経済界や政界など様々な分野に大きく影響力を及ぼしてきた名家入間家に生を受ける。
しかしながら当主との愛人の子どもであり、周囲から酷く冷遇された幼少期を送る。
その中で腐らず今でも生きてこれたのは、5つ年の離れた腹違いの兄である藤一の優しさが、接し方が大きく影響している。今でも藤一は彼の中で尊敬する人間であり、彼の在り方の根幹に関わる人間である。
10代の頃、重篤な肺炎で母親を亡くしたのと同時期にオーヴァードに覚醒。厄介払いのごとくUGNに焚き付けられ、チルドレンとして活動する。任務の中で何度も死地を潜り抜け、心身を擦り減らし、そして遺産の力を手にした。
引き換えに藤一と関わる時間は減っていき、徐々に疎遠になっていった。兄が政治家として華々しい地位に着いたのを知ったのは新聞の中であった。
そして藤一の死を知ったのはニュース速報でだった。党の祝賀会へ向かう途中で車両事故に巻き込まれ、婦人と共に命を落としたとのことだった。
自分の中に埋めようのない穴ができたことを感じた。

藤一の死から数ヶ月後。彼の元を1人の少女が訪ねて来た。西条桐枝と名乗る少女は、なんと兄の藤一の娘だと言う。最初こそ微塵も信じられなかったが、戸籍謄本と身分証明書、そして藤一からの遺言状で信用するに至った。
遺言状には玄治の身を案じる言葉や、家の中で守ってやれなかった悔悟の念が綴られていた。そして自分達の身に何かがあったら娘を頼むとも綴られていた。

藤一の死から半年後、奇妙な共同生活が始まる。
数年振りに役所に訪れ諸々の申請を済ませ、少し広めのマンションに引っ越す。
UGNの戦闘の最前線からはやや退き(とは言え慢性的な人手不足故に参加することも勿論ある)、子育てに時間を割くように至った。