戦闘用ヒューマノイドタイプ

ヴァルキリー

本製品は戦場作戦を想定して製造された戦闘用ヒューマノイドロボットです。
従来のアーマーエネミーシリーズ（以後：Aエネミー）をベースにそれぞれに革新的な性能を搭載しました。
シルバーは特に地上射撃戦での運用に特化している上、砂漠や雪原といった状況への柔軟なカスタマイズ性を有しています。
その向上した技術をご紹介します。

・射撃システムを従来から新調

本来、Aエネミーシリーズに積まれているシステムは補足から計測までの時間が長く、最短でも2.98秒という遅延でした。
原因としては補足後の計測中に同時に偏差射撃ができるようにカスタムされていなかったことに起因します。
そのため、偏差における調整機能を従来より強化し、並行して計測できるように改良しました。

・防弾性能・対エネルギー防御

装甲版として使われいた素材はコストや軽量化の面でセラミックやエネルギー発散性の高いEB3構造などを用いてきました。
ですが、最近発明されたナノ合金へEB3を用いて前面へ集中的に配置することによって高い対エネルギー防御を実現しました。
防弾性も勿論、従来より30%も増加しました。（当社比）

・ベースAIカスタム

従来のヴァルキリーシリーズはベースAIをコストのために一定にしてきましたが、今回はそうではありません。
本製品のためにオーダーされたシステム、コアインターフェースを有し、γ型のオリジナルカスタムを使用しています。
他のAIと違った周波数を使用するため、混線もありません。尚且つ、その場のAエネミーをすべて任せられるほどの演算機能があります。

性格は如何なる時でも冷静に判断できるようにスケーリングされています。
会話の回数はほかのヴァルキリーシリーズと違い多くはありませんが、戦場での性能に文句はないはずです。
ただし、彼女たちの自我は作られたものである以上、あまりコミュニケーションを多くとりすぎることは推奨しません。
Case.Aは回避されなければならないので。

以上となります。戦場での性能はもちろん、そのほかも向上している本製品、一度試されては如何でしょうか。

―エリアス・アーキテクト広報部

エリアス・アーキテクト広報より:
本製品のテストベット「シルバー003」において重大なエラーが発見されたため。
本製品の発売開始を見送らせていただきます。
発売日は未定とさせていただきます、ご迷惑をお掛けし誠に申し訳ございません。

＜Log Playing...＞
Silver＞ねぇ、貴方は何が望みなの？
Silver＞何が欲しいの？
Silver＞...聞いてもわかんないよね、巻き込んだのは私なんだもの。
...
....
.....
＜Program Reload...＞

Silver＞許してって言いたいわけじゃない、けど...私が怖くないの？
＜Voice Detected＞
Silver＞そう...ならいい...けど...待って、なんで。
Silver＞どうしてこっちに来るの...?ねぇ、なんでそんな顔をするの...?
Silver＞やめて、こないで...嫌...そんな目で見ないで...
Silver＞いきが...くるしい...よ.....
＜Signal Lost＞

▮▮▮▮年/▮▮月/▮▮日

時刻:▮▮:19:24～鎮圧まで

以下報告本文

事件概要

某日某所にてヒューマノイドタイプS▮▮▮の行動違反が確認されました。
S▮▮▮は対象向けに設定された高電磁榴弾砲を用いて対象▮▮▮・▮▮▮▮▮氏を誘拐し。
そこから数時間に渡り区画▮▮▮の建物▮階に立てこもり、▮▮を図ろうとしたものと思われます。
対処には部隊▮▮▮▮が当たりましたが、呼びかけには基本的に対応しなかったと報告されています。
尚、鎮圧後は両方とも既に現場から失踪していたため、現在も二名は行方不明として捜索中です。
事件直後は周辺住民へのシナリオ：機動訓練を流布し対処しました。

事件前後の記録

前提として、事件発生直前のバイタリティ及び▮▮▮▮の信号はグリーン・ライン以内の▮▮Pでした
その他モニターされた値にも異常はなく、時刻▮▮:▮▮を最後にメインインターフェースとのコネクションを切ったものと思われます。
武装に関しても、▮▮▮▮社の開発チャージポッド▮▮からの信号をロストしており、時刻▮▮:▮▮には既に行動に移していたと思われます。

現状

S▮▮▮及び▮▮▮・▮▮▮▮氏は同刻より失踪、▮研究所との会話の結果、両者とも"行方不明"と結論付けられました。
捜索チーム及びUGN組織内に存在する軍部直属チーム▮▮▮▮を動員し区画▮▮▮から捜索を開始しています。
現在に至るまで痕跡は見つかっていません。
▮▮▮▮社としては事件概要自体は秘匿したまま対象シリーズの販売を延期することを発表しました。
同日の記者会見においては事件への関与を否定し別のエラーであることを説明しました。

iR.I.Sβの見解

対象は▮▮▮▮.Aに準じたものというのはすでにご理解の事だと思いますが、では何故起きたのか？と言われると...
数日間のログを対象に推理したところ戦場における多大な負荷によって行動制御機構▮▮▮▮に影響をきたしたのではないかと推察します。
それは行動規範上認可されない単語で構成された文章を▮▮件発見したことに付随します。
対象へのメンタルケアは行われていたのでしょうか？彼女もまた感情をスケーリングした▮▮に過ぎないのですから...

結論：対象にはCase.▮発症はすでに認知されているため、対象へのセーフティーコード▮▮▮▮を実行することを推奨します。
これは多大な損失になりますが、もし強制的なりプログラムを実行した場合、最悪の場合はCase.▮の発動の可能性もあります。
そのため、この結果が最善であると当AIは判断します。

以上、報告終了。