仕事人間である両親の下で、寂しさを抱えながら育った。
その一言で説明できてしまう程度の、どこにでもある平凡な捻じれを抱えている。

誰もいない家を嫌って学生寮のある学校へ進学し、日々の勉強に頭を抱えながら楽しく過ごしていたのだが、
スイーツバイキングでフルーツ味のジュエルゼリーに紛れ込んでいたＥＸレネゲイドを食べてしまい、覚醒。
ノイマンシンドロームが単独では外見的な異常を引き起こさないこともあり、覚醒を自覚せず過ごしていた。

異常を明確に自覚したのは定期試験の時だった。
今までは頑張って勉強しても本番には全然思い出せなかったのに、
今では授業中の映像がそっくりそのまま頭の中にあるようにハッキリと思い出せるのである。

何かがおかしいと思いながら試験を終え、言い知れぬ不安に苛まれながら結果を待ち、
全教科満点の、ありうべからざるスコアを母親にメールで報告して──

──『次はもっと頑張りましょう』と言う定型文の返信に絶望し、暴走した。

遺産由来の能力を完全に解放し学生寮を大破させてしまったことでＵＧＮに存在が発覚。
そのまま保護とイリーガル登録を受け、用意された住居から現在の高校に通学している。

「『よく頑張りました』はムリでもさ。『カンニングしましたか？』とかでいいから、言ってほしかった」

大分類：欲望の姫君　小分類：絆希うアメシスト

通常の果肉のように柔らかく、食べることで契約が完了する宝石の遺産。その総称が「欲望の姫君」。
これに分類される遺産の契約者は砂に関する能力を与えられ、代償に何かの収集を要求される。
反町 悠奈が契約している「絆希うアメシスト」は、紫に輝くぶどうを模した宝石である。
代償として、自身に対する感謝と賞賛の収集を要求することからその名前がつけられた。