要・アーキュライターの経歴を明らかにする詳しい資料はUGN本部にも存在しない。
彼の特技は“情報操作”と“記憶処理”である。

本人が語ることを信用するなら、彼は肉親を早くに亡くしており、出身国の習いに従って修道院で育ったようだ。
(なお当該施設は数年前にFHの活動が確認されたため、現地のUGN支部の工作により現在まで閉鎖されている)

彼の功績として最も知られているのは、非オーヴァード用携帯式記憶処理装置の開発への貢献だろう。
この革新的な装置の誕生により、真相を知りすぎた一般人への対処の度に膨大な手間と時間を割いていた哀れなUGN職員たちは、子供の誕生日には家に帰ることができるようになった。
彼はその開発過程において、実地データの収集とソラリス保有者としての考察提供による多大な貢献が認められている。

UGN日本支部長、桐谷雄吾は、要・アーキュライターの実地データの入社経路に関する報告に不可解な点が数多く見られる件については、目を瞑ることにしたようだ。この決定に際して行われた会談の記録は残されていない。

現在、彼は端的に言って、健忘症を患っていると考えられる。彼が「忘れた」と主張する事柄に関して、(嘘発見器を用いた検査結果を鑑みても)彼は本当に忘れている可能性が高い。
彼は確認できる限り最初の活動記録の時点からソラリスの能力を駆使した記憶操作を得意としており、彼自身も何らかの理由でその影響下にあると思われる。

任務に際して、当該エージェント単体の戦闘能力は皆無に等しく、また彼が報告する内容は上記の理由から信ぴょう性に欠けることから、他のエージェントと共闘することが多い。