容姿・経歴・その他メモ

愛想のない小柄な少年。

元々FHに所属し、食い扶持を稼ぐために犯罪を繰り返していたが、石楠肆道率いる明緤市支部の面々に敗北する。
現在はFHから足を洗って、石楠肆道の元でチルドレンとして活動している。



<戦闘スタイル>
呪(まじない)が刻まれた護符をクナイで突き立てることで、対象を縛る呪術を使用する。
この呪は人間だけでなく、人外や機械にも効果がある。


<トロイの生まれと石楠肆道に出会うまで>
トロイは娼婦の下に生まれた。父親は顔も知らず、母親からの愛情はない。
2つ下の妹が立ち上がる頃には彼は仕事の邪魔だと捨てられ、一人、妹を抱えて生きることを強いられた。

そんな中、彼らを救ったのは一人の女。
「禽脚ノ魔女(バーバ・ヤーガ)」を名乗るその女は行き倒れたトロイと妹を家に引き取り、養った。
そして魔女は放浪生活の中で既にオーヴァードとして目覚めていた兄に対して、レネゲイドコントロールを教導。
"魔術""呪術"そういった類の技術として、トロイは着実に魔女の教えを吸収した。
こうして二人だけのFHセル"ヘクセンハウス"が完成した。

"ヘクセンハウス"を立ち上げ数年は順調だった。
しかし、年を取ったのか魔女の働きが徐々に悪くなる。任務も失敗がかさみ、トロイ達は徐々にまた困窮していく。
増える仕事と追手。今日の飯にさえ困る生活のまま、命を張る仕事だけが増えていく。
またあの惨めな生活に戻りたくはない、と焦るトロイの目の前で、とうとう魔女が膝をつく。

「どうする。」
「食わねば死ぬ。しかし、食うものなどなにも。」
「…何も？」

空腹ゆえにまとまらぬ思考。迫る死の恐怖。
目の前にいるのは…師、恩人、大人、女、ヒト………肉。

「殺せ。」
最期に女は微笑んだ。

──────少年はそうして"同族喰らい"に堕ちた。


魔女が少年に与えたものは祝福。
なれば俺が与えたものはなんだ？

彼が師匠を食ったその日。
トロイの妹は掃除中、自分たちの住処の地下に怪しい魔法陣があることを発見する。
精巧な魔法陣、妹はこれが兄の師匠が作ったものだと確信する。

ずっと、彼女のことは気に入らなかった。
上手く言葉には出来ないけれど、あの人は兄のことを慈しんではいなかった。
もっと何か、糧として見ているような。
だから私は彼女のことが気に入らなかった。

何となく嫌な予感がして、雑巾で魔法陣を崩した。
ちょっと気に入らない女のことを、邪魔してやろうという、ちょっとした対抗心だった。
バチン、と破裂音がして一瞬腕に激痛が走る。
少し驚いたけど、それだけだたった。

───「禽脚ノ魔女(バーバ・ヤーガ)」。
彼女が最後に遺した呪いは"置換"。
老いた自身の身体を棄て、新しい、素質のある身体と入れ替わる。

その媒体がトロイだった。
数々の技術と知識を教導し、数々の能力を養育した最高の素体。
それは儀式の最後、素体が術師を喰らうことで完成する。

トロイの身に起きた悲劇。
それは、「禽脚ノ魔女」によって意図的に仕組まれた"置換"の呪いだった。
彼が魔女によって養育されていたのは、結局の所、老いた魔女に代わってその身を捧げさせるためであったのである。
しかしながら、妹の何気ない行動によってその呪いは未完に終わった。
魔女は、飼いならしたはずの少女によって息絶え、お菓子の家の哀れな少年はその命を救われた。
───じくじくと未だトロイを蝕む、呪いを残して。

尚、生身で呪いの印を破壊した代償か、現在トロイの妹の右腕は生きながらにして腐り続けている。

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