容姿・経歴・その他メモ

履歴

自らが信じる【摂理】のみに従う少年。その気質から人に従うことが出来ず、イリーガルとしてUGNに協力している。

彼の境遇は生まれながらにして悲惨だった。彼がまだ母親の胎内にいたときに両親が死亡。彼も運命を共にするはずだったにもかかわらず、母体が感染していたレネゲイドウイルスは彼のみをオーヴァードとして生き返らせた。その後UGNに引き取られることとなるが、自らの生い立ちから誰にも心を開かない幼少期を過ごした。

しかしある時、彼はひとりの少年との出会った。少年は一人の少女と共に彼を迎え入れ"トリニティ"と名乗り始めた。彼と少女の傍らで初めて自分の居場所を得た。多少頭は回るものの気が弱く、二人の背中に隠れてばかりだったが、それでも彼は生まれて初めて誰かの力になりたいと願うようになった。

そんな、そんな風に彼が思い始めたとき。少女はこの世を去った。少年に自らの死を願いながらも果たされず、彼女は尋常ではない死に方をした。そして少年は、失意に心を折られた。何故、と彼は思った。何故この世界は常にあるべき方へ向かわないのか。あるべき方向へ。ただ、誰もが当たり前に幸せになっていい、そんなありきたりな願いすら踏みにじって、理不尽な方向へと向かうのか。
そう叫んだとき、彼の悲鳴は世界を停止させた。彼の中に秘められていたバロールのシンドロームが発現し、彼の見る世界は時が止まった。停止した時間の中で考え続け、彼は自らが直面した不幸の原因が【この世界にあるべき摂理を守る力が存在しない為】だと結論付けた。そうして彼は時間停止の力を使い続けわずか数か月の時間を四年の長さに引き伸ばし、止まった時間を己の研鑽にのみ費やした。そして【この世界を護るため】に存在するUGNより離脱。フリーのオーヴァードとして戦うことを選んだ。

合理性を重視するが頑固で、驚くほど融通の利かない。その上自らが信じる理念や正義（彼はこれを摂理と呼ぶ）の為なら何者を向こうに回しても戦うことを選べるタフさをもつ独善的な人物。その一方で自分が死から誕生したいるべきでない存在であること。正しい時間の理から外れた存在であるとして自分に対する嫌悪感が拭えない。彼が度々口にする摂理に照らせば、自分もまたいるべき存在ではないのだと考えている。それがより一層、彼を正しさへと駆り立てる一因となっている。

世界の外側にいるものだけが、その中で出来ない変革をもたらすことが出来る。自分が得た時間停止の力はその為の天啓だと信じているが、その力が「過ぎ去った時間を取り戻したい」という無意識の願いから来ていることを、彼は知る由もない。

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