カプリチオが気になることを言ってた。
いわく「なんでFHがヒーローと一緒にいんの？何も聞かされてないんか？」

ドローレは一発の凶弾の前に斃れた。
それは、良子の自由を侵害するものだった。

レペティツィオーネによって、ランフォルセは思考を誘導されていた。
それは、彼の自由を侵害することであり、彼の自由への侵害は、
良子の自由を侵害することをも意味していた。

天に座す黒き太陽は、ついに落陽のときを迎える。
地に相応しき名はアンダンテ。其れは神曲のダンテの対極が如く。
地から天へ至ったダンテと逆さまの道を往く、天から地への直滑降。
その堕ちゆく様は、歩くような速さで───

時系列的にキャンペーン最初期にダンテの神曲を購入。読み始める。

ダンテは森に迷って詩人ウェルギリウスに出会い、彼に案内される。
地獄を下り、煉獄の山を登ってベアトリーチェと再会し、そして天国に行く。
んで天国のてっぺんにあったバラ園めっちゃキレイ！てなって、
「この世は神サマの愛で成り立っとるんやなぁ」と悟りを得る。
？？？ようわからん。キリスト教圏の話だからかピンとこねぇなぁ。

良子は幼少期に空から落ちてきて、ずっと現世をさ迷っていた。
現世は地獄のイメージ。だって両親いないもの。
ランフォルセと出会ったことは、ダンテがウェルギリウスに導かれたことと重ねられる。
彼以外の周囲から一歩引いた様子は、天から地を眺める太陽のイメージ。
（太陽をイメージしたのは、本当は良子が優しくていい子だから。一応、名は体を表したつもりでいる）
もちろん、周囲に距離を置いていたのは誰かと仲良くなると別れがつらいから。

ランフォルセが亡くなった事は過去と同じ経験→過去と向き合う時がやって来た
兄と慕うランフォルセがいなくなった事で、口で言ってた以上にしっかり良子の心の中に彼がいて、
彼を愛していたのだと自覚する。
彼はもういないので、これ以上彼から愛を受けられないし、愛することもできない。
ならもう現状維持の時間は終わりという事で、今いる場所からは旅立つことになる＝天国からの脱却

ダンテ：地獄→煉獄→天国
良子：天国→煉獄→地獄

両親からの愛はすでに不変。両親は天国にいる。
では新たに得たランフォルセへの愛の在り処はどこだ？
彼は自由のために戦うことを選んでいる（誰かを傷つける事、罪を背負う事）ので、
地獄にいるんじゃなかろうか。
同じ道を行く気はないが、全く違う道を行く気もない。
じゃあ行先は地獄だわ。天国を抜けて煉獄山を下りて地獄に辿り着く旅路（人生）になる。

ダンテ(Dante)の反対──というか彼とは違うって事なので、接頭語のunをくっつけてアンダンテ。
本来の表記のアンダンテ(Andante)はイタリア語の音楽用語で、意味は「歩くような速さで」になる。
で、読みを変えずにUndante(音楽用語と、ダンテではない、のダブルミーニング)と表記する。
また、ダンテが天国に至る神曲に対して、良子が地獄へ落ちていくので堕神曲と表記する。

良子は「地獄で待ってろよランフォルセ！すぐにレぺ野郎もそっちに叩き落としてやっからよ！」
ってフンスフンスしてて、自分も地獄へ行くと思っているが、
ダンテの本来の旅路の順は、現世→地獄→煉獄→天国であり、
これを逆にたどるということは結局現世に戻る事になるので
両親からもランフォルセからも「生きろよな！」と言われている事になる。
目の前でランフォルセを失った時点での良子は、もちろん旅の辿り着く先が現世であることに気付いてない。

天国の愛に背を向けて去るので天国から見たら裏切り者＝クロス
地獄に来るくせに結局辿り着くのは現世になるので地獄から見たら二重の裏切り者＝ダブルクロス
煉獄はただの通り道なので特に考えないものとする

わざわざ堕神曲って書かなくても神曲を逆順に行くんだから"曲神"と書いてアンダンテってルビ振ってもいいかな～思うけど、
中学生の感性なら難しい字を使いたがるかもしれんと思ったので堕神曲にする