“貪欲なる叡智”史原 加純
プレイヤー:高梨千里
「うん? どォした嬢ちゃん。おいちゃんに見せてみなァ」
「俺ァイカれてんのよ。何でも知ってねェと、狂っちまうのさ」
- 年齢
- 47
- 性別
- 男
- 星座
- 牡牛座
- 身長
- 195
- 体重
- 79
- 血液型
- AB型
- ワークス
- UGNエージェントB
- カヴァー
- 教師
- ブリード
- ピュアブリード
- シンドローム
- ノイマン
- HP最大値
- 28
- 常備化ポイント
- 6
- 財産ポイント
- 4
- 行動値
- 8
- 戦闘移動
- 13
- 全力移動
- 26
経験点
- 消費
- +44
- 未使用
- 0
ライフパス
| 出自 | 父親は猟奇殺人犯で既に死刑となっており、母親はその最後の犠牲者であった。 | |
|---|---|---|
| 犯罪者の子 | ||
| 経験 | UGNの裏切り者を探し出し、他のUGNメンバーの指揮をして粛清する任務をよく担当する。 | |
| 汚れ仕事 | ||
| 邂逅 | ローザ・バスカヴィルの配下として、日本支部が独走しないかを監視する任務を請け負っている。 | |
| 秘密 | ||
| 覚醒 | 侵蝕値 | 知識を貪るように生きてきた。己に知らないものがあるのが許しがたい。そこに天啓のように、膨大な量の知識が舞い降りた。 |
| 渇望 | 17 | |
| 衝動 | 侵蝕値 | 全てを把握し、掌握し、知り尽くしてしまいたい。もっと知識が、情報が欲しい。まるで砂漠で水を求めるように、自分には知が必要だ。 |
| 飢餓 | 14 | |
| 侵蝕率基本値 | 31 | |
能力値
| 肉体 | 1 | 感覚 | 1 | 精神 | 6 | 社会 | 2 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シンドローム | 0×2 | シンドローム | 0×2 | シンドローム | 3×2 | シンドローム | 1×2 |
| ワークス | ワークス | 1 | ワークス | ワークス | |||
| 成長 | 1 | 成長 | 成長 | 成長 | |||
| その他修正 | その他修正 | その他修正 | その他修正 | ||||
| 白兵 | 射撃 | RC | 1 | 交渉 | |||
| 回避 | 知覚 | 意志 | 1 | 調達 | 1 | ||
| 知識:レネゲイド | 2 | 情報:UGN | 1 |
ロイス
| 関係 | 名前 | 感情(Posi/Nega) | 属性 | 状態 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| D | 起源種(オリジナルレネゲイド) | ― | 起源種専用の侵蝕率効果表を使用する | ||||
| 父 | 史原 千治郎 | 同情 | / | 憐憫 | 誰かを殺すことでしか誰かを愛せない男。哀れで、どこか自分に似ている。 | ||
| 親友 | 旗幟原 朋晃 | 遺志 | / | 隔意 | 裏切り者として死んでいった幼馴染。終ぞ分かりあえなかったが、あんたの焼け付くような寂しさは受け取った。 | ||
| 同僚 | 佐和山 光彦 | 好奇心 | / | 猜疑心 | 怪しい男。同僚でもあるが、もしかしたら……? | ||
| 同盟 | 来守 十時 | 親近感 | / | 疎外感 | 擬態しようとする化け物。しかしそれでも日常にいようとするその姿は眩しい。 | ||
| 同盟 | 風音 朱花 | 有為 | / | 不安 | 心を成長させ自制が利くようになってきたらしいが、まだまだ未熟。 | ||
| 上司 | 霧谷 大輝 | 好奇心 | / | 隔意 | 知らないことの多いRB。だが所詮は人と人外、相容れることはないだろう。 | ||
エフェクト
| 種別 | 名称 | LV | タイミング | 技能 | 難易度 | 対象 | 射程 | 侵蝕値 | 制限 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| リザレクト | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 効果参照 | ― | |
| (Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇 | |||||||||
| ワーディング | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | シーン | 視界 | 0 | ― | |
| 非オーヴァードをエキストラ化 | |||||||||
| 天性のひらめき | 2 | メジャーアクション | 効果参照 | ― | ― | ― | 4 | ― | |
| あらゆる能力値判定及び技能判定に組み合わせることができる。クリティカル値を-[LV(下限7]する。戦闘中使用不可。 | |||||||||
| アドヴァイス | 7 | メジャーアクション | 〈交渉〉 | 自動成功 | 単体 | 視界 | 4 | ― | |
| 対象がこのラウンド中に行うメジャーアクションのクリティカル値を-1(下限6)、ダイスを+LV個する。 | |||||||||
| 戦場の魔術師 | 1 | メジャーアクション | シンドローム | 自動成功 | 3体 | ― | 3 | リミット | |
| 《アドヴァイス》と組み合わせて使用。組み合わせた判定の対象を3体に変更する。1シナリオ[LV+1]回。 | |||||||||
| 生き字引 | 2 | メジャーアクション | 〈意志〉 | ― | 自身 | 至近 | 1 | ― | |
| すべての〈情報:〉の代わりに使用して、情報判定を行える。このとき、情報収集判定のダイスを+LV個する。 | |||||||||
| 常勝の天才 | 7 | セットアッププロセス | ― | 自動成功 | シーン(選択) | 視界 | 6 | ピュア | |
| 対象が行うあらゆる攻撃の攻撃力+[LV*4]。自分に使用不可。1シーン1回。 | |||||||||
| 勝利の女神 | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 単体 | 視界 | 4 | 100% | |
| 判定を行った直後に使用。達成値[Lv*3]。1R1回。 | |||||||||
| プロファイリング | 1 | メジャーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | ― | ― | |
| ちょっとした情報から対象の人物像を描き出す。適切な《知識:》での判定も可能。 | |||||||||
| 究極鑑定 | 1 | メジャーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | ― | ― | |
| 未知のアイテムを分析し、その来歴や作成方法、使い道を導き出す。適切な《知識:》での判定も可能。 | |||||||||
コンボ
脳内辞典
- 組み合わせ
- 天性のひらめき+生き字引+コネ:情報収集チーム
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 意志
- 難易度
- ―
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 5
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 80%未満
- 6+2
- 8
- 1+2
- 80%以上
- 6+3
- 7
- 1+2
- 100%以上
- 6+4
- 7
- 1+2
- 6+2
あらゆる情報判定に使用可能。1シナリオ3回。
軍師の導き
- 組み合わせ
- アドヴァイス+戦場の魔術師
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 交渉
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 3体
- 射程
- 視界
- 侵蝕値
- 7
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 2
- 100%以上
- 2
- 2
対象がこのラウンド中に行うメジャーアクションのクリティカル値を-1(下限6)、ダイスを+7/80以上8/100以上9個する。1シナリオ2/80以上3/100以上4回。
| 一般アイテム | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 解説 |
|---|---|---|---|---|---|
| 情報収集チーム | 2 | コネ | 〈情報:〉 | 判定を行う直前にオートアクションで使用。達成値に+2。1シナリオ3回。 |
経験点計算
| 能力値 | 技能 | エフェクト | アイテム | メモリー | 使用総計 | 未使用| 10
| 0
| 164
| 0
| 0
| 174
| 0/174
| |
|---|
侵蝕率効果表
現在侵蝕率:
容姿/基本情報
癖の強く長い銀髪に黒いタレ目、眼鏡をかけて無精髭を生やしている。
性格は飄々として軽薄。常に薄く笑みを浮かべており、猫背でポケットに両手を突っ込み、休憩中はたばこまで吸っている。
声は歳にしてはやや高め。これは社交を鑑みてわざと作った声であり、本来は低いかすれ声。ちなみに酒焼け。
一人称:おいちゃん/俺 二人称:あんた/てめェ 基本的に坊っちゃん/嬢ちゃん呼び 同年代は名字呼び捨て 親しくなってくると◯◯坊/◯◯嬢ちゃん呼び
霧崎雄吾は「ボス/霧崎支部長」、ローザ・バスカヴィルは「ローザの嬢ちゃん/マム(上司の意。決して母親ではない)」
一応博士号持ち。論文もいくつか発表しているが、ジャンルに統一性がない。
プラダのアンバープールオムを愛用。わりといつもつけてる。
大学院を卒業して研究員をしていたが、UGNエージェントになってからは教師として潜入することを余儀なくされている。
酒もタバコも女も嗜む。ただし嗜む程度で、特に好んでいるわけではない。真面目でもないのでわりと好んでいると誤解される。
教師として見た目はダメダメで、真面目な教師や教頭に怒られっぱなしだが、全教科を大学院レベルまで完璧に教えられる指導力があるため、新人教師などから頼りにされることもしばしば。
普段は俗に底辺校と呼ばれる中学校や高校に、短期間の非常勤講師として働きに行き、生徒のほとんどを勉強好きにして惜しまれながら辞めるという荒業をやってのけている。
また、任務がなく暇なときは、UGNチルドレンたちに義務教育となる授業を行っていたりする。ただしかなり稀(専門がいるため)。
実はエフェクトを使うと目が一瞬だけ金色に光る。ただし本人は気づいていないし、周りもほとんどが気づいていない(こちらを向かれた状態で能力を使うことは稀なため)。
あるエージェントに「眼鏡かけた方が先生っぽいんじゃないか」と言われ、印象としてはそれもそうかと思ったために伊達メガネをかけている。
侵蝕率の上昇に合わせた衝動RP
- 80%
- 常に何かを考え込むような仕草をしだす。笑顔が消えがちになる。少々無茶な作戦もためらわないようになる。
知らない知識があることが気になりはじめ、それを埋めるための行動をしようとする。一応まだ留まることはできる、 - 100%
- 新しい情報がないとイライラするようになる。不意に話しかけると強く振り払う。自分や仲間の命を軽視しだす。
強い焦燥感が頭の隅で常に警鐘を鳴らしている。知を得ることが生きることと直結しながら、命よりも優先する事項になる。 - 120%
- 新しい知識が得られないと呼吸が荒くなる。瞳孔が開く。自分も仲間も使い捨てのコマとして作戦を立てるようになる。
死にそうなほどの飢餓感が頭を支配している。知識を得るためなら死のうが殺そうが構わないと思いはじめる。
経歴
稀代の凶悪殺人犯として世界中を震撼させた父と、元ホステスの母を持つ。
27歳、大学院のときに感染・覚醒。元々勉強が大好きで天才肌でもあった加純は、化け物じみた頭脳を手に入れた。
その衝動のままに世界中の知識をかき集めていたある日、オーヴァードの存在、レネゲイドウイルスという未知の生き物と、自分がそれに既に感染していたこと、設立されたばかりであるUGNの存在を知る。
好奇心を酷く刺激された加純は、非常勤講師であることを良いことに長い休みを取り、UGNの門戸を叩いた。
そこから加純は父と同じく、しかし自分の手は一切汚さずに、多くの命を奪うことになる。
過去と遍歴
その残忍な手口と、最終21人という凄まじい犠牲者の人数から、日本だけでなく世界中でニュースとなった、ホステス連続惨殺事件の真犯人、史原千治郎の一人息子。
その最後の犠牲者である母を、加純は自宅で、その目の前で失った。17歳の夏のことだった。
父の動機は単純だった。彼は女を、殺すことでしか愛せなかった。愛の言葉を語るのでさえ、父はナイフででしか行えなかった。それを真に愛している母に向けないために、必死で他の女を殺していたのだった。
世間はそれを理解し難い性的倒錯者として排斥した。最高裁は死刑を判決し、速やかにそれは執行された。
「アイツにゃ、だァれも大事なやつなんていなかった。お袋抜いてなァ。俺だって、話しかけてもらった記憶すらねェさ」
「それでも、アイツぁ苦しんでた。それだけは確かだ。愛する人を殺したい欲と、生かしたい思いの狭間で、アイツはずっと悶えていた」
「それを世間サマは理解しようとすらしねェってだけだった。……そんなもんさ、世間ってェのはよ」
未成年であった加純はしかし、世間のバッシングをものともしなかった。
犯罪者の息子と指さされようが、両親を一度に失ったと同情されようが、歯牙にもかけないでいた。
それは、彼自身もまた常人とは違う感覚の持ち主であったためだ。
彼にとって、自分以外の人間のほとんどは有象無象であった。興味関心の持てない、つまらないものでしかないそれらに、意識を割くことはむしろ難しいことだった。
それよりも、加純には欲しい物があった。それは"知識"。得ても得ても無くならず、常にアップデートされていく知識というもの自体を、加純は熱烈に愛していた。
「知識はいい。武器にゃなるし、いくら持ってようがちィとも重かねェ。新しいモンがどんどん用意されてっから、飽きちまうこともねェしな」
「腐んねェし、使い方さえ間違わなきゃだァれも傷つけやしねェし。だから俺ァ、知識ってのを愛しちまったのよ」
犯罪被害者支援の奨学金で高校を卒業し、アメリカの考古学系の大学を受験、特待生として入学。その後4年+3年+2年と大学、大学院で、考古学に限らず手当たりしだいに知識を吸収した。
そんな最中、27歳、大学院5年目のとき、卒論担当教授の友人であったライアン・フィランダー博士と知り合う。研究者として意気投合、加純の頭脳と知識への貪欲さを面白く思った博士に、中東の遺跡研究をしに行かないかと誘われ、二つ返事で頷いた。
それから数ヶ月、次々と発掘される遺物の研究を手伝っていた加純は、発掘されたものに僅かに付着していたレネゲイドウイルスの起源種に感染、即座に覚醒する。しかしノイマンであったために彼も周囲も特に変化に気づくことなく研究は終了となった。
飛行機事故には幸い巻き込まれなかった。そのときついでにと持っていった研究が終わらなかったため、感染後にグループを離れ別の飛行機で別の国に向かったのが功を奏した。
突然視界が開けるように、化け物じみた頭脳を手に入れた加純は、ますます知識の蒐集にのめり込んだ。この頃にはもう知識中毒と言えるほど、あらゆる知識を蓄えようとしていたが、それに限界を感じて苛立っていたところだったのだ。
今まで手に入れていたはずの知識でさえ学び直し、それでも足りずに今まで学んだことのない分野にまで手を付けた。
しかし、その頃には既に大学院からの卒業が近づいていた。仕事についてしまえば、今のように知識を貪ることができなくなるだろう。案の定それは正しく、研究者として数々の分野にて研究、発表していた矢先、稀代の天才として加純はしばしば政府の有識者会議、特に審議会に呼ばれることが増えていく。
そんなある日。政府に送られたコードウェル博士の論文を、加純もまた有識者会議で目にした。そして、新たな謎と情報に歓喜した。
「こりゃァいい、新しい玩具が見つかったってもんだ」
元々周りの人間関係などには無関心な加純は、会議終了後、突然研究室に辞表1枚を置いて学会から姿を消した。そして、UGNの門戸を叩く。
ノイマンのピュアブリード、しかも知識に随分特化し、既にほとんどレネゲイドウイルスの手綱を持ちつつあった彼を、UGNは歓迎した。
UGNのエージェントとして、時に世界さえも股にかけながら、加純は主に情報収集と軍師として、FHと戦っていくことになる。
人への関心も、レネゲイドウイルスを挟むことによって、オーヴァードやジャームにであれば向くようになっていた。
そんな矢先、幼馴染で腐れ縁の旗幟原がUGNに加入した。旗幟原は犯罪者の息子となった加純にも、変わらず接してくれていた唯一の友であった。有象無象の中でほぼ唯一と言っていい親しい存在の登場に、加純は非常に喜んだ。
旗幟原は加純とは逆に心優しく素直で、世話焼きでとんでもなく無防備だった。ひねくれた加純の側で笑いながら手を引くような、そんな友達であった。共感性が強くて、捨て犬を見ると泣き出すような人だった。
そんな彼は回復に特化した能力の持ち主で、オーヴァードであると同時にホワイトハンドとして、UGNエージェントやUGNチルドレンの検査や治療を担当しながら、ジャームを元に戻す研究に関わるようになる。
「あんときに、止めときゃ良かったんだ。優しすぎるアイツに、軍医みてェな真似は荷が重かった。人体実験するような研究者なんぞ向いてなかった。……アイツが苦しんでいたのを、俺ァ黙殺してたんだ」
「舞い上がっちまってたんだろうなァ。仲のいいダチと同じ職場で、ときどきタバコとコーヒー持って話してよォ。……楽しかったなァ」
しかし、そこで彼の人生は陰りはじめる。
きっかけは旗幟原の様子に違和感を持ったことだった。隠れての追跡に向いていない加純は、いつものように現地での情報収集を依頼して、万が一のためにと助力を依頼していた。
「まァた変なことに首突っ込みやがって。何してやがんだ」
そこにいたのは、FHに与することを了承する、親友の姿だった。
やがて旗幟原が逃亡。加純はその追跡を行うチームに組み込まれた。そこで加純は目覚ましい功績を上げる。その観察眼で、市の支部やチームに入り込んでいたFH構成員や裏切り者を、全て見破ったのだ。
少なくないオーヴァード、特に旗幟原によって治療されたり、救われたりしたオーヴァードたちが、彼のFHへの移動に賛同し加担していた。
それを、加純は全て粛清として、殲滅した。否、殲滅するように命じ、殺しやすいように指揮したのだ。
その中には当然旗幟原も含まれていて、……その処分が終わった後、メールが届いた。
『加純。これを見てるってことはたぶん、俺はもういないんだろう』
『UGNのみんなを治療しながら、思ってしまったんだ』
『なんでこんな小さな子たちが、優しい人たちが、こんなに傷つきながら戦わなきゃいけないんだろうって』
『それだけじゃない。研究のために、色んな人を苦しめてきた』
『辛い実験に耐えて、やっと笑ってくれた子が、次の日にはジャームになって、眠らせてやるしか無くて』
『そんなとき、FHに、UGNを止めないかって言われて』
『頷いちゃったんだ』
『ごめんな』
『お前をまた、一人にして』
それ以降、加純はだんだんと、UGN内の粛清任務を負うようになる。
裏切り者を僅かな情報で見抜くその観察眼と知識量、そして軍師としての才能と、仲間を殺しても眉一つ動かさない冷徹さ。
全てが裏切り者の粛清に適していたがゆえのことだった。
FHの甘言に乗るもの。自分の欲望に負けるもの。敵愾心から反発し暴走するもの。
全てを分け隔てなく、容赦なく、調べ上げ、顕にし、屠るように命じた。
そのとき必ず加純が告げる言葉がある。
「てめェらは兵だ。俺の命令を聞いてりゃいい。返事はYes以外認めねェ」
「何故ならこの任務にてめェらの意思は関係ねェからだ。道具ンなれ。心を殺せ。任務にゃ全てが邪魔だ」
「いいか。……全部俺ンせいにしろ。あんたらは、何も悪かねェ。全部の責任は、俺に押しつけちまえ」
「俺は人殺しの息子だから、仲間を殺そうが心なんざちっとも痛かねェからなァ」
周りはその言葉を、同情と優しさ故の言葉と受け止め騒いだが、実は全くの本心であった。
オーヴァードになる前から、加純は何も変わっていなかった。興味のないものは、興味を失ったものは、彼にとって道端の石ころより価値がない。
かつて仲間であった者たちを皆殺しにしたとして、かつて親友であった男を失ったとして、全く心は削れなかった。むしろ、裏切り者の心に対する興味が募った。
もしかしたら、実はあのとき親友を殺すように命じたときに、大事なものが壊れてしまって戻らないのかも知れないが。
そんなある日、ローザ・バスカヴィルづてに、中央評議会から命令が下った。
「日本支部を監視し、その独走を阻止せよ」
加純はそれに、何の感情もなく頷いた。何のことはない、監視をすることで新たに何か知識が得られると思ったからだ。
何故UGNを裏切ろうとする人物が出てくるのか。彼らは一体何を考えて、何のために裏切るのか。
彼は今日も、飄々とした仮面の下、極めて冷徹かつ鋭敏に、周りの人物全てを観察している。
その他メモ
成長計画
2倍振り、1回20点と仮定
1話終了:「天性のひらめき」+1、「常勝の天才」をレベルアップ(2~3)
2話終了:「常勝の天才」をレベルアップ(2~3)、余った場合「生き字引」レベルアップ(1~2)
ムーンレスナイト ハンドアウト
第一話
PC4 UGNエージェント、N市公立高校に教師として潜入
ロイス:霧谷雄吾 推奨感情:P尊敬/N食傷
カヴァー/ワークス:教師/UGNエージェント
キミはUGNエージェントである。霧谷雄吾はキミにN市公立高校での潜入調査を行うように
命じた。FHが同校へエージェントを送り込み、セルを作ろうとしているらしい。
折しもN市では連続通り魔事件が起こっていた。何かあるのかもしれない。
「ほーォ、通り魔ねェ。随分とまあ懐かしい響きだ」
「公立高校、めんどくせェんだがなァ……ま、何とかなんだろ」
「さァて……今回はどんな知識に巡り会えるかなっとォ」
第二話
PC4:史原 加純
UGNのエージェント。N市公立高校に教師として潜入。
ロイス:月原朝芽 推奨感情 P好意/N猜疑心
キミはUGNエージェントとしてN市公立高校に教師として潜入している。
そんなキミが職員室で支度をしていると月原朝芽を先頭にした”新執行部”を名乗る生徒たちが
やってきた。
月原は新たな指導要綱を突き付け、学校の変革を要求するのだった。
「あの月原とかいう嬢ちゃん、一遍頭直接弄ったほうがいいんじゃねェのか……」
「しっかしねェ、指導要綱たァ勝手に作れねェはずなんだがなァ……一体だァれが悪さしやがったんだか」
「まァ、日本の教師ってのは滅私奉公って言うからなァ。動いてやりますかァ」
第三話
PC4:史原 加純
UGNのエージェント。N市公立高校に教師として潜入。
ロイス:佐和山光彦 推奨感情 P好意/N猜疑心
N市公立高校に潜伏してしばらくのこと。同僚の佐和山光彦がキミに問いかける。
「本当に今のままでいいのだろうか、親友の想いを受け継ぐときではないか」
もしかしたら彼もこのように誘われたのだろうか。そう考えながら最後の選択をする。
「何言ってんだァコイツ。アイツの思いだァ?」
「それを知れたら世話ァねェんだよなァ……死人にゃ口も思いもねェのよ」
「……それになァ。あいつァ生きてたらこういうだろうよォ。『UGNもFHもゼノスも、みんな戦わなくていい世界になればいいのに』ってな」
「そんなやつだよ。旗幟原 朋晃って男は。甘っちょろくて、平和主義で、……愛情深い奴さ」
他PCとの関係
PC1 来守 十時(くるす ととき) 高校生/UGNエージェントC
第一話前 印象
臆病だが勇敢さも持ち合わせている少年。呼び方は「来守の坊っちゃん」
気弱そうな彼が旗幟原に重なり、その優しさを重んじる反面、精神を危惧している。
彼が戦闘に特化したオーヴァードであることを知り、その心が潰れないよう見守ろうとしている。
「若いっていいねェ……まあ、アイツよかしっかりしてるみてェだがなァ」
第一話後 印象
優しいというより、極端に非オーヴァードであった頃に固執している印象。呼び方は変わらず。
気弱なのは意外と演技が勝っているのに気づいた。今はそうでもないのかと興味をそそられている。
心は潰れないだろうと考え直すと同時に、その志がUGNに沿うものであり、そういった意味では安心した。
「いやあ、思ったより肝の据わったやつだったなァ……しっかり守れよ、坊っちゃん」
第二話後 印象
完全に考えを改めた。あれはどちらかというと、こちら側。羊の皮をかぶっている一人だ。
戦闘中の仕草、視線の動き、気配、全てが物語っていた。気弱そうな見た目に引きずられていた自分に少し呆れる。
自分や父よりもずっとずっと日常にこだわる彼の軛をコントロールできるのであれば、積極的にしてやりたい。
「裏返った日常を知ってもなおしがみついて離さないたァ、根性据わってるやつだ。いいねェ」
PC2 風音 朱花(かざね しゅか) 高校生/UGNチルドレン
第一話前 印象
血気盛んな嬢ちゃん。呼び方は「風音の嬢ちゃん」
12年前にFHの春日恭二から勧誘を受けていることを突き止め、保護するように手配した。
悲しみを代価にした遺産継承者であることから、ストッパーがないことを懸念している。
「元気なこった。別にいいと思うぜェ? ただ、大事なモンを失う前に気づけよォ」
第一話後 印象
思ったよりも戦いの場に駆けつけたりとかといったことはしない様子で、成長したのだなと少し見直した。
……と思いかけて、「これたまたま気づいてなかっただけか」と思い直す。引き続き見ておくことは変わらない。
今度ゆっくり話してみたいとは思っている。元気そうで何よりだが、どうも勉強は大丈夫か心配。
「いや、ボスもそういうのは気にするタチだかんな……義務教育じゃねェが必要なことは多いからな、潜入するにも」
第二話後 印象
短気ではあるが、それを堪える我慢強さが芽生えつつあるのを感じて安心している。
まだ未熟ではあるし、仇敵を見ればすぐにすっ飛んでいくだろうが、今のところはすぐにエフェクトに訴える様子もない。
この短期間で心を成長させていく彼女の伸びしろに、興味が尽きない。
「あんたの中にあるモンは、煮詰めてこそのシロモンだ。雌伏を覚えりゃ、きっとあのクソも一人で相手どれるだろォさ」
PC3 霧谷 大輝 UGN支部長/レネゲイドビーイング
第一話前 印象
噂に聞く霧谷支部長の義弟。呼び方は「大輝支部長」
強力なレネゲイドビーイングでありながら随分と人間に友好的なことに疑問を覚えている。
恐らく北欧神話の存在と同一であろうという仮説を立てており、立証したくて仕方ない。
「まあ燃やされっちまいそうだからしねェけどな。いやァ、怖い怖い」
第一話後 印象
聞いていた数十倍好戦的でめちゃくちゃ驚いていた。いやあんた何してんだ!?
それと同時に思ったよりも奔放なだけではない様子を見て、やはりロキというだけではないのかと思案中。
それが彼の気質なのか、それとも何か別の要員なのか、知りたくてうずうずしている。
「心理検査が一番手っ取り早ェかなァ……ただあれ時間かかっから逃げられそうだしな……」
第二話後 印象
最後の戦闘で片鱗を見せた彼の正体にやっと得心した。同時にその長命さに興味が向かっている。
落ち着いた振る舞いもできる道化という印象。その辺は神話と変わらねえのなあ……。
彼のレネゲイドビーイングとしての見解も今回聞いてみたいところ。
「教師ってなァ愉しいだろォ? あんたもこういうの好きだろうなとは思うぜ」
NPCとの関係
霧谷 雄吾 UGN日本支部長
第一話前
UGNの門戸を叩いた時、日本支部長は驫木源十郎であったため、霧谷がその秘書であったときからの仲。
一回り以上年下の彼が現在、分刻みのスケジュールで駆けずり回っていることを、内心苦々しく思っている。
ときどき現場にいる霧谷を見つけては首根っこを掴みつつローザに連絡を取る。その気質には尊敬を抱いている。
「アンタ、エフェクトに頼って健康保ってるクチだろ。いい加減部下に頼るってことを覚えろよ。そのうち倒れンぞ」
ローザ・バスカヴィル UGN日本副支部長
第一話前
実質の上司。関係性は極力秘匿しており、基本的に誰にも話さず、連絡もほとんどしない。
中央評議会からの指示は基本的に彼女からもらう。その際は符牒を使った書面、暗記次第燃やしてそこから解読している。
イイ女なのになァ、なんて嘯いているが、その忠誠心は固い。彼女が裏切れといえば、日本支部を裏切ることも辞さないだろう。
「イエスマム。……ったく、おじさん扱いの荒い嬢ちゃんだ。いやァ、男冥利に尽きるねェ」
八重樫 若菜 N市公立高校生徒会長
第一話 後
元気な嬢ちゃん。生徒会長と言うには少し気さくすぎないかと思うが、そこが長所なのだろうと見守っている。
第二話 後
今回の被害者。大変な目にあったことに同情しつつ、その求心力は非常に興味深い。
今後は前の通り生徒会長として頑張ってほしいと思いつつ、そういうわけにいかないんだろうと予測。
七海 弓花 N市公立高校生徒
第一話 後
新たなるオーヴァード。N市に所属することになったらしいと聞いて、ちょっと同情の気持ちもあったり。
このまま十時くんとしっかり絆を持っていてくれと願っている。……そして、それが切れることのないように祈っている。
月原 朝芽 N市公立高校生徒
第一話 後
随分と鼻の良いというか、カンの良いというか、少し心配になってくる知りたがり。
友達のために知識を集めようとする彼女には、同じ知を集めるものとして親近感を覚えると同時に、危機感も持っている。
忠告は本心。友達のためなんて甘い気持ちで覗き込めば、疑心暗鬼にとらわれて戻ってこれない世界であるから。
だからさっさと引き返してほしいし、何度でも追い返すつもりでいる。
「あんたみたいな優しいやつを、俺ァ知ってンのさ。だから、あんたはこっちに来んな」
第二話 後
被害者その2。純真というか、真っ直ぐすぎるんだろうなと分析。そのため騙されやすいんだろうなと見守り態勢。
知識欲というか、好奇心旺盛なところは健在そうで何より。少しレネゲイドウイルスの関連に耐性があるかと思ったが違った様子。
今後も少々心配なので見守るつもり。ところでなんでおいちゃんとこばっかり来るんだ?
***旗幟原 朋晃
第二話 後
「あんたに良い報告ができそうだぜ、トモ」
「全く、あんなクソ野郎に騙されやがって。馬鹿野郎が」
「まあでも、あれだ。……あんたの名誉が少しでも回復できりゃ、今は良いさ」
セッション履歴
| No. | 日付 | タイトル | 経験点 | GM | 参加者 |
|---|---|---|---|---|---|
| フルスクラッチ作成 | 4 | ||||
| 1 | 2022/04/16 | Gray Phantom | 20 | グラヴィティさん | み~んみんみんさん黒さんYamaneさん高梨千里 |
| 2 | 2022/8/27 | Kingdom Come | 20 | グラヴィティさん | み~んみんみんさん黒さんYamaneさん高梨千里 |