神城家直系に近い分家に生まれた女性。一人っ子の長女。
神城家の当主を支える分家の一員として教育を受け、将来は神城家の権威の為に有力者との縁談が組まれる予定だった。
しかし、20の時に北条健彦が主導したレネゲイド実験の失敗で同席していた父を喪う。
幼少時に母を喪っていた事もあり、両親を喪った巴は分家の長として家を継ぐ事になる。
大学卒業と共に父が勤めていた神城グループの中核企業───神城重工に入社し、ノイマンシンドロームの能力を活かして携わった事業で成功を収め、社内での地位を確立。
神城早月との個人的な交友関係もあり、社内政治においても有力な立場を維持している。
現在は取締役として神城重工に籍を置き、会長派としてUGNとの交渉や調整に勤しむ日々。

些細な問題があるとすれば、神城重工という企業は改革派────反会長派閥の中核である事くらい、である。

本人の戦闘能力は皆無であり、主に情報収集にてそのコネクションや財力を活かして味方を支援する。
戦闘に巻き込まれた際には、神城重工がUGN独逸支部と共同開発した空中機動基地に支援を要請し、上空から敵を砲撃する。
とはいえ、空中基地そのものが試作型である為、火力においては臨時に配備された対物ライフルでの狙撃に留まる。
基地の本領は、そのデータベースへのアクセス能力を活かした情報収集能力である。

嫋やかで清楚。世間一般がイメージする『深窓の令嬢』を具現化した様な女性…である事を心掛けている。
両親を喪った自分が、一族の中でも神城グループにおいても若輩者かつ権力基盤が脆弱である事を理解しており、神城早月の失脚が自身の終焉である事も理解している。
その為、敢えて神城早月と敵対する神城重工に身を置き、時には我が身を使ってでも改革派の中枢に楔を打ち込もうと立ち回る。
しかし彼女の本質は被虐────被支配であり、自らの理想を体現した様な神城家の面々に複雑な心境を抱えてもいる。