被褐懐玉（ひかつかいぎょく）：すぐれた才能を持っているが、表面には出さないこと。
無用之用（むようのよう）：一見何の役にも立たないと見えるものが、実は役に立つということ。
面壁九年（めんぺきくねん）：一つのことに忍耐強く専念して、やり遂げることのたとえ。

大阪府近郊X市。戦後、闇市の本場として栄えたこの街は、今なおアンダーグラウンドな雰囲気を身に纏う混沌の街(ケイオス・シティ)だった。
　2年前の再開発を機に、反社会的組織は表舞台から淘汰され、尽くが闇へと潜んでいる。
そんな街で、新たな事件が幕を開けた──

　きっかけはとある暴力団の壊滅。
解き放たれた暴威は、超人の気配を纏ってこの街を恐怖の底へと沈めていく。
　時を同じくして、一人の若人が涙を呑んだ。
それは別離と悔恨の流れであり、復讐の火を灯す油の一滴。

　賢者の石を巡る二つ(ダブル)の物語が交差(クロス)する時、超人は意味を見出す──。

　ダブルクロスThe3rdEdition
　　『　Apophenia　』
ダブルクロス─それは裏切りを意味する言葉

ワークス/カヴァー　自由/警察
シナリオロイス:PC1-A

　君は警察内部でレネゲイドに関連する事件を担う部署、レネゲイド関連事件担当独立捜査課──通称R担に所属する身でありながらも、公安警察特殊犯罪調査室へと出向中の警察官である。
　自身もオーヴァードである事から、UGNとの橋渡し役として経験を積み、PC1-Aとも顔見知りと言えるだろう。
　未だ警察内部ではUGNに対して不安視する声も根強く、オーヴァードである君に様々な"所要"を押し付けているのが現状であった。
　そんな折、組織犯罪対策4課よりR事案が舞い込んできた。曰く、「六道会」の惨殺事件とのこと。
君はUGN支部長と連携し、この事件の捜査に向かった──

狄塚 糀（えづか こうじ）
年齢：46

「全く、不甲斐ないね……我が国は」

　UGNではない、日本国の公的な立場として公安警察におけるレネゲイド事案に相対する部署──公安警察特殊犯罪調査室に所属する中年男性。
　本来、覚醒したオーヴァードはジャーム化の危険や根本的なノウハウの量などからUGNに所属し、警察へは外部からの協力という体制を取る事が多い。
しかし、すでに警察であった者や、その他本人が希望する場合など、警察内部にも一定数のオーヴァードが存在する。
そういったオーヴァード達を管轄、運用するための担当こそが彼……狄塚 糀である。
　UGNとの共同任務や、防衛隊ストレンジャーズとの合同訓練など、現場レベルでオーヴァードを知る彼は、オーヴァードの精神がヒトと何ら変わらないということも、ジャームの恐ろしさも理解している。
そのため、UGNやオーヴァードに対して快い感情を抱いていない上層部からの圧力や偏見を、非オーヴァードながら一身に受け止め、現場に悪影響が出ないよう日夜調整し続けている。
　日本の平和と安全を護るためにはUGNとの連携が不可欠であり、また警察組織としてオーヴァードを育てていかなければならないという信念のもと、部下である超人達に仕事を割り振っているのだ。
また、非オーヴァードでありながらもFHなどに命を狙われないのは、彼の人望を慕った警察内部のオーヴァード達による報復を恐れているからだという噂が時折裏社会で囁かれている。

　週に一度、チェーン店のファミレスで甘味を1000円まで食すのが数少ない楽しみである。