないような感覚だ。
 まだ朝日が隠れてるような時間にで目が醒める。時計の針は短い方と長い方どちらも五を指していた。まだ起床するには早いがかといって二度寝をするのも微妙な時間。ムクリと起き上がり着替えを始める。ある程度の身支度が終わり、外に出て空気を吸いに行くと一つの影を見つける。夜宵焔だ。
 焔は僕に気づくとひらひらと手を降る。こので三年でわかったことは、僕が二番目に番早起きだということだ。
「お、涼。いつも起きるのが早いな」
「言葉を返すよ」
「涼ってさ、難しい言葉よくつかうよな。どういうみかわかんねぇことがいっぱいだ」
「今のはそのままの意味だ」
「なら、えっと、褒め言葉としてもらっておこう」
「僕のまねか?」
「そんなかんじ」
 明るい笑顔で返す。少々の違和感。まるで作られたようなそれに喉にしこりがあるような気分を味わう。
「まだ、太陽がでてないな。俺この時間が好きだ」
「早朝の時間がか?」
「だってさ、この時間だったら大人ほかのひとだって寝てるだろ。安心するんだ」
 背筋に冷たいなにかが走る。日向があるならば、また影も存在する。今踏み込めばきっとその影の中に入れるだろう。
「……同感だ。両親くそやろうどもも流石にこの時間は寝ていたな」
「涼ってさ大人の話になると口が悪くなるよな」
「そういうやつらだからな……焔は、いやいい」
「なんだよ、もったいぶるなよ」
 だが、その影に踏み込むのを躊躇う僕がいた。焔がどんな半生を生きていたかは興味がないといえば嘘になるが、触れられたくないものだってある。
「ふふ」
 逡巡する思考の合間に一つの事柄を思い出す。焔が勘違いに気づいた出来事だ。

◆◆◆◆◆

 その日はいわゆる遠足といったものを実行していた。天候は快晴で良好。いや、少しあつすぎるきらいがある。内容もシンプルなもので、引率の大人達と近くの山を登り自然の豊かさを知るといったものだ。また、この山というのはただの山ではなく、アスレチック施設も併用されているため、体を動かしたい子どもたちにとっては格好の場所だった。
 午前中に山に登りアスレチック施設の近くのキャンプ場で飯盒炊爨の体験、午後からアスレチックで遊び下山といったものだ。
 引率の大人達は何度も来たことがあるのだろうなれた足取りだが、初めてくる僕たちには少々きつい道のりだった。それでも、僕と焔は体力がある方でキャンプ場へついたときでも元気はあったが、和也や穂香は暑さに参ったのかバテている様子だった。
 キャンプ場はしっかりした施設のようで、飯盒炊爨に必要な道具は予め揃えられており、食材もまた準備してあった。僕と穂香は調理で焔と和也は火起こしやその他準備といった形で役割分担しながらすすめる。
 自慢ではないが僕はそれなりに要領がいいほうだ。運動もできるし勉強に至っては他の三人より頭一つ分飛び抜けている。そんな僕にも苦手なことはある。
「……涼。これは?」
「人参だが?」
「いや、たしか包丁使って切ってたよな?なんでこんなにゴロゴロしてるんだ?」
「…食べられればいいだろうべつに」
「よくねぇよ!穂香の口より大きいぞ!?」
 焔のツッコミに更によそわれたカレーの野菜を見る。たしかに大きい。大きいが大は小を兼ねるともいうし問題ないではないか。
「はぁ、涼は料理だけはてんでだめだよな」
「う、うるさい……」
「その点穂香は料理はうまいよなぁ」
 先程のゴロッとした野菜とは打って変わって星型や色んな形に揃えられたきれいな野菜をスプーンですくう。
「お料理や裁縫とか得意だから……」
「さすが穂香!やっぱ女の子は違うな!」
「………もう、勉強教えない」
「涼、すまんそれだけは勘弁して」
「……本当に焔と涼って仲がいいよね」
「「どこが!!!」」
「そういうところだとおもうなぁ」
 他愛もない言い合いをする僕と焔を和也と穂香はニコニコと笑って見届けていた。
 さて、昼ごはんが終わればお待ちかねのアスレチックといったところだ。動き盛りの子供たちにとってはたまらないところではある。かくいう僕もアスレチックというのは本でしか見たことがなかったため興味津々であった。
 山間を切り開いて作られたアスレチックはかなり広範囲にあり、一周するだけでもそれなりの時間を使うようなものであった。時間としては二時間程度の自由時間であったが、それでも二週をしようとおもうならかなりのハイペースで進まなければならない。とはいっても、このアスレチックを全部網羅しようとしたらの話なのだ。このアスレチックにはいろんなルートがあり、いわゆる上級者向けから子供むけといったものまであり、僕たちは子供たち向けのルートをあらかじめ渡され、その範囲でなら自由に遊んでいいといった説明を受ける。
 はてさて、子供向けのコースとはいえ山間にあるアスレチックだ。勾配のきついところを容赦なく登らせる。子供の体力を甘く見ていない作りに感歎する。
 最初の方は四人一組力を合わせながらアスレチックを攻略していたのだが、運動が得意な僕と焔に和也と穂香はついていけず、気がつけばだいぶ距離が離れていた。
「やるなぁ涼」
「そっちこそ」
「でも、ちょっと物足りないよなぁ。もう少しきつくてもいいんだけど」
「大人達が言ってただろう?決められたコースを守りなさいって」
「冗談だって、でもこのルート見てるとさ上級者コースと交わってるところがあるだろ?うっかり迷わないかな」
「そんなうっかりするはずないだろう、するなよ焔」
 舌をぺろりと出して茶化す焔にため息一つこぼす。
 そんな会話をしながら休憩をしていると、えっほえっほと肩で呼吸をしながらがら和也が登ってくる。和也は焔と僕を見て不思議そうな顔をしてあたりをキョロキョロと見回した。
「あれ?おかしいな穂香は?」
「ん、和也と一緒じゃなかったのか?」
「いや、途中でぼくがバテちゃって先に進んでもらってたんだけど………」
 僕と焔は顔を見合わせルートを確認する。冗談交じりで話していたうっかりがこんなタイミングで起こるなんて……。
「涼、和也。俺は穂香を探すから先に行って大人達に伝えてくれ」
「………えっでも」
「わかった。焔あとで追いかけるから分岐点で待ってろ。奥にいくなよ」
「……了解」
「えっ、えっ……涼?焔?」
「和也行くよ」
 僕はそう言うと和也をつれて残り少しとなったアスレチックを攻略し大人達に報告に向かう。
 大人達は慌てた様子ですぐに行動に出る。なんでも上級者コースは大人の体型を想定して作られたもので、下手したら落下事故につながる可能性があるかもしれないとのことだ。舌打ちをするともと来た道を戻り焔のもとに向かう、後ろから大人が叫んでいたがそんなのはどうでも良かった。
 焔は無理をする。今まで過ごした中でそれとなく焔の性格は理解していた。だから、穂香を助けようと無理をして進んでいるに違いない。
 上級者コースと交わってる場所まで全速力で戻る、もちろんコースが交わるのだから危険防止のために看板があるのだがこの施設が少し古いのもあって朽ちて分かりづらくなっている。僕たちは気にはならなかったがうっかりしていれば間違うのも仕方ないだろう。
 案の定分岐点に焔はいなかった。予見していたことだが、ギリッと歯がきしむ。すぐさま追いかけるために走り出す。
 十分ほど登ったところであっさりと焔と穂香を発見する。どうやら、穂香の体力では迷ったもののこれ以上進めなかったようだ。
「涼。大人達は呼んでくれたか?」
「ああ、そこらへんは大丈夫だよ。というか待っとけって僕は言ったと思うんだが?」
「わりぃ、穂香だったらそこまで先に行ってないと思ってな。すぐに向かったほうがいいっておもったんだよ」
「……ごめんなさい。看板に全然気づかなくてこれ以上進めなくて、ずっとここにいたの」
 もう少ししたら大人達が駆けつけることだろう……さて、言い訳を考えておかないと。そう思った矢先、頬に冷たい雫が垂れる。雨だ。山の天気は変わりやすいというが、ここまでのものだろうか。
「焔どうする?このまま元来た道を戻ってもいいが……この雨だと怖い部分があるぞ」
「確かに俺と涼ならまだいけるかもだけど体力を消耗している穂香が一緒だと難しいだろうな……」
「かといって、ここに居続けるのはちょっと寒いな……」
「……そういえば、ここからちょっと行ったところに屋根のあるアスレチックがあったはずだよ。ほら、ここからも見える」
 穂香の指さす場所を同時に見上げると、確かにそういった場所が見える。この距離ならば多少の無理をすれば大丈夫だろう。三人はそのままアスレチックを進んでいく。
 屋根のある場所についた直後に雨は本降りになっていく。集中豪雨とでもいうのだろうか、さすがに生身で外に出るのは気が引ける。
「……クシュン」
 穂香がかわいらしいくしゃみをする。先ほどの雨で体が冷えてしまっているようだ。よく見ると穂香は上着を着ていない。話をきくと運動して熱くなりそうだったから脱いできたようだ。
「大丈夫か穂香……僕の上着をきな」
「……ありがとう。でも、涼は寒くないの?」
「平気、寒いのには慣れているから」
「ごめんね……」
 穂香はそういうやいなやうつらうつらと頭を前後し始める。安心したのだろうか眠そうだ。
「ごめん涼、焔ちょっと……眠いか……も」
 そうおもったのも束の間、スースーと寝息を立て始める穂香。案外この娘は神経が図太いのかもしれないと、そう思っているとぶるりと身震いをする。僕も雨には濡れている。さきほどまで身体を動かしていたので気づかなかったがだいぶ冷え込んでいるようだ。
「涼」
「な……んっ」
 僕が何かを言う前にバサリと少し大きめの上着を被せられる。焔のものだ。
「涼、お前後ろのほうにいたから濡れてるだろう。我慢すんな」
「別に大丈夫だ、おまえこそ濡れてるだろう」
 渡された上着をグイっと突き返すが、それよりも強い力で押し返される。
「頑固者!俺は身体があったまってから寒くないし、むしろ熱いから渡してんだ。遠慮せずにきとけ」
「…………わかった。けど、全部までは了承しない」
 僕はそういうと焔を自分のほうによせると二人で焔の上着を使う。窮屈だが肌と肌が触れ合っているためそこまで寒くはない。先ほどより暖かいくらいだ。
「せ、狭いし近い」
「おまえだってどうせ寒くなるんだから身体を冷やすな馬鹿」
「馬鹿ってなんだ、別に俺は寒くなんか」
「ちょっと暴れるな………きゃぁ!?」
 二人で共有している上着はお互いに片方ずつ袖を通しているため一方がうごくともう一方もそっちのほうに引き寄せられる。そんな綱引きをとっさに開始してしまうが、どうやら意図していないもので、僕のほうが力に分があったようだ。そのまま押したされるような形で焔が覆いかぶさってくる。
「あ、危ないから急に動くなよ」
「それはこっちのセリフだ……それと早く手をどけろ」
 咄嗟のはずみで床に片方の手を付いた焔だったが、もう片方の手は僕の胸部に触れた状態だった。
「俺だって男の乳なんざ揉みたくねぇ…「んっ……!」……よ?」
 偶然手をどかそうとして無意識につかんでしまったのだろう。誰でもそういうことはある……だが、今の状況でそういうことが起きるとは微塵も考えていなかった僕は情けない声をあげてしまった。
「………………は?」
「は?じゃないが」
「いや、待て……まって?涼お前……女?」
「………………いまさら……なのか?」
 流石にその発言にびっくりし罵りの言葉が引っ込んでしまう。
「だって、涼って男の名前じゃん?」
「知るかつけたやつに文句を言え。それに隠してたわけじゃないし、なんなら数年も一緒にいて気づかなかったのか?」
「確かに着替えるときは別室だったし、風呂も別々だったとけど……ほらそういう体の傷をみられたくないとかそういうのだと思って」
「そういうところは想像力豊かだな……安心しろ肉体的に辱められた経験はない」
「そ、そうか……えっと」
「何急に意識してるんだ馬鹿……こっちこい寒いだろう」
「あ、ああ」
 肌と肌が触れ合う。なぜか先ほどより暖かさが増しているような気がするが、その理由はだいたい理解していたつもりだ。その温もりのは心地よく気づくと三人で眠り込んでしまったのだった。
 いつのまにか雨は病んでいたようで僕たちは大人に起こされて目が覚めた。そのあとはこっぴどく叱られて……さらには僕と焔はそろって高熱を出した。病名は風邪。馬鹿なことをしたものだ……。

◆◆◆◆◆

「何笑ってんだよ」
 焔のむすっとした声で我に返る。どうやら、過去のことを思い出していたらしい。
「いや、焔が僕のことを男っておもってたことを思い出してな」
「………蒸し返すなよ。悪かったって」
「いや、謝らなくていいんだぜ。僕もあのときは女の魅力ってのがなかったからな」
「わかったわかった降参。これ以上その話題でつつかれるのは勘弁だ」
 朝告げ鳥が鳴くにはまだ早い時間、僕はこの二人だけの時間が好きだった。誰も聞いていない、誰にも見られていないそんな時間。
「……涼。俺さぁ変かな?」
「ああ、変だな」
「そんなにズバッというなよ…」
「変と聞かれたからな、特に今日は変が極まっているぞ」
「お前なぁ……いやいいや。涼、ちょっとだけ話を聞いてくれるか……?俺の親の話なんだけどさ」
「………急にどうした。初めてあったときにお互い詮索なしっていったのはおまえだろ?」
「あれはさ、ここに来た理由を聞かれたくなくてさ。正直、今だって言いたくないんだけどさ」
 いつもと違った神妙な表情を浮かべる焔。僕は焔からあふれ出そうな影を見た……きっとそれは彼の半生で抱えた闇なのだろう。
「大丈夫だ。ここには僕しかいない。誰も見ていなし聞いていもいない」
「……涼にだけはなす。俺の親のこと」
 固く閉ざした唇が何ども上下する。発せられる言葉はきっと初めてあれば受け止めきれないほどのものであった。彼はきっとこの闇をずっと抱え込んできたのだろう。抱え込みながらもあのような明るいふるまいをしていたのかと思うと腹立たしさを覚える。────少し前であれば。
 たとえそれが大いなる闇であったとしても僕は何故か受け止められる気がしたから。この数年間で焔と僕は互いに特別な信頼関係を気づいていた。なのだろうか?



◆◆◆◆◆


 
 僕たちが十五歳になるころ、この孤児院に二組の夫婦が訪れた。その者たちはどうやら、養子を探しているようでいろいろな孤児院を訪れていたそうだ。
 僕たち子供達は一人一人呼ばれそれぞれの夫婦と話す。どうやら、それが人となりを知る面談のようなもので、結果的に和也と穂香がそれに選ばれたのであった。
 和也と穂香はそれぞれ嬉しいのかさみしいのか……特に穂香はつい最近ようやく親との関係に整理がついた直後だったのでかなり戸惑っていたのだが、大人達の強い後押しで養子になることを決意したようだ。和也と穂香との最後の別れは笑顔によるもので決して悲しいものではなかった。だが、なにか棘のようなものが心の奥底で引っかかっていた。
 今思えばその異物感にもう少し敏感に反応すべきだったのかもしれない。そうすれば和也も穂香も……。
 その事実を知ったのは偶然であった。もともとこの孤児院は公的なものではなく、慈善事業として始められたものであり、決して裕福ではないのはわかっていた。裕福ではないまでもそれなりの暮らしはいつまでもできると思っていた。
 だから、たまたまその現場を見なければ信じなかっただろう。その話を聞かなければ疑いもなく……。どうやらこの孤児院はとある組織に目をつけられていたらしい。そして、その組織から多額の金銭と引き換えに子供を提供していたようだ。最初は良心から拒んだそれも銭の額が吊り上げられるたびに砕けていく。
 人身売買。養子に出すというのは嘘だった。あの夫婦達は組織のもので、それぞれが実験で必要な人材を求めてここに訪れお眼鏡にかなった者達を連れていく。そして連れていかれたものたちが実験結果によって良い結果が出ればさらに追加の金銭が貰える、そういうシステムだったようだ。
 酒がはいって上機嫌になった大人達の言葉が忘れられない。




『おい、みろよこの金。いつもよりを桁が一つ多いぜ!』
『最高ね。和也も穂香も優秀だからしっかり育てたかいがあったわ』
『しかし、実験ってなにしてんだろうな。』
『あらそんなの考えなくていいじゃない……どうせ死ぬしかない人生を私たちが拾ったんだから』
『そうだな、むしろ感謝してもらわないとな!』





────僕たちは再び大人達に裏切られたのだった。




「糞野郎!!!」
 焔が激昂して近くのものを蹴り飛ばす。今まで大事にあつかってきたものがあっけなく崩れ去る。その滑稽さが自分たちのようにも思えて、酷い虚しさがこみあげてくる。
 大きく深呼吸をして焔がを見つめる。
「焔、逃げよう」
「当たり前だ……こんなところ一秒だっていたってたまるか」
 鼻息を荒くした焔を嗜めるように諭す。
「落ち着け計画もなしに逃げたらすぐに捕まる、それだとあいつらの思うつぼだ」
 冷静に言葉を一つ一つ選びながら……。そのかいもあってかある程度冷静さを取り戻した焔は大きく息を吐く。
「………そうだな。すまん取り乱した」
「大丈夫だ。お前がそうじゃなければ僕がそうなっていた」
 あらためて冷静になった僕たちは脱走計画を練る。この孤児院にきて七年以上たつ僕たちに知らない場所はない。また、ここの大人達のルーティンだって把握している。食料と少しの金銭さえあればなんとかなると──ここらへんは社会経験のあまさからか──までおもっていた。
 月も隠れる新月の夜、行動を孤児院の金庫から盗んだ金と食料を手に孤児院から抜け出す。草木に扮するような服を使って視覚的にも見つかりにくい工夫も凝らした。すべてにおいて完璧だった。
 相手が普通の人間だったらの話だが。
「《ワーディング》」
 何かがそのような言葉をつぶやいたのまでは覚えている。空間を取り囲むように広がったソレを知覚した瞬間、僕たちの意識はぷつりと切れた。




「おい、起きろ」
 低く野太い声とともに目を覚ます。頭痛を覚えながら目を覚ます……真っ暗な部屋?で抵抗できないように両手両足に枷がつけられていた。低く野太い声はどうやら目の前の大男からのものであり、醜悪なみためをしている。あまりの容姿に目を逸らす。
「こっちをみろボケが」
 右頬に衝撃が走り、その後燃えるように熱を帯びた頬が痛みの信号を脳に送る。頬をひっぱたかれた。目尻に涙がたまるが流してたまるかと低く野太い声の男をにらみつける。
「へっ、あの糞ボケども子供達しょうひんに気づかれちゃあ世話ないぜ。おかげさまで俺たちがわざわざ出迎えなきゃならなかったじゃねぇか」
「………どこでバレた」
「気の強い嬢ちゃんだな、そういうの嫌いじゃないぜ」
「うるさい」
「せっかくだから教えてやるよ……最初からだ」
 それから男は下卑た笑みをしながら饒舌に語る。準備していたものをどこから調達したのか、どのように察知したのか。
 何が完璧な計画だ。人身売買をしている大人達くろやろうどもだ。商品が抜け出さないようにするためにあらゆる対策をしているのは普通であろう。冷静であったつもりが頭に血が上り続けていたようだ。こんな単純なミスをするなんて。
 その時、おそらく隣の部屋であろう場所から聞きなれた叫び声を聞こえた。……焔のものだ!
「おい!!!!焔に何をした!!!」
「ああ?簡単だよ、二度とこんなことしないようにお仕置きをしているんだよ」
「ふざけるな……こんなことをしていいわけがないだろう」
 再び頬に衝撃が走る。
「誰も見ていなければ問題ない。大丈夫だ、真っ当な人間をさらってやってるなら非難されてもしょうがない。だが、お前らは屑どもから産まれた屑だ。屑は屑らしく」
 三度頬に衝撃が走る。
「俺たちのいうことを」
「かはっ……!」
 胸に蹴りを入れられる。肺が潰されたようかのような衝撃に一瞬意識が飛ぶ。
「聞いとけばいいんだよ!!!」
 無力だ。今、僕はこの醜悪な獣にいいように弄ばれている。
「おらおら、寝てる暇はねぇぞ糞がき!!!」
 無力だ。隣でも同じようなことをされている焔の叫び声が聞こえる……。
「おねがい……します」
 ならばできることは一つしかない。
「僕のことはいいです……焔のことは許してください……何でもしますから」
 力がないなら恭順するしかない。例え辱められても仕方がない……もう、僕の大切な人は失いたくない。二人しかいないのだから。
「本当に面白いやつらだな。二人とも同じことをいうなんてな。いいことを教えてやるよ」
 焔は僕よりも先に目を覚まし、そして僕よりも早くこのような暴行を受けていた。そして、同じように懇願したのだ。
「だが、約束を護る必要はねぇよな?いや、むしろ少しの間だけ我慢してあげただけでも優しいわなぁ?」
 無力だ。こんなこと許されていいわけがない。こんなこと許していいわけがない。
「馬鹿なやつだぜ、あの男はよぉ……確か焔っていったか?女みたいな名前だな?」
「お前が焔を馬鹿にするなぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 力が欲しい。それが無力な僕が全力で願った欲望ものだった。
 それはどこかの遺跡で発見された未知のウイルス。数年前に世界中に拡散し、その感染者はほぼすべての人間とまで言われている。それは力を与える、人を超えた存在オーヴァードとしての強大な力を。
 燃えるような激しい怒りの心とは対称的に手に触れたすべてのものが凍てつくような世界。
「くそ、こんなところで覚醒だとぅ?……しょうがない。本気で教え込んでや────」
 男が何かを言う前にその体を切り捨てる。生成された氷の刃は不完全なもので武器として成り立たないものだった。手刀。僕が選択した刃を模したそれはいとも簡単に男の身体を切り裂いた。
 直後、隣の壁が崩れもう一つの肉塊が飛んでくる。
 僕とは対称的にそれは呼吸ができぬほどの熱を持っていた。それはゆっくりと動き僕の視界にはいるまで近づいてくる。燃え盛る炎が熱を帯びているのにも関わず、彼の────焔の瞳は酷く冷徹だった。
「……涼」
「……焔」
 お互いの名前を呼んだ。それだけで十分であった。やることは一つ……ここからの脱出。
 しかし、それをさせないように現れる組織の者たちはそれぞれ完全な武装をし、中には獣のような姿にまでなったものまでいた。
「焔!!!」
「わかってる、涼!!」
 無我夢中であった。目の前の敵を一撃で切り捨て、持っていた武器を奪いさらに連撃を行う。手を止めては。勢いを殺せば終わる。だから、たとえ化け物になっても仕方ないと思えるぐらい命を燃やし敵と戦う。不思議だった。決してこのような戦闘などしたことがなかったのに体がイメージ通りに動いた。
 どれくらい時間が経過しただろう……死屍累々ともいえるほど組織の人間の死体がそこら中に転がっていた。僕たちは満身創痍でたっているのもやっとの状態……あと一人倒せば……そう思いお互いに一人の男を見つめていた。
「………まったく、糞餓鬼どもてめぇらのせいでめちゃくちゃだ」
 その男はおそらくここの長のようなものなのだろう。さきほどまで戦っていたやつとは桁違いの圧を感じる。例え万全の状態で戦ったとしても………。
「ぶっ殺す。覚悟しやが────」
 強烈な圧を飛ばす男が一瞬視界から消え失せる。それは瞬時に近づいた、というものではなく誰かによって蹴飛ばされたというのがただしかった。
「おっじゃまぁ」
 それは一人の男だった。赤い瞳に筋肉質の身体、銀色の髪をリーゼントヘアー。あげるならいくらでもあるな身体的特徴を全て黙らせる不遜な態度はその男の自信によるものなのだろう。
「貴様……何者だ!!」
「あぁ?てめえに名乗る名なんてねぇよ、オレたちの縄張りしまでよくもまぁ好き勝手してくれたなぁ?ああ?」
「意味の分からないことをほざくな、邪魔するのであれば……死んでもらう!!」
 組織の長は強烈な光源を集める。高エネルギーの集合体であるそれはここにあるもの全てを破壊するに足りるほどのものであった。背筋が凍るようなそれに僕も焔も身動き一つとれないでいた。
「はははは、怯えろ怯えろ。それが弱者たちに許された特権だ!神から受け取ったこの一撃を喰らい速やかに死に曝せ!!」
 高エネルギーの集合体はそのまま全てを巻き込みながら迫りくる……気が付くと僕は焔の手を握っていた。あっけない最後だった。だが、人生というのはこんなものなのだろう。お互いに顔を見合わせゆっくりと目を閉じ────。
「何、死ぬ気でいるんだ。国民おまえらはこのオレが護る、目を閉じずにしっかりと見ておけ!!」
 男はそういうと胸を叩きそして高エネルギー集合体の前に立ちふさがる。男が手を無造作に振るうと、まるで何かに押し縮められるように別の力が働き小さくなる。そのまま、それに向かいどこから取り出したの槍を構えると助走をつけた投擲を繰り出した。
栄光と勝利の槍ゲイボルグ・アサイラム!!!」
 圧倒的な力には圧倒的な力で返す。そうとしかいえないような一撃は高エネルギー集合体をかき消し、組織の長の心の臓を貫いた。
「ば……かな」
「残念だったな、お前の神の力とやらはオレの力には及ばなかったみてぇだ」
 槍を回収し止めを刺すと男は僕たちを見る。
「よく見たらお前らオーヴァードか?」
「オーヴァード?」
「なんだ、覚醒したてかよ……。めんっどくせぇな」
「エリヒト。なにをしてる」
 急展開に次ぐ、急展開に脳の処理が追い付いていない僕たち。死を覚悟した一撃をあっさりと迎撃した男はフードをかぶった謎の人物にエリヒトと呼称された。
「お、シオンちょうどいいとこに来た。覚醒者だ連れてけ」
「……まったく人使いが荒い王様だ」
 シオンと呼ばれたものは僕たちのところまで来ると優しい声色で喋る。
「俺たちはスラム街の王国すらむきんぐたむこういったFHの実験施設で囚われた子供達を助けているんだ。ああ、FHとかそういった話はあとで教えるから悪の組織っておもってたらいい」
「は、はぁ」
「あと、俺はシオン。よろしく、キミ達は?」
「夜宵焔」
「氷咲涼」
「涼に焔か……いい名前だ。その名前が呼ばれるかは別としてね」
「?」
「いずれわかるときがくるからさ……さて、キミ達身寄りのない子供たちは俺たちが保護する……いや、救済する。もし、良ければ一緒についてきな。悪いところじゃないぜ?」
 その日の邂逅は今の人生を決定づけるものだった。
「おい、シオン。それと国民さっさとついてこい。王から離れたら守れねぇからよ」
 この傲慢不遜な男鳴神エリヒトとであってから。

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