生まれたのは紀元前……というわけではない、
カードバトルに参戦したりとか、誰かの身体に魂が宿っていたとかそういうわけでもない。
闇のゲームとか知らん。

1000年程度は生きている元トカゲ。
1000年前はアルビノ種のただのトカゲだったのだが、
当時研究されていた賢者の石の実験台に使われた際にオーヴァードとしての能力が開花。
賢者の石が体内へ吸収され瞳へと刻まれた。
この辺りのことはあまりPCは覚えていない。なにせかなり昔の話であるし脳も今よりはるかに小さいトカゲだったから。

この1000年の間、何度も何度も身体が変異を繰り返している。
トカゲの身体が脱皮するように、力に目覚めた彼女は時折、
自身の体に蝙蝠のような羽根が生えたり、2足で立てるように変化したりと変異している。
今の形は何度目の変異なのか、PCは覚えていない。

この変異の能力のおかげで、体長を変化させることが可能。
さらに最近は人型の形を取れるようになった。努力の結晶。
この体質については、便利だなー程度に捉えている。

或瀬家が所有している山に隠れ住んでいたらしく、時折家の人間に見つかっては話をしたり遊んだりして日々を過ごしていた。
（元は誰も管理などしていなかった山に住んでいたが、あとから或瀬家の人間がその辺りの山を買い取った。）

そのせいか、いつの時代か山には白い龍がいるという噂が家の中で絶えなかった。
家の子供や近所の子供の間でもっぱら噂になり、肝試しに龍を探しに森に入って、子供が迷ったりすることがあったようだ。
ある少年もそんな非科学的な噂なぞあるわけがないと森の中に入り、白い龍と出会うことになるのだが。

ある少年とPCは友達になり、限られた日々の大半を一緒に過ごすようになる。
少年はこの地方に夏休みの間にだけ訪れて、PCと遊んで夏休みが終わったら街に帰っていった。
初めて出会った時から、そんな逢瀬を10回程度繰り返した頃、青年はしばらくこの場所に来れないとPCに別れを告げる。

PCは10年だろうと20年だろうと待つ気満々で別れを受け入れて見送ったが、
別れから少し経った頃、互いが生きる時間が違っていることに気がついた。彼にとっての20年は命の半分程度の時間を表している。
このままでは、彼と共に生きられる時間が少なくなる、と理解したPCはすぐに青年の元へと飛び立った。