幼少期、猟奇殺人犯によって両親を殺害された。
元々感情表現に乏しく負の感情を自覚しにくい人間だったために両親の死を前に泣くこともできず、"人間らしくない"と感じる自身の精神状態がコンプレックス。
あるとき「もう一度死体を見ればなにか感じることがあるかもしれない」と思い至ってから現在まで、心のうちに殺人衝動を抱えて生きている。彼の抱く『殺戮』の衝動はそのすべてがレネゲイド由来であるとは限らず、彼はその衝動から目を背ける術を誰よりも知っている。

学生時代は衝動から意識を逸らす目的で多趣味を極めており、なかでも高校時代に組んでいたバンドは世間の評判が良かった。レーベルからも声がかかっていたらしいが、黎は「興味ない」の一言で一蹴している。

現在の黎の立場といえば、UGN本部エージェントである菜柘榴維の実質的な部下である。
ある事情から日本支部に留まっている榴維のサポートをするのが黎の主な仕事だが、榴維の目的を知る人間は日本支部でもごく一部に限られている。
任務の秘匿性や榴維の立場を理解しつつ、未成年の彼にそんな重責を負わせているUGNに対して思うところがある様子。それ故なのか本人の面倒見の良さ故かは定かでないが、榴維に対しては部下というより兄のように接している。

仲間の協力により、黎が追い続けていた『自分を殺したジャーム』の正体が、小鳥遊奏の実の母親――｜堕鬼《インサニア》であったことを突き止める。
バラルセルのセルリーダーである【傀儡師】の指示により無差別的に選ばれた黎は堕鬼に殺害され、【白夜】と呼ばれる検体のレネゲイドを自身の体内に取り込んだ。レネゲイドに適合した彼は覚醒するが、その直後に彼を発見したのが奏だったのだ。
『自分のせいで黎から日常を奪ってしまった』という罪悪感を抱えていた奏を救うため、黎は自身の仇と真っ向から対峙する。

・夢遊病者は此岸にて｜キタニタツヤ
・Phantom Joke｜UNISON SQUARE GARDEN
・スヂ｜MARETU