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　これはこのシナリオに関わったPCが死ぬまで付き纏う災難だ。
　ミドルフェイズシーンが終了するごとに1d10を振り以下の項番のシーンを一つずつ選出し、演出すること。一度演出したシーンは除外すること。
　また、特殊シーンのため、登場判定は必要ない。怪異シーンで死亡した場合のリザレクト分の侵蝕率は上昇する。
　複数人でプレイする場合はそれぞれのPCごとに演出すると良い。


1.白い目で見る
◆解説
　このシーンはファンブル扱いなのでダメージが大きい。
　意識を取り戻しても侵蝕率の上昇や怪我が残る。決して夢ではないことを悟るだろう。
　後日聞いたところそんなトラックは存在しないことがわかる。
▼描写
　キミは雨が降る中、傘を差して歩いている。ふと、周りの傘を持つ人々が一斉にキミに向かって振り返る。その人々の顔を見ると、全員白目を剥いていた。
　その瞬間──ドン、と横から衝撃が訪れ自分がトラックに轢かれたのだと気が付いた。
　PCは4d10のダメージを受けて気絶する。


2.胃がひっくり返る
◆解説
　運が良ければPCはこのシーンまでにダメージを受けないので戦闘不能になることは少ないことを想定している。
　今後もPCはたびたび邪毒にかかったように苦しみ続けるだろう。
▼描写
　キミが飲み物を飲むと鉄錆びのような味がする。見るとコップの中身が真っ赤に染まっていた。咄嗟に口の中のものを吐き出すが、嘔吐が止まらない。内蔵が痛み出し床が血に染まっていく。
　PCは12のダメージを受ける。気が付くと飲み物は元に戻っていた。


3.瞳に映る
◆解説
　風呂場でのシーン。PCの選択によってダメージを受ける受けないが変わってくる。
▼描写・セリフ
【登場NPC：子供？】
　キミは浴室の鏡の前でシャワーを浴びていた。いつも通り瞳を閉じて、開ける。繰り返していると
「だぁるまさんがあ、ころぉんだぁ」
　目を開けた鏡越しの背後に子供が覗き込んでいた。
何もしない、動かない→「あそばばいんだあ……」と詰まらなさそうに消えていく。
振り向く→「うごいたぁうごいたよぉ」と笑いながら首を絞められる。とても子供の力ではない。ワーディングは効かず、レネゲイドの力を使っても何故か振りほどけない。3d10のダメージを受けて意識を失う。


4.耳を打つ
◆解説
　就寝前のシーン。PCの選択によってダメージを受ける受けないが変わってくる。
　鼓膜が破れてもオーヴァードなので次のシーンには回復している。
▼描写・セリフ
　キミがいつも通り過ごしていると、遠くから声がする。壮年の男性の声だ。
「おーい！」
　無視していてもずっと呼びかけてくるがだんだんと近づいてくるのが分かる。
「おーい」
無視する→「おーい！って言ってるのに、なんで答えないの？」
　耳元で怒鳴られて静かになる。
返事をする→「返事したなあ？お前、返事したなあ」
　耳に尖ったような物を入れられた感覚と共に何かが破れるような音と共に静かになる。
　PCは2d10のダメージを受けてシーン間耳が聞こえなくなる。


5.後ろ髪を引かれる
◆解説
　夜道を追いかけられるシーン。
▼描写
　キミは帰宅や用事で夜道を歩いていた。駅から出て少し歩いたところでカツカツカツと追いかけるようにヒールの足音がする。歩くスピードを変えてみるとキミにぴったりと合わせてくるようだ。
振り向く→真っ赤なワンピースを着た女がありえない速さで追いかけてきていた。顔を見ると、真っ黒で何も見えない。
　PCは難易度7の〈回避〉を行う。
成功→寸でのところで扉に滑り込むことができる。途端に背後で扉を強く叩き付ける音が響き渡った。
失敗→赤いマニキュアをした長い爪に肩を掴まれてしまう。1d10のダメージを受けて気絶する。


6.身震いする
◆解説
　PCの身体に不調が出るシーン。
▼描写・セリフ
　眠りから目が覚めるとキミは身体が熱いことに気が付く。体温を測ると40度近く熱があった。
　更に体中が痒い。感染症にでも罹ったかのようだ。特に痒みの酷い首元や肘や膝の裏、腋、脚の付け根を見ると膿の滲んだ発疹ようなものができている。
　高熱は解熱剤では下がらない。三日三晩続いた。
病院へ行く→検査をしても異常が見つからない。抗生剤と殺菌作用のある塗り薬を処方される。
　熱が下がらないまま無理に行動する場合、次のシーン間であらゆる判定ダイス-1個する。


7.手が掛かる
◆解説
　手が掴まれるシーン。
▼描写
　キミはいつものように家の戸棚を開く。目的のものを取り出そうと手を入れると手を掴まれる。
　PCは難易度10の〈白兵〉を行う。
成功→振り払える。
失敗→1d10のダメージを受けて手首が切り落とされる。手首は次のシーンで回復する。


8.髪を掴む
◆解説
　鞄に自分のものではない髪の毛が入っている。
　PCとは違う色の髪色で描写すると更に不気味さを増すだろう。
▼描写
　キミが外出先で鞄から何かを取り出そうとする。手探りで伸ばした指に何か糸の塊のようなものか触れる。引き出してみると長い黒髪だった。


9.顔色を窺う
◆解説
　ダメージ量は少ないが事前に自分で気が付けないため周りに不審に思われる可能性がある。
▼描写・セリフ
　キミが普段通りに過ごしていると知り合いに「その傷、どうしたんですか？」と声を掛けられる。見ると体中に身に覚えのない無数の引っかき傷ができていることに気が付く。
　ダメージを1受けていることに今気が付く。ステータスに反映すること。


10.耳を疑う
◆解説
　バーチャルアシスタント、ロボット掃除機やスマートスピーカーが自宅にあるPCにはダイスロールなしで演出してもいいかもしれない。
　音量調節は利かないが電源を落とせば止まる。
▼描写・セリフ
【登場NPC：合成音声】
　キミが家で過ごしているとふと、スマホ(掃除機、スピーカー)が勝手に起動する。
『つぎは……ツギハ、ツギハツギハツギハツギハツギハツギハツギハツギハツギハツギハ』