20XX年。

君たちの住む街は。
否、日本は。
"腐っていた"

環境を大事にしろだの人類は平等であるべきだの、胡散臭くも耳障りの良い言葉を叫ぶ団体が幅を利かせ。
海外から流れて来た新興宗教が、信仰の自由を建前として人々の心に入り込み。
いざ選挙をやれば同じ顔触ればかりが当選し、自分たちの利権だけを守り続ける。

ヒルのような連中が社会に根深く浸透し、甘い汁を吸い続け、大きな問題からは目を逸らし続ける。
誰もが皆、気づいていた。この日本は、腐っていると。
しかし誰もがまた、気づいていた。この日本は、変えようがないと。
留まりようのない腐敗。悪が、理不尽が蔓延る図式には終わりがないと。

それもそのはず。
この世界の裏側には……"パレス"と呼ばれる異世界が。
人々の無意識に。深層心理に。認知の奥底に。
邪悪なる意志を持つ王が生み出す悪魔城が存在しているのだ。

パレスの中では、悪しき王は絶対的な権利と超常の力を持つ。
王はそれを利用して、人々の心を操り、禍々しき力を蓄え、金も物も命さえも生み出す。
国家権力を以てしても暴けぬ場所で悪逆非道を働き、世界を裏側から支配しているのだ。

しかし。
王が絶対となるパレスの中で、唯一抗うことのできる力を……
立ち上がる者たちの胸に宿る叛逆の意志を、この世界ではこう呼んだ。

レネゲイド？
オーヴァード？
否。

―――"ペルソナ"と！！！

ダブルクロス The 3rd Edition
『PERSONA5 DOUBLECROSS』
ダブルクロス、それは裏切りを―――
そして、叛逆を意味する言葉！

初期作成（130点）
追加経験点（40点）
能力値の上昇専用点（30点）
ペルソナスキル専用点（20点）
メモリー専用点（15点）
イージーエフェクト専用点（4点）
初期作成の時点では、以上合計239点をキャラクターメイキングに使用することが出来ます。
以降、1話ごとに全体の経験点を5点ずつ上乗せし、更にセッション参加者にはバックトラックの結果に応じて最大で5点の経験点を配布します。

また、今回は以下のユニークデータおよび、公式データを採用します！
①ユニークエフェクト（全データ）
②ユニークアイテム：汎用（ゾディアックユニット：〇〇を除く）
③Ｄロイス修正
④ユニークアイテム：「PERSONA5 DOUBLECROSS」専用
⑤ペルソナスキル

なお、今回は以下の公式データおよびユニークデータは、世界観の都合使用禁止とします。
Dロイス「賢者の石」「UGN専用Dロイス」「FH専用Dロイス」「レネゲイドビーイング専用Dロイス」
ユニークアイテム「ゾディアックユニット：〇〇」すべて
エンブレムデータすべて

また、今回のキャンペーンでは、シンドロームの能力はパレスの中でのみ発現するため、
パレスの外のシーンでは
「ジェネラルアイテム（常備化や購入判定で入手したアイテム）」
「5点以下の経験点を消費して取得したエフェクトやユニークアイテム」
のみとします。
例：オープニングフェイズの購入判定で、《無形の影》や《妖精の手》を使用できない。

PCたちは全て、衆尽学園に通う中学生あるいは高校生であり、
現時点ではまだ一般人です。
オーヴァードへの覚醒もペルソナの発現も果たしていません。
日常に色んな不満や不安を抱えた、ひとりの子どもとしての設定を作成してください。

なお、データは覚醒後を前提としたものをビルドしてもらって構いません。
また、発現することになるペルソナの設定も作成してください。

◎個別オープニングについて
PCの設定をGMが確認して、キャンペーン開始前に、ひとりひとりに対して個別のオープニングを行ないます。
その中で、己の中に眠るペルソナが目覚めることになるでしょう。
なお、ひとりにつき20時から24時の一夜開催を予定しています。

キャラクター作成時において、[顕現型][独立型][人格型]の3タイプのいずれかひとつのペルソナを設定する。
それぞれのタイプごとに、[ペルソナスキル]を２～３個内包したグループが存在する。
これを[マントラ]と呼ぶ。
高位の[マントラ]を習熟するには、下位の[マントラ]の[ペルソナスキル]を最低でも1つ取得しなくてはならない。
また、[汎用]のペルソナスキルはどのタイプのペルソナでも取得することができる。

[ペルソナスキル]を取得するためには、経験点を消費する。
ただし、初期時で20点、5話（1サイクル）終了ごとに5点、
[ペルソナスキル]の取得専用の経験点を配布する。

[ペルソナスキル]は、独自の制約がない限り、同じタイミングのエフェクトと組み合わせて発動できる。
[ペルソナスキル]の発動には、[SP]を消費する。
[SP]の基礎値は「5」とし、
5話（1サイクル）終了ごとに+1される。
消費した[SP]はセッション終了時に全回復する。

[ペルソナスキル]はエフェクトとしては扱わない。
エフェクトを打ち消す効果やコピーする効果の対象に取ることは出来ない。

エネミー用ペルソナスキルは以下のルールを持つ。
・シナリオに登場するエネミーに限り取得できる。PC、およびNPCは、コピーエフェクトを含むあらゆる手段で取得できない。
・エネミー用ペルソナスキルの発動を打ち消すことはいかなる手段を用いてもできない。
　また、発動したエネミー用ペルソナスキルを解除することもできない。
・エネミー用ペルソナスキルは、ひとつにつき、Eロイス1個分として扱う。

"怪盗団"を結成するPCやNPC達が、その団結の力によって発動できる、特殊かつ強力な効果。
チームコマンドは条件を満たしたときにオートアクションで発動することができ、
その発動はあらゆる手段によって阻害することができない。
また、チームコマンドの対象には、PCおよび、怪盗団に参加するNPC、
あるいはその場限りでも志を共にするNPCをすべて選択することができる。（あえて選択しないことも可能である。）
また、すべてのチームコマンドは最大LVが5まで設定されており、レベルアップによって効果がより強化される。

初期段階では、「バトンタッチ」と「総攻撃」をLV1で取得しているものとして扱う。
その後、10話ごとに、各PLで協議のうえ、
新規のチームコマンドをLV1で取得するか、取得済みのチームコマンドのレベルを1上昇させるか選ぶことができる。
なお、チームコマンドのリビルドはキャンペーンを通して3回まで行なうことができるものとする。

同行NPCが[選択可能]となっているアリスGMのセッションに、独立して行動するNPC連れていくことが可能です。
誰を連れていくかは参加決定したPLが相談のうえで決めること。
また、同じNPCを同じサイクルのシナリオで2回以上登場させることは出来ません。

全体経験点が50点を迎えるたびに、一律で以下の強化が施されます。
◎《生命増強》のレベル+1。《生命増強》がレベル10の場合、《生命増強Ⅱ》をレベル1で取得する。それ以降は《生命増強Ⅱ》のレベル+1。
◎主に攻撃に使う技能値ひとつに10点分の成長。（成長できなかった場合持越し）
◎エフェクトの取得、あるいは成長を4択のうちから1つ。PLの投票によって決定。

初期状態では、「明智吾郎」「喜多川祐介」「マリィ」「ルーシ・マケバ」の4人から選択することが出来ます。
シナリオの状況に応じて、この選択肢が増えることもあれば減ることもあります。

アリスGMのセッションには、常に"ナビ"安和すばるが同行します。
彼女は戦闘には直接参加しないものの、戦術支援NPCとしての支援を行ないます。
また、PCが求めれば、パレスの攻略方法や戦闘の運び方についてアドバイスをもらうこともできます。

全体経験点が50点を迎えるたびに、戦術支援が強化されます。
固定で強化される部分と、PLの投票にとって強化される部分があります。

P5Dでは、1卓ごとに全体の経験点を+5点ずつ上乗せしていきます。
それとは別に、卓に参加した人には「PL経験点」が以下の通りに配布されます。
GM：5点
サブGM：3点
PL：バックトラック時の結果による点

◎PL経験点の使用について
PL経験点は以下のように使用できます。
ただし、①以外の用途で使用する場合必ずアリスGMに声をかけてください。
①自分が所有しているPCから一人を選び、そのPCの経験点として使用する。
ただし、一人のPCに対して使用できるPL経験点は150点までとする。
※今回は、使用上限を最初から150点とする分、途中の随時解放を行なわないものとします。
②PL経験点を15点使うことで、自分が所有しているPC一人をリビルドすることが出来る。
なお、初回のリビルドは無料とする。
また、リビルドすることが出来るのは原則経験点の使い方のみとする。
それ以外の部分（特にシンドローム、衝動、Dロイス、出身）を変更する場合は要相談。
③PL経験点を40点使うことで、3人目のPCを作成する権利を得ることが出来る。
4人目のPCを作成することは出来ない。
④ PL経験点を20点使うことで、作成したキャラクターを1人削除することが出来ます。
⑤PL経験点を50点使うことで、作成したキャラクター1人の固定ロイス枠を3つから4つに増やすことができます。

◎バックトラック失敗時の処理について
バックトラックに失敗しても、そのPCはベルベットルームの中でチェーンソー捌きを得意とするラヴェンツァの手術を受けて事なきを得ます。
ただし、チェーンソーでの開腹手術（麻酔無し）を伴うため、心身への負担が非常に大きく、結果としてそのPLはPL経験点を30点失うものとします。
経験点を失った結果、使用している経験点が所持経験点を上回った場合、所持しているエフェクトやアイテムを手放すという形のリビルドをしてもらいます。

中高一貫の大規模校。
ありふれた進学校でありながら、充実した就学支援制度、アクセスの良好さ、そして制服の可愛さ、部活動の活発さ、
様々な要因が重なって、その人気は相応に高い。

しかしながら、多様な生徒を抱えるぶん生徒指導の問題は絶えず、教師陣の中にもヒエラルキーめいたものが存在する。
表彰を繰り返す部活動や、大学への進学実績が積み重なる裏で、いじめや差別、偏見や非行が常に渦巻いている。

秀尽学園に通う生徒たちの主な活動区域。
ファッション、トレンド、ビジネス、観光がギュッと集約された若者も大人も楽しめる街。
娯楽にはとにかく事欠かず、しかし繁華街を離れたら住宅街やマンションも充実している。
しかしその一方で、ハメを外した若者たちや、街宣を繰り返す宗教団体、環境保護団体により、治安は悪化の一途を辿っている。

最近特に話題になっているのは、環境保護団体"プラズマ委員会"の広告塔であり、甘いマスクが心を奪ってやまない"N"。
4人組のアイドルガールズバンドグループであり、東京ドームを埋め尽くすほどの驚異的集客力を持った"ダイヤモンドダスト"。
神に祈れば等しく救われるという考えを主軸としながら、
AIアプリケーションの導入により加入も儀式もハードルを落とした新興宗教"惺教"など。

【トレーラー】
朝起きて、顔を洗って、着替え。
白米と味噌汁、卵焼きの簡素な朝食を済ませ。
時間に余裕を持って最寄りの駅へと向かい。
電車の座席に腰掛ければ、蒼山一丁目まではスマホ片手に暇つぶし。
ネットニュースに流れる事件や事故を、ぼんやり他人事のように眺めていく。

それが、彼方かこ。
君が過ごす、平凡で平和な毎日だった。
だって、君にとっての世界は君に見える範囲でしか存在していないのだから。

遠いどこかで続いている紛争も。
想像できない悪意が起こす凶悪犯罪も。
そして、"生まれる前に起きた惨劇"も。
君には関係のない話なのだから。


けれど、今日は違った。

電車を降り地下鉄のホームに踏み出すと、そこに広がるのは普段の景色ではなかった。
赤黒く変色した壁に天井。
あちこちから生える奇妙な植物。
肌にまとわりつく異様な空気。

待ち構えるのは、2人の男。
黒い肌に、獣の耳。
身の丈に合わないほどの巨大な斧を担ぎながら、君を鋭く見据えていた。

迷い込んだ場所は、さながらダークファンタジーの世界観。
君の戸惑いなどお構いなく、彼らは口を開きだす。

『よぉ。会いたかったぜ。"人殺しの子"さんよ。』

『忘れもしない。あの日から僕たちの運命は狂っていったんだ。』

『そうだな。メメントスの中じゃこうしてられるが、現実の俺たちは未だミイラだ。』

『君の両親、死刑が決まっているらしいね。……だからなんだ。命ふたつで何が償えると思ってる。』

『つぅわけだ。いきなりで悪いが、俺たちが全てを失ったのも"いきなり"だったからよ。』

『……じゃあね。』


そして。
憎悪と憤怒に満ちた双刃が、君に振り下ろされた。