名家の重圧や特異点による凶運体質と隔世遺伝による金髪碧眼のために周囲になじめず、中学卒業まで引きこもり気味であった。
オンラインゲームの友達は当時唯一の心の安らぎであったが、彼らのアドバイスで高校入学を期に親元を離れる（≒縁を切る）ことを決意。
渋谷の学生寮で一人暮らしを始め、社会（？）デビューを果たし、現在は日々をそれなりに楽しく過ごしている。
はオンラインゲームのハンドルネームは森の人。

Die Bremer Stadtmusikanten［ディ・ブメーレル・シュタト・ムズィカンテン］…ブレーメンの音楽隊
Der Freischütz［デア・フライシュッツ］…魔弾の射手
Erlkönig［エルケーニッヒ］…魔王
Schneewittchen[シュネーヴィットヒェン]…白雪姫
Zauberer[ツァォベラァ]…魔術師

わたくしの人生は波乱万丈の一言に付きました。
朝の通学路で強盗に人質にされ、学校内の立てこもり犯と遭遇し、家の資金目当てに誘拐される日々。わたくしはただ黙って厄災が過ぎ去るのをじっと待つ他ありませんでした。諦念に近い感情を抱いておりました。
実家を飛び出し、渋谷に着てからはそういった災難はしばらくなりを潜めておりました。だから忘れかけておりました。
わたくしはずっと戦う力が欲しかったのです。人生に降りかかる災難に抵抗する武器が欲しかったのです。向けられた銃口に対し銃口を向ける権利が欲しかったのです。
覚醒したあの日、わたくしの手にはその全てがありました。盛大な嘘と言葉と飛び交う銃弾の中でわたくしは手に入れた武器を遠慮なく放ちました。さながら真っ赤に焼けた鉄の靴を手に入れた白雪姫のようでした。いえ、凶弾に倒れ一ヶ月眠り続けた姿はまるで白雪姫だったのでしょう。無垢で嘘を知らない真っ白なお姫様。ですがわたくしはあの日、大いなる嘘を知りました。理由が保身でも利用でも構いません。貴方の嘘によってわたくしは力を得た、その真実一つで十分なのです。

でも今回は貴方が白雪姫のようですね。わたくしは王子様ではないので、少々乱暴に貴方を叩き起こすことにしました。
なので少し待っていてください。真っ赤な毒リンゴには真っ赤な靴を。銃口には銃口を。
善人に化けた魔女には死ぬまで踊ってもらいましょうか。