容姿・経歴・その他メモ

生まれた時から名前のなかった少女。
言葉通り親に名付けられることすらなかった少女。
世情も己の所属する国すらも知らない。何なら家族の温もりも知らければ友情というものも知らない。
特定の実験のために作られたというよりは実験を行う上で消費される試行錯誤のための試験石の一つとして作成されたため、ラベルもなければ研究員たちの評価もない。
そうして数年、そろそろ試験石として一定値の能力を得たため今後予定されている実験のための試験石として使い潰されようとしていたところを商人兼買い取り手として足を踏み入れていた多々良凜々花、愉悦のために潜入していたサニー・サファイアの眼にたまたま止まる。
『使い潰されるの避けれるって知ったら、どうする？』そう尋ねた二人に対し、「私などより、もっと貴方様を必要とする人々に慈悲をお与えください」と返した。
自己犠牲というわけでもなく生きることに絶望しているようでもない彼女に興味を持った二人は彼女の試験石になる順番をあの手この手で後回しにしつつ名無しの少女に何度も会いに来る。
二人からいろんな話を聞きつつ何度も会いに来る二人に対して「私以外にいないのですか？」と尋ねた時
サニー「あなたほど面白いのはあんまりいないかなあ。」
凜々花「いい商品や買い手はいくらいても困らないものよ。みーんな必要なかったり使うような世界じゃないって思いこんでるからしないけど。」
と言われ、「じゃあ、こんな私にも慈悲をくださったあの方たちへの恩返しも含めて、彼女たちが面白いものに会えたり、商売がうまくいくようにしよう。」と考えた。
きちんと彼女達が望むものはどういうものか、その結果起こることを聞いたうえで、「あなた方のお手伝いがしたい。」そう言って手始めと言わんばかりに自分のいた研究区画の他の実験体や研究員を扇動し、凜々花の商品に対する需要を上げサニーが面白そうだと思う人間を量産した。
こうして結果的に粗が増えた研究所は、破滅していくことになる。
そうしてアラートがなる研究所でもう用済みかなあと言わんばかりに研究所を出ることを決めた二人にお礼としてサニーからはコードネームを、凜々花からは名前を付けてもらいここに来てる人に拾ってもらいなよというアドバイスを残して去った。
その後は雑賀正宗と遭遇、話すうちに彼女の行いの根底にある人を想う善意に価値を見出され、狂気を理解しつつも引き取られることになる。

〇性格
表面上は見た目以上に礼儀正しく無垢な少女。
しかしその本性は常人の価値観が通じないエイリアンのような人物。
淑女的な性格でこそあるものの配慮や共感といった能力が著しく欠如しており、
人々が傷付く様子を直接見た上で、誰かのために武器を持ち戦場をかける兵士達を素晴らしいと慕い
家族、恋人、子供の帰りを持つ人達を素敵と憧れ
狂気に呑まれ狂った人間を愛らしいと愛で
前線に出ずに後方で好き勝手命を使う者達を自分には出来ない事をしていると尊敬した。
己を殺しに来た人物にすら、「人を殺すなんて悪事を犯すほどに自分が許せないと思うほど、大切な者を失ったのでしょう。大切な人が居たのでしょう。なんて素敵な人なんでしょう」と本気で思っている。
一切の差別なく、己が不幸を振りまいたと知りながらも人類に分け隔てなく愛していると言って憚らず、己を殺したい人間はきっと沢山いるのだから目の前の人だけに殺されるわけには行かない。全力で抗い、それでも己を殺す者が現れるまで生き続けるのが今この場にいない己を殺したい者達への礼儀だと思っている。
ジャームに対しては元々の人物の願いや思いを無為にし歪め、生前の願いすらも歪める悍ましい存在というあくまでレネゲイドによって無常に歪められた感情の元動いているという認識。ただ、稀にその性質が友愛だったりして誰かを守るジャームの誕生を感動の涙を流しながら拍手を送ったりもする。
決して人の感情や倫理観に対して理解がない訳ではないのだが、その行動や言動はどこかズレており、どす黒くもその願いの根底は人を想う善意であり、そこに悪意や害意は一切ない。
「得体の知れない何かが皮を被ってヒトの真似事をしている」という言葉が非常によく似合う存在。それが多々良愛華という少女である。

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