佑匠の(自称)舎弟である男子不良学生、非公認だが大きな悪影響もないため好きにやらせている。
シンドロームはサラマンダーのピュアブリード。戦闘スタイルやシンドロームからか、煌と似ている部分があるなと感じている。

佑匠の亡き親友である女性。クラブ・メイヘムに所属していた元正規バウンサーの一員であり、佑匠と共にオーヴァードとして自警団としての活動を行う傍ら、あるバンドのドラマーとしても活躍していた。
シンドロームはサラマンダー×ハヌマーン+ブラム=ストーカーのトライブリード。超高温の血液と音波を武器として戦う切込み隊長であり、生まれ育った街を守るべくその最期まで最前線に立ち続けた。

俺の親父は、いわゆるヤンキーだった。今は色々あって足を洗ったが、それはそれはお袋とヤンチャしてたんだと。で、その諸々を経て生まれたのが俺ってワケ。……いや、仮に真実だったとしてもさ。俺にバカ正直にこれを話した親父は、一体何考えてたんだか。そんな茶目っ気のある親父だが、どうやら「クラブ・メイヘム」の元バウンサーだったらしくてな、バーテンダー兼自警団って感じでこの辺じゃ有名だったんだと。オーヴァードとして生まれた身として何度か手合わせを頼んだこともあったが、結局一度も勝てなかったよ。あ、一応言っとくと死んではないからな？ただ腕が全盛期と比べて衰えちまったってだけだ。

俺が「クラブ・メイヘム」に加入できたのも、親父のコネあってのことだった。親父は否定してたが、まあ加入時の俺の実力は他バウンサーと比べても見劣りしていたと思う。そんな当時からあいつ……煌は、メイヘムの頭(かしら)のような存在感を放っていた。なんというか、妙なカリスマ性があったんだよ。立場は平々凡々、実力は並。けど、団の中でも異様なほどの発言力を持っていた。何事にも言えるが人様を相手にする都合、結局は信用商売になる自警団にとって、あいつの人柄や人望はまさに天職だった。英雄気質で困った人間を見捨てず、救った人々は悉くあいつを信じ、いつの間にやら団の顔さ。

年齢も然程変わんねぇのに、右も左もわかんねぇ俺に自警団のノウハウも手取り足取り教えてくれてよ。性格も相性がよかったのかものの数日で意気投合してよ。ほんと、あいつには頭が上がらねぇよ。とはいえ永久なんてもんは存在せず、物はいつか壊れるし、人はいつか死ぬ。あいつも例に漏れず、FHやらジャームやらから街を守るべく最前線に立ち続けて……そして、死んだ。この世界では珍しくないことだ、誰もが必死に抗い生きている。そういう意味で、あいつは真の“英雄”だった。最期まで、他人を守る為に戦場を駆けたんだからさ。
……けどよ、あいつはひとつ忘れちゃいけねぇもんを忘れてんだよ。あの日メイヘムに足を運んで、はにかみ笑いと一緒に「渡してほしい」って託された、少ない小遣いを叩いて選んだ女の子からの贈り物。こんな大切なもんを受け取らずに逝っちまうなんてさ。

俺の思う真の“英雄”ってのは、残される側の気持ちまでケアしてこそだ。え、そんなことどうするのかって？簡単だ、死ななきゃいいんだよ。時に危ない橋を渡ることにはなるだろうが、それでも生きて帰るんだ。あいつが守り切った場所に、勝利を持って帰るんだ。何度でも、何度でも。この身が斃れるまでな。