容姿・経歴・その他メモ

　「ご飯ができたよ、どうかな、美味しい？」

A new human being that eliminates unnecessary things

　食欲＿無駄、味覚＿不要
　睡眠＿無駄、休息＿不要
　生殖＿無駄、性欲＿不要

　UGNのチルドレン養成施設の最左翼。ウルトラヴァイオレット率いる「No Get Anything」にて生産されたエージェント。
　ウルトラヴァイオレットによって打ち立てられたチルドレン養成理論「No Get Anything」は、
　人間の三大欲求の尽くを否定し、効率の追求とジャーム化の抑制を試みた斬新な方針であった。
　徹底した洗脳教育の到達点は、物質的な欲望の完全な消滅＿＿＿＿外科施術的な肉体の機械への置換である。

　脳内物質の適切な循環機能による、睡眠欲と必要性を排除。
　生殖器の排除とホルモンバランスの調整による、性欲と自己顕示欲の排除。
　味覚の完全剥奪と高効率流動食による、食事のほぼ完全な排除。

　方法は脳と脊椎の一部以外のほぼ全ての完全な機械への置換。
　同期としてロールアウトしたチルドレンは4名。
　彼を除く全員が改造後1週間程で発狂し、脳の細胞の自己崩壊によこの世を去った。
　



　発狂する間際、同期の一人が彼に言った。

「一体、僕達は、なんなんだろう？」

　脳の機能の崩壊により意味の無い痙攣をくり返しながら、彼は何度もそうつぶやいた。
　その言葉は、唯一正常な機能を保っていた彼のニューロンに、様々な機能が排除された真っ白な荒野の様な彼のニューロンに、一欠片の混沌をもたらした。
　
「一体、彼等は何だったのだろう？」

　己達に刷り込まれた共同体への奉仕という概念。
　人々が幸せに生きる社会を、秩序を護るという大義名目。
　だけれど彼等は何にもならず、無意味に、痙攣しながら崩壊していった。

　これは、無駄ではないか？
　彼等は、惨たらしい目に合ったのではないのか？
　この行いは、悪ではないか？
　彼等は、可哀想ではないのか？

　一度芽生えた疑念への養分は、それこそ周囲にいくらでもあった。
　芽生えた疑念は花を咲かせて、やがては熟れて実を結ぶ。
　
「僕は、僕の存在を賭して僕の目的を完遂する」

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