遥か昔から現代まで生き続けているレネゲイドビーイング。幾度となく名前を変え容姿を変えて生きてきた。
　かつてはただの人間であり、オーヴァードですら無かった。が、ある時偶然にも『遺産』を手にした。覚醒する事はなかったがそれを家宝として死ぬその時まで手放さなかった。その為に『遺産』はRBとなった。それだけに留まらず、寿命を全うし生を終えるはずだった薬時を飲み込みオリジン:ヒューマンのRBへと覚醒させた。老体だった肉体は分解されレネゲイドが新たに構成した結果、薬時本人の自我と記憶の全てを残すこととなる。その際その『遺産』と同化した上、そのRBと共生する事となった。そのRBを通してエフェクトを使用するためか共生しているにも関わらずRBの意志が強く、自身の行動に干渉される事も少なからずある。
　RBとなった後暫くは第二の生を楽しんでいたが、親しくなった者達との死別、自身の力による迫害や恐怖される事が多々あった。次第に死なない事に絶望し、ただひたすらに世界を彷徨った。自害をしようとしてもRBに止められるだけではなく、オーヴァード特有の不死性により何度も蘇る。何度か繰り返し自分では“終われない”事を完全に理解してからは、ジャームや敵対するオーヴァードと交戦するようになる。が、目論見が成功した試しは無い。終わる事は許されず、狂う事すら認められないまま長い長い時を彷徨い続けていた。
　そして、現代。20年前に偶然日本に訪れ数年彷徨っていた最中ヴィランズイヤーに巻き込まれ、陰ながらヴィランと戦っていた。そんなある日偶然フォーリンラブと出会った時にUGNのエージェントと遭遇。襲われそうになっていると勘違いされた事により助け出され、それがきっかけでRBである事や遺産保持者である事が判明。正式にヒーローとして登録することなる。
　以降、彼は自身の幕を引いてくれるヴィランに出会う為に日々ヒーロー活動を続けている。…そして出会うその日までは、ヒーローとしての役割を全うすると誓った。そして彼は今日もまた人々を護る為に影を行く。…内なるdestrudoを秘めながら。