彼女は事件での自身の行動を悔いている。周囲は不可抗力であったとか、むしろ正しい行いであるとか彼女を励ましたが、彼女にとっては過ちでしかなかった。彼女が自罰的なのはそんな罪悪感からかもしれない。

　本件はFHによるN市ショッピングモールでの事件である。人質となった47名のうち6名が死亡。実行犯のFHは5名。犯行声明として人質解放の代わりに”星見の一族”の情報を要求。「安重恩」「ガリレオ・プリンツィプ」「イリーナ・ペロフスカヤ」「津田冤蔵」4名は拘束されたが、1名「ジョン・ハーヴェイ・オズワルド」が事件で死亡した。
　なお、FH1名を殺害した人物はオーヴァードに覚醒直後の「土御門 玲」である。襲撃者に対しての行為であること、能力の覚醒直後で意思能力が欠如していたことを考慮すると、違法・有責性はないと判断できる。
　以後彼女の経過観察を行い、その能力を適切に取り扱う為UGNへの所属を打診する予定である。　
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　古代日本、平安時代に存在した陰陽師の一族とされる。占星術に優れた一族とされ、吉凶の判断・暦の編纂に優れていたという。曰く一族の長になる者は人並み外れた目を持つ者とされ、昼でも星の動きを観測できたとされる。
やがて明治時代となり陰陽師の職が消滅するとともに歴史の闇に消え、足取りをつかむことができない。
民啓書房『星見の一族-歴史に消えた慧眼の一族-』より

　彼女はショッピングモール襲撃事件にてオーヴァードに覚醒したとされる。しかしそれは正確ではない。彼女は生まれつきエンジェルハィロゥの能力を有しており、ところどころその片鱗が見え隠れしていた。そしてショッピングモール襲撃事件にて完全に覚醒したのである。なぜ、生まれつきオーヴァードの力を有していたのか？その答えは彼女の血筋にある。彼女は”星見の一族”の末裔である。”星見の一族”とはエンジェルハィロゥの力を有する一族であり、その力を陰陽道に生かしていたのである。
　しかし、彼女はその真実を知らない。自分が力に目覚めたのはあの事件によるものと思いこんでいる……