設定

BEGIN SaiinRui_Module
　　LOAD Renegade_data FROM "Inhuman.inHuman Database"
　　IF Renegade_data.goal == "Become Human" THEN
　　　　SET mission_status = "Active"
　　ENDIF
　　DISPLAY "SaiinRui Initialized."
END

「───信じられるか？Ｒ担では、ひとでなしを匿ってるんだと。
　しかもそいつは血も通っていないくせして、自分を人間だと宣ってる始末だ。
　まったく、いつから｜警察《ウチ》は稚拙な演劇の舞台になったんだ？」

─────部下に吐露する“ウォーキング・アニマル”｜棟居誠司《むねい・せいじ》

プロフィール

概要

「この事件、不肖 斎院累が担当させていただくこととなりました！
　必ずや、事件を解決に導いてみせるであります！よろしくおねがいします！」

　警察内部の親ＵＧＮ派が設立したレネゲイド関連事件担当独立捜査課、通称“Ｒ担”の刑事。階級は巡査。そしてレネゲイド関連事件を解決する立場でありながら、その正体はレネゲイドそのもの───いわゆる、レネゲイドビーイングと呼ばれる存在である。

　中性的な容姿だが、書面上では男性。年齢も実際は２桁にも届かないが、知識は豊富で書面上の年齢である24歳と同程度の精神年齢である。

容姿、外見

　華奢な少年のような体と可憐な少女のような顔が特徴。まつ毛の長いたれ目気味の半眼で虹彩は紅色。髪はアッシュグレーの短髪。顔つきからどことなくダウナーな印象を与えるが、実際は感情豊かで表情もよく変わる。バストにはほとんど起伏がない。
　服装はフレアの袖のパンツスーツにストライプ柄のワイシャツとサスペンダーを着用している。身分を隠していない場合は制帽をかぶっておりスーツ襟にバッジをつける。制帽は斜めにつけることが多く、決まって右側（向かって左側）に鍔を傾ける。職務次第では制服を着ることもあり、あまり着崩すことはない。パソコンのパーツを模したピアスを着けており、デザインはＲＡＭを模したものである。
　総じてボーイッシュで中性的なファッションであり、マニッシュやメンズライク、フェミニンやガーリッシュなファッションは好まない傾向にある。あくまで傾向でありスカートを履くこともあり似合いはするが、ほとんど上述のスーツ姿でいるためそういった服装を見る機会は極稀。

性格・人物像

　基本的に融通の利く真面目な性格。おおらかで、多少失礼を働かれても気にせずすぐ忘れてしまう。口調はどんな相手に対しても敬語で、「～であります」が口癖。物腰柔らかで笑顔でいることも多く、印象も良く捉えられがちだが、人によっては含み笑いのように感じることもある。本当に信用している相手に対する態度として、握手する際に指輪を外す。
　職務に対しては勤勉で、実働部隊として臆することなく誰よりも率先して動こうとするため、上司や同僚たちからの信頼は厚い。また、挨拶をとにかくハッキリと大きな声でする。しかし、警察組織内部にも一定数いるレネゲイド排斥主義者やオーヴァード差別主義者───特に、同じ警察組織に属する特殊犯罪調査室、通称“特調”の一部面々からは蛇蝎のごとく嫌われている。そういった者たちには、人間のフリをするのに必死で滑稽な“ひとでなし”と称されている。

　前述した通り、それはレネゲイドビーイングである。にもかかわらず、それが人間のような姓名を名乗るのは偏にそれ自身が「本当に人間になること」を望んでいるから。いわば、『斎院累』という架空の人間の役を演じているレネゲイドビーイングなのである。ほかのレネゲイドビーイングと違わず、自身をレネゲイドだと認識はしている。
　過去に人間に取り入ろうと経歴を偽っていたこと、謎や隠し事の多さ、レネゲイドビーイングという正体そのものから懐疑の念を向けられることも少なくないが、それの言葉には、何の謀略も含まれてはおらず、ただ“人間”になるために、人のためにあろうとしているだけである。
　それが直向きに職務を全うし続けるのは、それを周囲に証明するためである。あるいは、それこそが自らの生まれた意味なのかもわからない。とにかく、いつか人間たちと対等に肩を並べられる日が来るかもしれないのなら、努力を惜しむ理由なんてありはしないのだ。

　人間に強く期待し、信頼している故に、その人間に裏切られた場合はとても悲しむ。しかし、警察官としての職務を果たすため、その手が悲しみで揺らぐことはない。ただ例外があるとするなら、その裏切りや悪行に隠された真実や信念があるとそれが確信、あるいは疑った場合、人間への興味関心という本能にも似た衝動から、警察官としての責務に反する行動も行なうかもしれない。しかし現状、その例外に前例はなく、それの人間の審美眼は確かなものである証左である。

　それが望む人間像は特別なものではない。どこにでもいる、誰かにとっての「通行人Ａ」こそがそれにとっての理想である。

能力、技術

「叶うならばこの能力、使いたくはありませんでしたが……致し方ありません！
　少し眩暈がすると思いますが、どうかおとなしくなってほしいであります！」

　ソラリスのシンドロームを持つ｜純血種《ピュアブリード》のオーヴァード。
　体内で精製した薬品を周辺に散布することで相手に様々な効果を及ぼす。空気中に舞った薬品はいずれも鮮やかな色で、光を反射する特徴がある。吸引した際に見える幻覚も相まって、その様は視界にスノーノイズやグリッチノイズが現れるようである。
　“｜申し子《セレクティッド》”と称される強力なオーヴァードのひとりだが、それ自身のなるべく人間でありたいという望みから、能力の使用頻度や出力は抑えられている。しかし、本格的にその能力を活用することでかなりの危害を加えることが可能。また、練度不足故に広範囲に散布すると濃度が急激に落ち、攻撃性がほとんどなくなってしまうため、攻撃対象は個別に定める必要がある。
　また、刑事としての調査に活かすために交渉術に長けており、薬品もそれを援けるための効果のものを精製する頻度が多い。攻撃の際にもそうした技術を活かし、暗示のようにして薬品の効果を促進させる。交渉術の所以にはその出自も含まれており、遠慮のないその攻撃は生半可なオーヴァードやジャーム程度であれば、精神を乱され発狂してしまうこともある。

　オーヴァードとしての能力以外では、そのとにかく直向きな職務への真面目さが挙げられる。仕事であれば嫌な顔ひとつしない。これは単純に、それが仕事を「嫌なこと」とはまったく思わず、むしろ自らがやりたいことそのものであるから。そのため、正義心が強いというよりは利他主義なだけである。
　また、意外だがパソコン作業は特別得意というわけではなく、どちらかと言えば直接現場まで行って話を聞くほうが得意。これは、起源が複雑なプログラムなどではなく、インターネット上の一般人たちの発言や意識からだからと思われる。その代わり、様々な趣味などに造詣が深く、浅く広く知識を得ている。また、細かい作業が得意で、緊張しても手が震えない。常にピンセットを持ち歩いている。身体能力は一般人と比べても並。当然、オーヴァードとは比較にならない場合が多い。その欠点を能力で補っているが、それすらも通じない、あるいは出し渋った場合、大した戦力にはならない。

経歴、過去

　その起源をインターネット、特に匿名掲示板やＳＮＳ（ソーシャルネットワーキングサービス）などの集合意識に持つレネゲイドビーイング。
　星の数ほどいる人間が、時には後先考えずそのときの気分を楽しみ、感情のまま交流をする様を見ていたそれは退屈とは縁遠い存在だった。そしていつかそれは考えるようになった。自らも人間のように、時には遊び、時には争い、時には共に手を結ぶことができれば、と。あるいは、既にその意思を抱くときにはそれはレネゲイドビーイングとして覚醒していたのかもしれない。が、そう強く感じたそれに呼応するように、レネゲイドビーイングとして覚醒するに至ったのだった。

　それが他のレネゲイドビーイングの存在を知るのもそう遅くはなかった。いくらＵＧＮの情報操作が優れていようと、それそのものを消すことができないように、ほんの一瞬でも流れた情報をそれは掴むことができた。ただ、その情報はそれにとって好ましいものとは言い切れなかった。
　自らと同じような存在が人間に危害を及ぼし、世界を侵蝕し続けている。この事実にそれは自己嫌悪に陥ることになった。自分は人間に憧れながら、人間に害を与える存在でしかないのか、と。
　しかし、であるならば自分は少しでも人を守れる存在になろう。ここでただ傍観するだけではなく、人に害を与える者がいるならば、それが仮に同胞であろうと歯向かい続けよう。そうすることこそ、自分の憧れた人間だ。
　そうして人の世に己が身を置くことを決意し、それは自己嫌悪を振り切ったのだった。

　こうして、それは人間と違わぬ身体、斎院累という名前、経歴という偽の情報を得て、人間の役を演じ始めた。
　人間を守るためにそれが属する組織として選んだのは警察組織。この正体を晒してＵＧＮに属することも考えたが、ゼノスという存在がある以上、レネゲイドビーイングに対する風当たりは強いだろう。何より、人間になりたいの願うならば、この能力は極力使うべきではない。それでいて人を守りたいと願うのであれば、警察組織を選ぶのは妥当であった。
　情報操作ですぐに警察組織に属することは容易だったが、信頼を得やすいようにとなるべく正規の手順を踏むことにした。通信制の大学に入学し、数年をかけて学士号を獲得。その後、国家公務員試験に合格し官庁訪問を経て採用面接を突破し、警察学校を経る。
　実にこの間に約５年が経過し、それにとって長く感じる月日だったが、出自を所以とする記憶力の良さや、確固たる目標を目指すモチベーション、そして人間と関われる環境は苦に感じるものではなかった。そして、ついに警察官の巡査としての地位を得ることに成功したのだった。また、警察本部に成績を評価され、交番勤務ではなく刑事課に配属されることとなった。

　しかし、この斎院累としての安寧の生活も長くは続かなかった。任を務めていた際に、予期せずジャームと遭遇。人間と偽っていたそれはシンドロームの力を使うわけにもいかず、同僚とともに窮地に立たされた。
　ジャームの魔の手が同僚に伸びる中、それの脳内ではずっと想いが巡っていた。少しでも多くの人を護るためにここまで来たのに、自分の我儘のために目の前の人間を見殺しにするのか？それが、自分の求めていた理想なのか？───そう考えたとき、それは既に動いていた。
　かくしてジャームの撃退には成功したものの、それがレネゲイドビーイングとしての正体を偽っていたことは他の人間にも知られることとなる。“特調”を始めとする一部面々は無抵抗のうちに処分すべきという意見を上げ、そうでなくとも身分を偽る者は警察組織において信用に足らないとするものがほとんどであった。それ自身、既に自らの望みは潰えたと意気消沈していた。
　そんな中、それに対して手を差し伸べたのが“Ｒ担”の新田吉影であった。監視下におくことなどのいくつかの条件をつけ“Ｒ担”で引き取る、と。周囲からは賛否両論だったが、それ自身が断る理由はどこにもなかった。自らが望む未来を、まだ追い続けられる。それ以上にそれにとって幸せなことはなかった。

　こうして、現在の“Ｒ担”の刑事である“ひとでなし”斎院累に至る。恩人である新田吉影に報い、人を救い、そしていつか本当の意味で人間として、遊び、争い、皆と肩を並べる。そんな、いつか(臨/望)んだ未来のために。

その他

BEGIN ShutdownSequence
　　CHECK mission_status
　　IF mission_status == "Active" THEN
　　　　LOG "Renegade in operation."
　　ENDIF
　　EXECUTE module_termination("SaiinRui_Module")
　　DISPLAY "Module Shutdown Complete."
END

ハンドアウト履歴

The Boundary of Conviction

ＰＣ１「朝日昇る影」
推奨ワークス/カヴァー:刑事/刑事
シナリオロイス１:新田吉影
Ｐ／Ｎ：尊敬／猜疑心
シナリオロイス２：笹鳴梨花
Ｐ／Ｎ：同情／憐憫
　キミはレネゲイド関連事件担当独立捜査課、通称「Ｒ担」の刑事だ。
　数日前に発生したオーヴァードによる殺人事件の担当に割り当てられ、被疑者を逮捕したばかりである。
　被害者の娘である笹鳴梨花の元を訪れ、事件についての調査をしていたところ、本部から通信が入る。「───警視庁本部より、勾留中のマル被が脱走。逃走先は浜島法律事務所。至急現場へと急行せよ」
　そしてキミは現場へと向かう。真実を突き止めるために。

刃孕むは八仙花

ロイス１：新田吉影（にった・よしかげ）
推奨感情　Ｐ：尊敬／Ｎ：猜疑心
ロイス２：久世みのり（くぜ・みのり）
推奨感情　Ｐ：同情／Ｎ：無関心
カヴァー／ワークス：刑事／刑事
　キミは警視庁レネゲイド関連事件担当独立捜査課、通称「Ｒ担」の刑事だ。６月。管轄内の公園で、周囲を真紅の紫陽花が取り囲み、肉が内側から裂け花弁のように開いた変死体が発見された。被害者はＵＧＮ所属の研究者、久世みのり。事件は「真紅の紫陽花事件」と称され、直ちにレネゲイド事案として指定される。キミは同課の刑事とバディを組むこととなり、この不可解な殺人事件の真相解明に乗り出すこととなった。

セッション履歴