俺が欲しいのは、誰かに勝つための強さじゃない！
―――自分に負けないための、“強さ”だ･･･！

概要

アカデミアシティ第10学区にてSランクの指定を持つ少年。
収束性なし、干渉性なし、操縦性なし――炎熱特化サラマンダーとしては致命的なまでに才能に欠ける。
それらすべてを、純粋な積み重ねで克えてきた。即ち、彼こそ常人ならざる"努力家"である。

戦闘力評価

継戦火力：★★★★☆　Sランク
瞬間火力：★★★☆☆　Aランク
生存能力：★★★☆☆　Aランク
支援能力：★★★☆☆　Aランク
特殊能力：★★★☆☆　Aランク
総合評価：　　　　　　Aランク（エージェント高位：学生ランクS）

戦闘スタイルは、努力の結晶らしく王道な剣術。
"極光剣"のエネルギーこそ自前であるが、彼の才能では刃の形を維持できない。よって編み出されたのは、12の"黒剣"を"極光剣"の外殻とした大剣創造。元来サラマンダー優位のクロスブリードだったが、後天的にバロールのレネゲイドが活性化したことで、バロール優位の｜亜純血《デミブリード》となった。

黒き大剣から赤いエネルギーがあふれ出す様は、まさしく火山。
大火力を安定して引き出せる点が最大の強みだが、未だ貫通性には課題が残っている。無論、鍛錬は欠かさず続けているものの、サラマンダー能力の制御難は彼にとってコンプレックスになりつつある。

彼の最大の強みは、強力な武器以上にその努力への執念深さにある。現時点で、すでにエージェントとして高位クラスの実力を持つが、今後サラマンダーの能力を使い熟していくことで急成長を遂げる可能性もあるだろう。

能力

能力：｜火成作用《ヒノカグツチ》

特定環境操作能力。
従来の穂村翔の能力『｜炎熱《イザナミ》』と『｜黒点《イザナギ》』の性質を抽出し、再定義した能力。分類上は地殻層・マントル層に対する環境操作能力であり、主な作用は『圧力の操作』。マントル及び水蒸気の圧力を操作することによって、自身の周囲にマグマを湧出させることができる。副次的な効果として、地殻内の岩石変性や小規模の地震を引き起こす。
前者の効果を『火山作用』、後者の効果を『深成作用』として区別する。火山作用は火山剣と相互相性があり、主として自己強化やメインウェポンとして運用する。対して、深成作用は強力かつ周辺環境への広域影響を齎すが繊細な制御が困難であり、大味な補助能力として運用している。

人物像

素直で実直、そして病的なまでの"努力家"。
並のオーヴァードならば疲労で逆に訓練効率が落ちるような訓練メニューを、誘惑に屈しない精神力と《自動体温》で調整することで維持している。彼がここまで努力に執着するのは、何か理由があるらしい。第10学区の学生らしく"日常"を重んじており、極端に革新的・革命的な考え方には反発する傾向がある。
周囲からの印象は概ね好青年であり、困っている人を見かければ、積極的に助けようと考える。

1話

再会した氷月への憧れは絶えず、雨田の一件を経て揺るがぬ"強さ"に対して執着を抱くようになる。
暴走した雨田に対して力及ばなかったこと、それを倒した氷月の"強さ"に触発され、逃げ道を絶つように不得手なサラマンダー能力を鍛え始めた。才能の無さは一切の言い訳として成立しない。故に、輪郭が見えない"強さ"をがむしゃらに求め、彷徨い始めている。

2話

志を共にしていると信じていた友人、目樽 恋が凶行に走っていたことを知り、強い衝撃を受ける。同時に、自らがSSランクまで至れない可能性が高い現実を突きつけられ、自分が求めてきた"強さ"とは何なのか思い悩む。理想と現実の間で揺れ、様々な人物たちに叱咤を受け、掴んだ答えは「自分の弱さを受け入れること」。

身の丈を理解して身を引く理性も、なにかを切り捨ててでも強くなりたい欲望も、"弱い"彼には抱けない。
だからこそ、自分が欲しい"強さ"とは、遠い理想まで飛翔するための翼。誰かに憧れてとか、誰かを倒すためとか、誰かを救うためとか――"強さ"の理由を他者に委ねるのは、もう終わりだ。

心の弱さを認め、それでも、なお、強くなるために、生き足掻く。
弱いままに、強くなる。

3話

マスターエージェント、そしてSSランクとの戦いを経て自らの力を開花させる。
才能の壁は変わらず高く、彼の炎熱限界は"火山剣"を作り出す程度。それ以上のエネルギーは捻出できず、氷月の冷気に適応できない。故に進化の方向性は、自らを高めるのではなく、外界へ働きかけるように定められた。自らの能力を解体・再定義し、バロールとサラマンダーの能力を複合的に発動させることで、地殻下のマントル層に対する圧力操作を体得。マグマを操作し、適応・吸収を経て自らのエネルギーへと転化させることに成功した。
無論、地下深くの空間に距離を隔てて働きかけるなど、並大抵の練度でできることではない。これは、彼が５年間にわたってバロールの引力発生能力のみを鍛え続けてきた結果であり、これまで同様、重力操作や時間操作は不得手としている。

翔SSランク能力

あなたが成長で取得可能なエフェクトをひとつ選び、このシナリオ中、取得可能な任意のレベルで取得する。
この効果は1シナリオに1回まで使用できる。
ただし、あなたは成長の際、この効果で取得したエフェクトを取得したレベルで取得しなければならなくなる。

来歴

オーヴァードとして一般家庭に生まれるも、両親から深い愛情を持って育てられる。
検査の結果Ｃランクの判定を受け、軽い能力・衝動制御訓練と共に普通の生活を送ることを許された。
１０年前、両親とも交通事故によって逝去。初等教育の開始とともに、正式にUGNチルドレンとなった。

雑記

余談①　テーマ

モチーフは"火山"、"努力"、"火属性"、"地属性"。

余談②　侵蝕率と成長

侵蝕増加によって攻撃力が上がるわけではない。そこが魅力であり、同時に大きな弱点でもある。
極光剣を徐々に使いこなせるようになっていけば、その弱点も自然と解消される･････はず。
※されませんでした。

余談③　｜火成作用《ヒノカグツチ》の解釈

｜火成作用《ヒノカグツチ》の能力（特定環境操作能力）は科学的に検証・分類化されたものであるが、文化的視点によって伝承系能力として繙くこともできる。
これは、地球内部への作用を主とする能力を、｜伊弉冉命《いざなみのみこと》と｜伊弉諾命《いざなぎのみこと》による国産み・神産みの伝承をベースとして解釈する場合、火焔を掌る権能は両者の子である｜火之迦具土神《ほのかぐつちのかみ》のものとして説明できるためである。
なお、｜火之迦具土神《ほのかぐつちのかみ》は出生時に｜伊弉冉命《いざなみのみこと》に大やけどを負わせており、｜伊弉冉命《いざなみのみこと》はそれが原因となって命を落としている。これに激怒した｜伊弉諾命《いざなぎのみこと》によって｜火之迦具土神《ほのかぐつちのかみ》は殺害されており、血液から｜建御雷之男神《たけみかづちのおのかみ》をはじめとする神々が生まれた。

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