母親が結婚詐欺に遭い、父親が結婚前に金を持って失踪。失踪に気が付いたときには既に臨月となっており、堕胎も出来ずにそのまま産まれた女の子。
しかし、そのような経緯から、母親は娘を自分の娘とは認めず、精神を病んでそのまま行方不明に。出生届も出さずにいたため、名前も戸籍もなかった娘を親族は棄児として児童養護施設へ放棄した。
海外に居た叔父(母の弟)はそのことを知らず、帰国後に事情を知って近隣の児童養護施設を探し回った。ようやく見つけた時には既に2歳となっており、代理で出生届を出してその際に初めて『璃沙』と名付けられた。
独身で仕事も多忙であるために叔父が引き取るわけにもいかず、そのまま璃沙は児童養護施設で暮らすことになったのだが、心配のあまり休日になると足しげく彼女に会いに来る叔父のことを、施設の子供に「父親がいる」と勘違いされてしまう。
璃沙も詳しい事情を聞かされていなかったために上手く反論できず、物心ついた頃には年上の子供達から酷いイジメに遭っていた。イジメは段々とエスカレートしていき、5歳の冬に外に締め出された挙句凍死寸前となって病院に運ばれたことから、叔父にその事実が露呈。叔父が養子縁組の手続きを行ったことで引き取られることになる。

叔父は自責の念から休職。璃沙が負ってしまった心の傷を癒すために、安住の地を求めて貯金を使って日本各地を転々とした。その末に辿り着いたのが、叔父が幼い頃に住んでいた月虹町である。
信頼できる大家からアパートを借り、周囲に住んでいる顔見知りの住人には璃沙の特殊な事情について伝えた。人と関わろうとしなかった彼女を住人達は暖かく迎えいれ、晴れて安住の地を手に入れたのだった。
七年後、璃沙が元来持ち合わせていたポジティブさが表に現れ始め、住人達の助けもあって日常生活を問題なく送れるようになった。叔父は夜遅くまで仕事で帰れないことを心苦しく思っているようだが、随分と元気に笑うようになったと安心しているらしい。

口数が少なくてクラスの中でも目立たないが、中学二年生に似つかわしくない薄幸の美人のような雰囲気から、裏で男子から根強い人気がある。
逆に女子からは嫌われており、嫌な仕事を押し付けられたり、あらぬ噂を立てられてしまっている。
帰宅部である関係でそこから繋がる友人関係もない。
成績は中の上程度。本来は成績上位者に入る実力はあるのだが、テスト前に何かしらのトラブルに見舞われることが多く、本来の実力を発揮できないらしい。

お洒落をしたいお年頃だが、叔父に買ってもらったセーラー服と部屋着しか持っていない。
自分を養う為に叔父に無理をさせてしまっているという負い目から「服を買ってほしい」とねだることもなく、どこに行くにもセーラー服という形となってしまっている。

おっとりした少女で、他人からは高嶺の花のようなイメージを持たれがちとなっている。当人も過去の悲惨さから他人とは壁を作りがちで、積極的に関わろうとはしない。
その反面、根っからのお人好しで困ってる人を見ると放っておけない。人助けをすれば、巡り巡って自分に返ってくるという考え方の持ち主で、信心深い性格とも言える。

部活動に割いている時間も費用もないため、帰宅部となっている。
帰宅後は近所の商店街にある八百屋で店番として働かせてもらっており、アルバイトとは表向きには言えないので、時間になったら帰り際に食材を提供してもらっている。
その後は一通りの家事を済ませ、二人分の夕食を作って夜遅くまで仕事をしている叔父の帰りを待つのが日課。
趣味という趣味はなく、強いて言うなら料理や裁縫ぐらいだろうか。休日は近所の幼い子供達の面倒を見ることが多く、保育士か小学校の先生になるのが密かな夢らしい。

星座占いや血液型占いなどが好き（大抵の場合、彼女にとっては宛てにならないが）で、いつもチェックしている。
また、決断に迷ったときにはコイントスをして決める癖があるが、良い展開に転がるほうが少なく、自分が不幸体質だという自覚はあまりないようだ。

嫌いなものは"冬"で、児童養護施設での理不尽なイジメで何度も凍えそうになったことがトラウマになってしまっていて、冬が近づいてくると体調が悪くなってしまう。
毎年のことなので近所の人からも理解しており、心配していつも様子を見に来てくれている。

「オマエにしか出来ない」という甘言に誘われ、人助けの為に自らすすんで活動を行っている。
色彩の勇者となった際に「シルバー・クロス」と命名されたが、どうやら「Cross」と「Cloth」のダブルミーニングのようだ。

性格故なのか、前に立って戦うのは非常に苦手で、基本的に他の人のサポートを中心に行っている。
司っているのは【幸運】で、彼女の周囲では都合よく物事が動き、戦闘を有利に進められる。