ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

篝 いろは - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

“十六代目”篝 いろはかがり いろは

プレイヤー:「」

そうです、実は正真正銘の忍者なんです、私。荒唐無稽でびっくりしちゃうでしょう?

年齢
25歳
性別
星座
天秤座
身長
166cm
体重
55kg
血液型
B型
ワークス
暗殺者
カヴァー
保育士
ブリード
クロスブリード
シンドローム
エンジェルハィロゥ
モルフェウス
HP最大値
23
常備化ポイント
+30=32
財産ポイント
0
行動値
+5=18
戦闘移動
23
全力移動
46

経験点

消費
+58
未使用
0
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 戦国の世から代々続く忍びの家系の生まれです。“家”と言いましたが、実際には血の繋がりは重要ではなく異能…つまり現在におけるレネゲイドの力を継承できるかが焦点であったようです。ですから私は自分が誰の間から生まれてきたのか知りません。篝家が管理している深山の奥で発生し、継承権を得たことによりそこで修業の日々を積み重ねました。とはいえ、それほど寂しい生活ではありませんでしたよ。常に指南役の老人たちがそばにいましたし、彼らが親代わりを担ってくれました。まあ…世間一般で言うところの親とは言い難い関係ではありましたが。少なくとも私の認識の上では健やかに育ちました。
結社の一員
経験 世を乱す超常を調べ、暴き、退ける。それが篝家が社会の裏側で担ってきた忍びとしての役割です。その生業を必要とするものに仕えてきました。それは例えば江戸幕府であり、日本政府であり、現在ではUGNです。10歳で山を降り、11歳になる頃には要請に応じて私も先代の任務に帯同し役割を果たすようになっていました。当然ながら多くの危険に晒されましたがお山の上ではそれ以上に厳しい鍛錬をしてきましたから、困難と思うことはあっても乗り越えられなかったことはほとんどありません。それにもし失敗して息絶えるようなことがあっても次の代がまた生産されるだけです。恐れることは何もありません。
危険な仕事
邂逅 現在の仕える先はUGNの日本支部であり、つまり支部長とは仰ぐべき主君ということになります。世界にはレネゲイドウィルスが撒き散らされ怪力乱神の感染者が各地で狼藉を働くこの乱世において、懸命な舵取りで少しでも世を安寧の方向へと導こうと奮闘するあの方は仕え甲斐という点では申し分ないと言えます。世が乱れれば乱れるほどに我らのような陰ながら秩序を支えんとする存在に光が当たってしまう。皮肉なことですね。
主人
覚醒 侵蝕値 篝家には異能の力を幼子に授ける“技法”があります。申し訳ありません、その詳細については門外不出のためお伝えできません。UGNの研究者は『特殊な古種レネゲイドウィルスにのみ対応した人為的な感染手段があるのではないか』と推測を行っているようですがこちらからお話できることはありません。当時集められた数人の幼い少年少女の中から私のみ異能レネゲイドに目覚め、残りの者らは山を降りていった。それだけが私からお話できる間違いのない事実です。私は篝家の現当主ですが家門の秘密の全てを知らされてはいません。もし私が死亡したり、あるいは引退の時期が迫ったりすれば、あの時と同じように何らかの手順と代償をもって誰かが次代候補に選ばれるのでしょう。
感染 14
衝動 侵蝕値 『稀なる血を欲して乾くのだ』と教えられました。篝家の異能を引き継いだものは大なり小なりその衝動に襲われるのだと。毒をもって毒を制すことを長きに渡って繰り返してきたことで、篝家の忍びは毒の痛飲を欲するようになるのだと。現在ではレネゲイドの侵蝕による作用であるという説明がつけられますが、そのことも判明していなかった当時は畏れられたと同時にある種の神秘性の獲得にも貢献していたのでしょうね。そして私もまたその衝動を引き継いでいます。侵蝕率が高まってくると…乾くんです。レネゲイドに侵されたものの血を欲して。端なくて恥ずかしいですが、例えようもなく高揚するんです。
飢餓 14
その他の修正8
侵蝕率基本値36

能力値

肉体1 感覚6 精神1 社会1
シンドローム0+1 シンドローム3+2 シンドローム1+0 シンドローム0+1
ワークス ワークス1 ワークス ワークス
成長 成長 成長 成長
その他修正 その他修正 その他修正 その他修正
白兵1 射撃6 RC 交渉
回避 知覚 意志 調達
運転:二輪2 知識:レネゲイド2 情報:裏社会1

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
Dロイス 破壊者ディザスター あなたの【行動値】に+5する。また、あなたが行う攻撃のダメージに常に+1Dする。あなたが行うドッジの判定のダイスを常に-3個する。lさらに、あなたが行うガードでは常にガード値を-5する。
職責の対象 保育所の子供たち 庇護 恐怖 私の表向きの職場において私が向き合うべき存在であり、そして図らずしも今の私の心において少なくない面積を占めるものです。最初は彼らに対して個人的な修練のために対処すべき事柄である、という認識しか持っていませんでした。学ぶべきことを学び取ったら用済みとして次の職を探そうと。しかしそうではない自分が今はいます。それが一体何なのか。余人が語るように私が愛情を獲得したからなのか。子供たちが私という忍びの強度を“弱く”した結果なのか。まだ分からないのです。
雇い主 霧谷 雄吾 尽力 不安 彼がUGN日本支部の支部長ですから、彼がそうある内は私にとっての主君ということになりますね。公明正大であり敬服に値すべき人物です。日本支部が日本支部として保てているのも彼が頂点に立っているからでしょう。お仕えするのに不足のない立派な御仁ですが、だからこそ一抹の不安もよぎります。この方の情け深いやり方で更に混迷を極めていくであろう浮世の情勢に抗うことはできるのかと。まあ、どうなろうと篝家は仕えるべき者のために刃を振るうだけなのですけれどもね。
同業者 和泉 一久 信頼 猜疑心 私は11歳の頃から先代に同行して現場へ出向くようになっていましたから、レネゲイド関連の事案に係る治安機構の方々とは複数人面識があります。和泉さんはその中のひとりですね。オーヴァードではありませんが私の本業を知っているということは「忍者が創作物の中ではなく現代にも密かに息づいている」ということをご存じの方というわけです。実直な仕事ぶりで信頼の置ける方でした。忍者の語る信頼ですから常に疑念の伴ったものなんですけれどもね。で、そんな彼の様子が最近奇妙だと。となれば探りを入れるのが私の仕事の内なのです。

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(LV)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
コンセントレイト:エンジェルハィロゥ 2 メジャーアクション シンドローム 2
組み合わせた判定のクリティカル値を-LVする(下限値7)。
陽炎の衣 2 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 3
あなたは隠密状態となる。この隠密状態はそのメインプロセスが終了するまで持続する。このエフェクトは1シーンにLV回まで使用できる。敵とエンゲージしていても、この効果で隠密状態になれる。
レーザーファン 1 メジャーアクション シンドローム 対決 範囲(選択) 3
このエフェクトを組み合わせたエフェクトの対象を範囲(選択)に変更する。ただし、この効果を受けたエフェクトは、あなたと同じエンゲージにいるキャラクターを対象にできない。このエフェクトは1シナリオにLV回まで使用できる。
見えざる死神 3 メジャーアクション 〈白兵〉〈射撃〉 対決 武器 2
あなたが隠密状態の間、使用できる。このエフェクトを組み合わせた判定のダイスを+1個し、その攻撃の攻撃力を+[LV×3]する。
デスストーカー 4 常時 自動成功 自身 至近 リミット
あなたが隠密状態で行う攻撃の攻撃力を+[LV×4]する。このエフェクトを取得した場合、侵蝕率基本値を+5する。このエフェクトは侵蝕率でレベルアップしない。
黄金練成 3 常時 自動成功 自身 至近
キャラクター作成時、およびアフタープレイにおける常備化ポイントの計算の際、常備化ポイントを+{LV×10}する。このエフェクトは侵蝕率でレベルアップしない。このエフェクトを取得した場合、侵蝕基本値が+3される。
砂の加護 2 オートアクション 自動成功 単体 視界 3
対象が判定を行う直前にしようする。その判定のダイスを+[LV+1]個する。このエフェクトは1ラウンドに1回まで使用できる。
ウサギの耳 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近
聴覚の指向性を高めるエフェクト。たとえ雑踏の中であっても、遠く離れた場所にいる人物のささやき声を聞くことができる。また、特定の音のみを聞き分けることも、10キロ以上離れた場所で落ちた針の音を聞くことも可能。GMは必要と感じたなら、〈知覚〉による判定を行なわせてもよい。
ナイトウォッチ 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近
視覚を強化してわずかな光源でも周囲を見渡すことができるようにするエフェクト。また、通常人の目で見ることのできない赤外線などを可視化して完全な暗闇の中でも問題なく周囲の状況を把握することができる。
壁抜け 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近
密室や閉鎖空間、壁などの障害物を無視して移動するエフェクト。たとえ分厚い金属の壁に囲まれたシェルターであっても、あなたの侵入を阻むことはできない。GMは必要と感じたなら、〈RC〉による判定を行なわせてもよい。
迷彩マント 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近
壁や周囲の地形の一部にまぎれて隠れるエフェクト。あなたはカメレオンのように周辺の環境に擬態しながら行動することができる。ただし、激しく動くと擬態が追いつかずにバレてしまう。また、この効果に同意する別のキャラクターを隠すこともできる。GMは必要と感じたなら〈知覚〉判定を行なわせてもよい。

コンボ

既に間合い也。

組み合わせ
「コンセントレイト:エンジェルハィロゥ」「見えざる死神」「デスストーカー」「砂の加護」
タイミング
メジャーアクション
技能
射撃
難易度
対決
対象
単体
射程
武器
侵蝕値
7
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
6+4
8
6-1
35+3d
100%以上
6+5
7
6-1
38+3d

武器常備化経験点種別技能命中攻撃力ガード
射程解説
夜行兼房 20 射撃 〈射撃〉 -1 10 15m (※サイレントシーカー互換)
EXレネゲイドに侵蝕されている忍刀。特定の波長を加えることで刀身が粒子へと変換され長大な射程かつ静音の斬撃を放てる一方、非常に使いこなすのが難しい上にその特性から刀身の剛性が低く打ち合いには全く向かないという刀。
この武器による攻撃を行う際、あなたが隠密状態の場合、そのダメージに+2Dする。
一般アイテム常備化経験点種別技能解説
コネ:要人への貸し 1 コネ 〈情報:~~〉 あなたが行う任意の〈情報:~~〉判定の直前に使用する。その判定のダイスに+3個する。この効果は1シナリオに1回まで使用できる。レアアイテム。
ウェポンケース 1 一般 プリプレイにあなたが所持している武器ひとつを選択する。いつでも使用できる。あなたは選択した武器を装備する。
ドロップアウト 5 エンブレム/一般 取得時に、UGN以外の組織のエンブレムアイテムからひとつを選択する。選択したエンブレムアイテムの必要経験点は別途消費すること。GMの許可が必要なエンブレムアイテムを選択した場合、取得にはGMの許可が必要となる。
FHギフト 10 エンブレム/一般 あなたはFH専用のDロイスを取得していなくてもFHアイテムを合計2個まで取得することができる。取得には別途、常備化ポイントや購入判定が必要となる。
影縫いの術 10 使い捨て (※TSB互換)
篝流忍術に伝わる技法。僅かでも傷つけた者に夜行兼房のEXレネゲイドを作用させ、時間感覚を一時的に遅延させる。“伸ばす”ことが夜行兼房のEXレネゲイドの特性といえる。強力だが連発できず、一度使用すると一定の調整期間が必要となる。
あなたが行う「種別:射撃」の武器による攻撃の直前に使用する。その攻撃で1点でもHPダメージを与えた場合、そのラウンドの間、対象の【行動値】に-1Dする。

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
0 10 163 15 0 188 0/188
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

容姿・経歴・その他メモ

『世界は知らぬうちに変貌していた』。そのように口にするオーヴァードがいる。
ある日突然異能に目覚め、日常から非日常へと転がり落ちた者にとってそれは深い実感を伴った言葉だろう。
しかしこの篝いろはという女性にとってはそれらのベクトルの向きは真逆だ。
彼女は現代社会という視点から見て非日常から発生し、日常へ半身だけ身を置くもの。
『変貌していた世界』こそが彼女にとって当たり前の世界。この社会には壊れかけの裏側があるということを最初から知っている。
そう───彼女の正式な肩書は“篝流 第十六代頭目 篝 いろは”。即ち、現代に息づく正真正銘の忍者である。
 

その歴史

篝家の発祥は今は旧き戦国時代であり、伊賀流の一派であった。
戦国の終焉以降、篝家は伊賀組同心として江戸幕府に仕え、その活動は治安維持の枠を超えたものとなっていった。
幕府より密かに命じられていたのは、妖異、呪詛、怪異といった超常的な案件への対処であったとされる。
篝家はいわば「魔を討つ忍び」として、公式の記録に残らぬ領域を担当していた。
これらの任務は奉行所や藩の権限を越え、時に政治的判断すら伴うものであった。
篝家は常に命令の背景や理由を問わず、与えられた役割を遂行してきた。粛清、封印、監視、あるいは存在そのものの抹消。
その刃は人ではなく「秩序を脅かすもの」に向けられることを是とされていた。
篝家の血を引く者の中には代々人の身を超えた異能を示す者が現れたという。
当時は術、霊力、あるいは天賦の才として語られ、篝家固有の忍術として認知されていた。
現在の視点から見れば固有のレネゲイドウィルスを血統として継承していた結果であったと考えられている。
また、少なくとも幕府に仕え始めた頃にはこういった異能の持ち主オーヴァード同士の繋がりあいと関わりを持っていたようだ。
この繋がりは現在ではFHという名前で認知されているものと同一のものであると目されている。
つまり、篝家はもともとはFHに属する組織であった。彼らが有する秘伝の武具や技術にFH由来のものがあるのはそのためである。

明治維新により幕府が瓦解すると、篝家は一時的にその役割を失う。しかし怪異や異能が消え去ったわけではない。
近代国家の形成とともに、再び「表に出せぬ問題」を処理する存在が求められるようになる。
篝家は政府関係者や軍部、後の諜報組織と非公式な関係を結びながら、その活動を継続した。
その役割に転機が訪れたのは今から20余年前。発掘隊による中東の遺跡の発掘調査、それによる“レネゲイド解放”だ。
これにより世界中にレネゲイドウィルスが蔓延し、世界各地に超常的能力を振るう人類が発生するようになってしまった。
FHの前身組織がそれにより在り方を変えて現在のFHとなっていく一方、UGNの発足は篝家にとって新たな選択肢となった。
異能を排除するのではなく管理し、社会の表側を守るというUGNの理念。
それはかつて幕府の影で魔を討ってきた篝家の役割と本質的には大きく異なるものではなかった。
こうして篝家はかつて所属していたFHからは距離を置き、UGNに協力する立場へと移行していく。
現在に至るまで、篝家の名が公に語られることはほとんどない。
だが社会の裏側において、超常的な脅威に対処する存在として、その系譜は今なお脈々と受け継がれている。
いろはというものが発生したのは、そうした存在の枠組みの中であった。

 
いろはに両親と過ごした経験はない。原初の記憶は深山の風景だ。
親の顔ではなく全てが真っ白に染まった山奥の雪景色がいろはの保有する最も古い心象風景である。
忍者の一族である篝の家門が保有する深山の養成所がいろはの出身地であり、幼い頃を過ごした場所だった。
物心ついてから程なくしていろはに篝家特有の異能の発現───つまりオーヴァードとしての兆しが認められた。
これにより齢三歳にしていろはは篝家の次期頭目となることが定められる。厳しい修練の日々が始まった。
優れた暗器として研ぎ澄ませることが優先されたいろはは山の下に現代社会が広がっていることさえ知らずに育った。
世界にはあまりにもたくさんの人々が暮らしていて巨大な街をいくつも形成していると知ったのさえ齢が九つに達した頃だ。
人権団体が見れば真っ青になるような鍛錬を幼い時から課されていたいろはだったが、別段辛くも苦しくも感じていなかった。
それはいろはにとって物心ついた時からの“当たり前”だったし、“常識”だったからだ。
自分は古くから連綿と続いてきたシステムの一部だ。そうであることに悲しみはなく、機能に磨きがかかることは喜びである。
年齢が二桁になった時、将来頭目として立派に依頼を遂行できるよう現代社会への順応訓練が始まった。
山を降りて生活を始めたいろはが感じたのは「社会とはなんてたくさんの無駄に満ちているのだろう」ということだった。

既にUGNでエージェントとして働いていた先代の紹介で幼くしていろははエージェントとして登録された。
転勤族というていで各地を転々としながら中学、高校と進学しつつその裏でUGNの依頼を請け、達成していく日々。
時には過酷な状況や選択を迫られることもあったが、既に忍びとしての精神性が完成していたいろはは揺るがない。
彼女は生まれた時からアマチュアではない。プロとして生まれ、プロとして育ったのだ。容易いことだった。
高校を卒業する頃にはいろはは一流の現代に生きる忍者として日本支部から直接の要請を受けて任務をこなす立場となっていた。
しかし、それと同時にいろはにはひとつの転機が訪れていた。
大学進学の是非。即ち生まれて初めて用意された道ではなく『将来は何になりたいか』ということへの権利を委ねられたのである。

UGNエージェントはその多くが偽装用の表向きの職業を持っている。それは篝家のような忍びであっても例外ではない。
例えば先代は建築士としての肩書がある。そしていろはにもそれを任務遂行に抵触しない限り自由に決めてもよいと告げられた。
難しい問いかけだった。いろはにとっての日常は『守るもの』ではなく『守られるべきもの』である。
自身は最初から日常が守ってくれる世界の範疇外にあり、“後天的に演じ、理解し、獲得したもの”だ。
忍者あるいはUGNエージェントとしての在り方こそが本質であり表向きの立場とは不都合さえなければよい無駄なものに過ぎない。
いろはは熟慮の結果、これを訓練の一環だと捉えることにした。
これは修練である。より優れた刃となるために積むべき過程なのだ。無駄かどうかは己の心持ち次第といえるのではないか。
そうであるならば己の置いている世界からは正反対の世界にこそ飛び込んでみる価値があるだろう。
そう結論づけたいろはは福祉学部への願書を手にしていた。彼女が選んだ進路とは忍びとは守るべきものの方向性が違うもの。
保育士である。

導き出した保育士という選択は、いろは自身にとっても少なからず意外なものだった。
それは忍としての適性評価にも、UGNエージェントとしての合理性にも、必ずしも合致しない。
だが彼女はその“適さなさ”を理由に退けることをしなかった。むしろ、そこにこそ踏み込む価値があると判断した。
子供への愛情という感情を分解して解釈し、必要に応じて使い分ける。いろはにさえどういう風にしたらいいかまるで分からない。
だからこそ挑み甲斐があるのではという彼女の思惑通り、資格を得て非常勤の保育士として働き始めたいろはを不条理が襲う。
保育の現場は非効率に満ちていた。泣く理由を言語化できない子どもたち。同じ注意を何度も繰り返さなければならない日常。
成果が数値として可視化されることはなく、昨日と今日の違いすら曖昧だ。
合理性を重んじてきたいろはにとって、それは最初「理解不能な世界」だった。
しかし、理解できないからこそ観測する必要がある。それは忍として、長く身につけてきた姿勢でもあった。
いろはは微笑み、子どもたちの目線まで身を落とし、手を差し出す。声を荒げることはなく、命令もしない。
そう振る舞う自分を、最初はいろは自身もどこか外側から眺めていた。これまで『日常』を俯瞰してきたのと同じように。

だが、いつからか――──任務の合間に思い出す光景が、変わり始めた。
刃を振るう瞬間でも、撤退判断を下す直前でもない。
何事も起こらなかった午後。誰も泣かず、誰も傷つかず、ただ一日が終わったという事実。
その“何もなさ”に、胸の奥が僅かに満たされる感覚。それはいろはがこれまで知ってきた達成感とは質を異にするものだった。
成果でも、成功でもない。失敗が起こらなかったというだけの、曖昧な充足。自身の強度が低下していることへの微かな戸惑い。
彼女は自覚していた。
判断に要する時間が僅かに延びていることを。必要のない一言を添えてしまうことを。不必要なものを視界に入れてしまうことを。
以前の自分なら公私を完全に使い分け、もっと早く、もっと冷たく、もっと正確に処理できていたはずだ。
致命的ではない。任務の遂行に支障はない。それでも、以前の自分とはどこか違う。
その変化をいろはは矯正しなかった。警戒はしたが排除はしなかった。惜しくてできなかった。
重んじてきた合理性とは真逆の判断に対して驚き、同時にどこか腑に落ちている自分がいることにも驚いている。

果たして新しく生成されたこの回路は“弱さ”なのだろうか。それとも“弱さロイス”なのだろうか。
いろははその疑問を微笑みの仮面の下に隠した。その仮面が少しずつ『本心』を象り始めていることにはまだ気づかないまま。

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 GM 参加者
フルスクラッチ作成 58

チャットパレット