短気でイライラしがちなF市FHセルリーダー。「BAD BUDDY!!」PC2。
流れる血はマグマのように熱く煮えたぎっており、「サラマンダー」の血が濃いタイプの亜純血。

彼がリーダーをしているセル「カルドロン」は武器製造と流通に特化しており、FHセルだけでなく一般人の「その筋」界隈や、全国にも武器を輸出する大規模セル。しかしてその実態はUGN・FH・現実そのものに恨みや復讐心、破壊衝動を持つ者で構成されたテロ組織である。

セルにある巨大な溶鉱炉や自身の燃え滾る血を武器にして戦う様から“獄炎の獄卒官”と呼ばれるようになる。

戦う力がなければ弱者は踏みつぶされるだけで、蹲ってても祈っても、助けを待つのもクソ無駄なことだって分かってんだろ。
ならオレたちが力を与えてやる。自分だけを信じろ！踏み返せ、ブチ壊せ、反逆しろ！

両親共にFH構成員で、ロバート・ショートの実験体に差し出された子。NO.08。当時は小さな火花しか出せず失敗作扱いされていた。
そんな中いっしょに収監されていた実験体の子と友人になる。苦痛と陰鬱とした日々の唯一の燈火だった。
元来の性格は臆病で泣き虫。友人を「ハル」と呼び慕い、強くて勇敢なヒーローのような彼に強く憧れを持つ。

ある日、研究所がUGNに襲撃される。その際に友人だけがUGNに連れていかれ、大人になり再開した彼はUGNに洗脳され綺麗サッパリ別人のように自分のことを忘れていた。

結局信じれるものは自分だけだった。嘘つき。
記憶のないお前はハルの偽物だ。
偽物も、ハルをこんな目に合わせたUGNもオレたちを散々弄ったFHも、弱者に厳しい凍てつくような世界も何もかも燃やしてやる。
オレの灯は消させない。

元来の願いは「ハルさえいればいい」だったはずなのに、いつしか巨大なセルを背負うようになり、構成員からは革命の旗印として狂気的なほどまでに崇められるようになる。完全に目的と手段が入れ替わってしまった。

自らこのセルを立ち上げた重責、今まで破壊してきた数多の組織や人間。百鬼の革命に期待をして溶鉱炉に身投げをするほど構成員からの狂った羨望と期待、どう考えても自分たちではUGNの全力には敵わないという理性的な結論、リーダーとして誰にも弱みを見せられないプレッシャーに苛まれてしまう。彼はFHのセルリーダーとして致命的なほどに自己評価が低く、良識的すぎたのだ。

彼の精神は決壊し、ジャームとなる。
本能的な性格になると言われるジャームになった彼はただ「死にたく無い」「もう嫌だ」「ハルだけいればいい」「ごめんなさい」と泣き叫ぶ無責任な子供でしかなかった。

「ハル」みたいなヒーローになりたかっただけなんだ。
…ああ…そっか。「ハル」の偽物はアイツでもなく、僕だったんだ。