容姿・経歴・その他メモ

神城グループ会長、“｜夜明けの使者《デイブレイク》” 神城 早月の秘書を務めている女性。
普段は社内政治の根回しと、UGNとの連絡役、会長の身の回りの世話などが主な業務。

かつて、実の妹である不知火 燈香をレネゲイド災害で失った。
温和で掴みどころのない性格の姉とは正反対で、負けん気が強くて聡明な妹であった。

妹を失った事件の記憶処理に、綻びがあったのだろうか。
“事故”として処理されたその一見に、文女は若干の違和感を抱き続けた。
――あれが事故ならば、記憶にこびりついたあの笑い声は、一体誰のものだ？

彼女はその違和感の正体を明らかにすべく、全国各地で起こっている不審な事件を、単身で追ってゆく。
レネゲイドと世界の真実へと辿り着くのに、そう時間はかからなかった。
UGNからスカウトを受けたこともあった。だが、妹の死を長年隠蔽していたUGNに、素直に従うというのも癪だった。
悪戯に世界の真実を広めることはしない、とUGNには釘をさした上で、
保身のため、レネゲイドの研究を行っている民間企業「神城グループ」へと自分の能力を売り込んだのだ。

「自分は幼い頃にレネゲイド災害を生き延びた素体だ。
　実験道具にしてくれてもいい。だから、力が欲しい」

――激痛。身体のあちこちが悲鳴をあげている。
頭の中が沸騰しているかのように熱い。
体の奥底が凍えているかのように寒い。
瞳の先が明滅する。乱反射する光がチカチカと、モザイクだらけの役に立たない情報を脳に流し込む。
頭が冴える。思考の速度が光の速さに近づく。永遠にも思える時間が経過する。

『おめでとう。実験は成功した。君は56番目だよ。』

彼女はオーヴァードへと至った。そして《ワーディング》耐性を獲得した彼女は、漸く知る。仇敵の正体を。
――｜最後の審判《ラスト・ジャッジメント》。奴は各地で、幾度もレネゲイド災害を起こし続けている“ジャーム”だ。
妹を失い、自らも巻き込まれたあの日のレネゲイド災害。ジャーナリストとして追いかけた、似た事件の数々。
すべての証拠が、奴の存在を示していた。

｜最後の審判《ラスト・ジャッジメント》とは幾度も死線を交わしたが、未だ決着をつけられていない。
奴が起こすレネゲイド災害の傾向。次に起こり得る位置の予測。彼女の嗅覚は研ぎ澄まされていた。
いつか、この手で必ず決着をつける。だが、文女にも立場がある。常に奴の動向を追い続けるわけにはいかない。
そこで文女は、これらのデータをUGNにも売り込んだ。見返りは、レネゲイド研究の情報と人材だ。
彼女が神城化学工業へもたらした恩恵は、神城グループの利益を大幅に上昇させることとなり、
神城 早月が会長へと就任した際、彼女からは秘書として直々に任命されたのは道理であった。

若く聡明で、負けず嫌いで、使命感の強い早月会長を見ていると、どこか妹のことを思い出す。
――もう、二度も失うのはゴメンだ。

過去との決別――妹の敵である仇敵、｜神を気取った狂信者《ラスト・ジャッジメント》を討ち、
未来への理想――神城 早月がもたらす｜夜明け《デイブレイク》を見届けるのは、
夜の王である｜悪魔《グレモリィ》の役目なのだから。

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