容姿・経歴・その他メモ

　私は黒執家の当主。けれどその実権は父上に握られているわ。それが子供の時から不満にだった。私は父上のお人形じゃないんですもの。この感情は父上に伝わっているようね。肉親だけど関係は冷たいもの。あの人も私は娘ではなく権力行使の道具なんだわ。
　だけど父上の権力は絶大。黒執家の実権を内から握るのは不可能。だから私は政界に私個人のパイプを作るためにヒーローになったの。寄付金に物を言わせて魔法少女組合に入らせてもらったわ。
　長年の活動が身が実りベテランヒーローと称されるくらいになると別れも多かった。任務の途中で命を落とす子、家庭に入っる子、年齢的にあの衣装は辛いと言う子。様々な理由でお別れした。
　ただ気がかりなのが二つ。引退した者の中で音信不通の子がいるの。そんな子じゃないはずなんだけど。
　もう一つは落命した魔法少女の最期の記憶が無いこと。一緒の任務だったのに最期を覚えていない。
　それだけじゃない。私に挨拶も無しに引退する子もいた。そんな薄い関係じゃないと思っていたんだど...。
　調べても調べても足取りは追えなかった。その代わりに魔法少女じゃないヒーローにもそういったことが発生していたことが分かった。
　音信不通になった子達の手掛かりを掴むために監察官になった。これでヒーロー達を堂々と監視できる。けれども手掛かりなんて全然見つからない。それどころかいくつもの私の陰口を知ってしまうだけだった。『もう少女じゃないだろ』『アラサーでその格好はキツいだろ』『魔法BBA』『魔女』
　もう、疲れた。私はそろそろ引退しよう。そう思っている。父上のお人形にでも戻ろうかな？　もうお人形になるには随分と年をとったからそれすらもできないかな？
　会いたい。あの子達に会いたい。またあの優しい笑顔を、輝かしい夢を見せてくれるかな？　引退したらあの子達にまた会えるかしら？

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前のコードネームは『ムジカ』
今とは違い音符や五線譜をイメージした衣装で四人の魔法少女で活動していた。
しかしチームメイトのリーダーが音信不通になったことを気に解散。残り二人も引退する。
その後も四人のチームを組むがその度に誰かが音信不通か死別して解散を繰り返す。
何度も解散し死を含む別れを経験する内に彼女はコードネームを変えた。自分が彼女達を終わりに導いてしまったのだと思うようになったのが理由。

かつてのチームメイト達にメッセージを送るのが日課。それは日常の楽しかったことなどとりとめないこと。だけど彼女達が楽しそうに話してくれたこと。
既読はいつまで経ってもつかない。それでも彼女はトーク画面を開き、返信を待ち続ける。

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