地中海のあたりのUGNでもFHでもない、レネゲイドを知る人間たちのレジスタンス的組織の子供。
この地域では遺産を巡る争いが耐えない。
とはいえその組織も大きなものではなく、規模も視野も小さいもの。地域活動と言った方がイメージは近いかもしれない。

そして、ある時その組織内で生まれた子供は、生まれながらに身体に石を持っていた。
彼らは驚嘆した。
レネゲイドの知識をかじった程度の彼らでも知っている、“賢者の石(レネゲイドクリスタル)”ではないのかと。
これは神の恩寵だ。
きっとこの子がUGNもFHも打ち滅ぼしてくれる。そう、喜んだ。

実際のところ、それは賢者の石などではなく、微量のレネゲイドを帯びただけの結晶だった。
それでも長年にわたる彼らの負の蓄積が、怨念が、その石に、子供に、力を与えるに至った。

彼女が思い出せる記憶の最初にあるのは、「オーヴァードを殺し尽くしてくれ」と自分に縋りながら息絶えた、育ての親の一人の声だ。
組織の人間、育ての親たちは少女をそれはそれは丁重に、大事な武器(・・)として育てた。

「矢(アルク)」という名前をつけられた少女は、周辺に現れるオーヴァードを何故殺すのかも理解しないまま殺し続けた。

そうしていれば、UGNもFHも、その小さな組織を邪魔だと認識するのは必然で、戦いの規模が大きくなるのも必然だった。
攻撃の余波に、崩れる瓦礫に巻き込まれ、死にゆく組織の人間たちは少女がオーヴァードを殺し尽くしてくれることを夢見ながら息絶えた。

やがて、自分が殺すべき対象も、自分に命を下す人間もいなくなったことに気づいた少女は、ただその場に座りこんだ。
何日もそのまま。

「私は、私も殺さなければいけないのでしょうか」

それだけ呟いて意識をなくし、増援、および事後処理に来たUGNロンドン支部のエージェントに保護された。

■獣帯武装：人馬宮
特殊効果
　あなたの行動値は常に[シーンに登場しているキャラクターの中で最大の値+1]となる。
この効果はエフェクトを優越する。
また、あなたが移動を行う場合、移動中に別のエンゲージに接触しても移動を終える必要はなく、封鎖の影響も受けない。


【限界する可能性：殺戮】
■表効果
　あなたが行うメジャーアクションの対象を、元々の対象が存在するエンゲージを対象とした範囲：選択に変更する。
この対象はあらゆる効果によって縮小されない。

■裏効果
　この効果はいつでも宣言できる。この効果を宣言した場合、バックトラックの結果に関わらず、シナリオ終了時にこのキャラクターはジャームとなる。
　あなたが行う攻撃の攻撃力に+[現在侵蝕率]する。
さらに、その攻撃によって対象のHPが0となった際、対象は戦闘不能ではなく死亡となる。

　Ｄ対抗種
　①オーヴァード　　●連帯感／殺意　OR　昇華後処女宮の効果で復活
　②保護者　　　　　●信頼／不安　PU
×③教官　　　　　　●誠意／不安
×④“リゲル”　　　感服／●殺意
　⑤今を生きる人類(私たちの日常)　●庇護／不安　昇華後処女宮の効果で復活
　⑥トゥエルブ部隊　●連帯感／脅威　S