東京都内にある夏樹家の邸宅で生まれ育った気弱な少女。
生まれつき病弱で、両親もその多忙さから彼女にあまり構うことが出来なかった。
小学校に通うこともほとんどなく、勉強の成績自体は問題なかったものの社交性があまり育まれなかったため、家の中で暇さえあれば本を読んでいるだけの子供だった。
病弱な彼女への不安と放置への罪悪感を募らせた父の柳太郎は、彼女を神城グループのレネゲイドウィルス操作実験によって人為的に覚醒させることを決意。
結果として実験自体は危険度とコストの問題から凍結されたものの、彼女は無事にオーヴァードとして覚醒。病に負けない身体と、超常の能力を手にする。

しかし会長派の台頭により、レネゲイド利潤追求派であった父はいくつかの危険な実験の責任を取らされることとなる。
UGNによって拘束された父はその指示で会長派として動くことになり、空はイリーガルとして監視対象に置かれるようになった。

そしてある日、1人のUGNエージェントとの出会いから始まった事件で巡り合うこととなった『遺産』。
怨念、邪念を斬るその刀と契約したことにより、やがて彼女は王寵戦と呼ばれる戦いに巻き込まれていく。

一人称は「ソラ」。
気弱で大人しく、どちらかと言えば内向的・受動的。
社交不安障害を患わっており、特に注目の中心となることや公の場で発言することなど「視線を集めてしまう」状況で極度に緊張し、震えて動けなくなってしまう。

しかしその一方で、自分の信念や好きなものなど譲れないことに関してはとにかく意固地。
友人から勧められて以来ネットラジオに熱中しており、顔も出さない声だけの一方通行な発信でなら話しやすい……という理由で、自らもラジオを配信している。
父や母からはあまりよく思われておらず、UGNからも何か迂闊に口を滑らせないか警戒されているが、本人としてはこのラジオにプライドがあるらしい。両親の反対も押し切り、自分の思うままに配信を続けている。

大分類：鬼切りの古太刀　小分類：追儺刀

神城グループが管理していたが、紆余曲折を得て空が契約することになった遺産。
刀身二尺六寸（76cm）の銘が削り潰されている太刀。

かつて高名かつ清廉な武士が主君より与えられたと言われている。
武士はこの太刀を用いて都に仇為す多くの悪鬼を斬った。
しかしその果てに悪鬼への憎悪に取り憑かれ、やがて錯乱し化生ではない悪心を持っただけの民すら斬るようになる。
嘗ての仲間により武士は三日三晩の戦いの末に討ち取られ、太刀は銘を削られ神社で封印された。

しかし数百年の後、神城グループの王寵戦に向けた遺産捜索プロジェクトにより神社から回収される。
仮の名は「追儺刀」―――鬼を撃ち滅ぼす刀。
悪鬼・邪気を祓うが故に、あらゆる悪心への憎悪を持ち主に宿す『遺産』として定義された。

・ドッグタグ
ダブルプレートのドッグタグ。
本来二枚のプレートには自分の情報が刻印されるものだが、彼女の情報が刻まれているのは一枚だけ。
元々はシングルプレートのドッグタグに、どうやら他人のタグを一枚付けているようだ。

・絵本
病弱だったころの心の支え。
お気に入りだった本は、一人の王子が空を歩く靴を手に入れるというもの。
空の彼方、どこまでも旅を続けた王子は幸せに満ちた楽園に辿り着く。
今も彼女は「彼方にある幸せ」や「空の旅」に憧れるような言動をたまに見せることがある。
飛行機でテンション上がるタイプ。