身長が周囲の人間と比較し低めな事を気にしてはいるが、発育自体は割と優秀な少女。
本来は黒髪ではあるが、オーヴァードとなった際に髪から色素が失われている。

身長に対し優秀な発育を気にし、服の下でサラシを撒いて貧相な育ちと偽っている。

昔...と言っても、2年程前以前の記憶が殆どない。
親戚に聞いても自身を蔑み、何一つ教えてくれなかった。
残っているのは、両親の遺産と、家と、呪われた刀と、自身の体に染みついた刀を振るう技術だけ。
半ば抜け殻のような気持ちを抱きながらも、記憶の片隅に残る友人の姿だけが自身の心の拠所だった。

精神力を削りながらも平静を装い、高校生活を迎えた。
そこでは友人も出来て、勉学なども特に問題なくこなし、平和な生活を送っていた。
ただ1つ、やはり失われた記憶だけが引っかかっていた。

両親は既に他界しているが、気高く黄金の精神を持つ者だった。
その血を受け継ぎ、調子に乗り出すこともあるが、至極真面目な性格。
切迫すると多少性格が荒々しくなるのは、過去の自分か、それとも自身に眠る獣の姿か。

記憶の片隅に薄らと残っているのは、父から刀の技術を教わる自身の姿。
父が示現流を極めている者だということは、今の彼女は知らない。

え？なんですかそれ？
自分から名乗る？？恥ずかしくありませんかそれ？？？

体に染みついた刀を扱う技術で戦う。
居合の技術は他の者の追従を許さない程であり、常人が到達できる限界点にこの齢にして到達している。
が、あくまで常人のお話。

余りの高速の太刀筋に刀身を何人も見ることは出来ず、聞こえてくる音は肉を引き裂く音と鍔が鳴る音だけだ。

記憶がはっきりとした時から既に身の傍に存在していた。
遠くに置いておこうが、適当な川に捨てようが、気付けば自身の身近に存在しているのだ。
鞘には無数のお札が張ってある...恐らく、引き抜いて刀身を見る機会が訪れれば何か不味いことが起こるのだろう。
だから普段は家にあった刀袋に鞘ごと収納し、自宅に厳重に保管してある。
まぁ、時々学校にいる時にいつの間にか身近にあるのだが...鞘の状態であるよりかは断然マシ、剣道部と思われる方がまだいい。

いざという時はこちらを用いて戦う。
抜いたら不味い？一瞬で斬って納刀すれば、それは抜刀してないのと同じことですよ。

本人は気付いていないが、目覚めても居ない力を利用して時間の流れを遅くし、鍛錬の時間を数十倍以上増やしていた。
本人は其の事に対し『集中すると周りの時間がゆっくり流れる風に感じるじゃないですか？あれです。』とのこと。
時々無意識に時を操っていることにも気付いていないらしい。

父の奥義『一の太刀』を習得した上で自分流のアレンジを加えたもの。
本来、一撃必殺であり、体の負担も考え連発できない奥義なのだが、体の負担を抑えつつ高い攻撃力を持つ一閃の剣戟へと変更。
これによりコンスタントに放つ事ができる奥義へと姿を変えた。
...初代は人間にして殆ど神の領域に足突っ込んだヤバい人と聞くので、それに比べれば優しいでしょ。

本人は気付いていないが、時を止めている。
本人的には、体に負担をかけて行う断命剣的な位置づけ。
これを行うと何故か全員呆気に取られた顔をするのだが、皆さんが遅いだけでは？